「クルセイダーズが好きで・・・」の半斤八両さんによる海賊盤の検証たるや、証拠物件探しに始まり、
ライブの「アリバイ」を追っていく手並みの凄さは、あの明智小五郎か金田一耕介を彷彿とさせるもので、海賊盤の
「掟破りの犯行」が見事白日の下に曝け出されます。
といったような次第で、今回の海賊盤の検証もまた、半斤探偵事務所に頼りました。それによると、どうやらこのアルバム、
「LIVE UNDER THE SKY'83」でのクルセイダーズの演奏を伝えたFM放送からの収録らしい。
「Put It Where You Want It」でライブの幕は閉じますが、そのあとに録音されているコメントの声の主は、
元スィングジャーナル編集長、児山紀芳氏
とのこと。「それでは、リーダーの一人ジョーサンプルにインタビューしてみました。
人気の秘密はどこにあるんだろうか。」
とインタビューの収録の期待まで膨らませといて、いきなりブレッカー・ブラザーズバンドの演奏が始まるという
問答無用の尻切れとんぼ状態には残念。それに明らかに「The Hustler」の曲目を、「Free As The Wind」と紹介
されているのが解せません。ひょっとしたらその間の演奏がカットされているのではという憶測もよぎります。
かといって、この海賊盤が期待はずれだったかというと、とんでもありません。そんな憶測なんて吹っ飛ばしてしまうほど、
エネルギッシュなアルバムだったのです。
のっけから重低音のベースを炸裂させながらLarry Grahamが火傷するくらいの熱さで殴りこんできます。まさに「炸裂」
という表現がピッタリで、唸るほどに「Victory」。Wilton Felderのテナーが祭囃子のように煽ること、煽ること。
大歓声が観客の心の鷲づかみぶりを如実に物語っています。
進行役のWilton Felderは、こんなにエキサイトしているのもめずらしいのでは、と思われるほど声も歓喜に高潮し、
聴いていて、満面の笑みを想像してしまいます。
「Hustler」を演奏しながらの各プレイヤーの紹介ぶりも、絶好調のノリで、
「クルセイダーズ、サンキュー!」。
そしてご存知「Put It Where You Want It」。場内一体と化して興奮の坩堝。クルセイダーズのグルーブ全開。
Wiltonがアルトに持ち替えての熱奏。David.T.Walkerがギターで「おひかえなすって」と侠の仁義を切る。
ライブの醍醐味ここにあり。
そしてまたもやLarry Grahamが乱入し、豪腕で熱風のスパイラル状態へと誘います。
ファンキーなビートに乗って、「どうも・ありがとう・ございます!」で大合唱。
ウーンやってくれますネ。それでは皆さん一緒にご唱和を「どうも・ありがとう・ございます!」
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