このアルバム、果たして1980年のLIVEであるのかは判然としません。「クルセイダーズが好きで・・・」で、まるで
探偵事務所の明智小五郎よろしく、海賊盤の真偽を綿密に検証する半斤八両さんによれば、どうも7曲目の「STREET LIFE」
からは他所でのLIVEを合体された疑念もあるとのこと。この辺の証拠物件検証は、手に余る作業で、これはもう半斤探偵殿に
頼るしかありません。コチトラ、ブートであれ、ただただアルバムに身を任せて聴き入るばかりなんです、ヨ。
ところが、そう!2曲目の「SNOWFLAKE」で、ふと立ち止まってしまったのです。
曲目に偽りありで、アルバム「IMAGE」収録の「SNOWFLAKE」とは明らかに違います。片鱗もないでしょう。
この曲、あくまでも「WAY BACK HOME」で、前奏の部分は「WAY BACK HOME」に入る際のアドリブではないのでしょうか。
しかも、その前奏で、Wilton Felderの奏する楽器は、いつものサックスではなく、どうもリリコンのような気がします。
この辺りが、海賊盤の何とも失笑を招く可愛らしいところで、アイスイマセーン、といったところでしょうか。
それでも「MELODIES OF LOVE」や「CARMEL」や「IT HAPPENS
EVERYDAY」では、Joe Samleの、魂の羽根を一本一本指で抜いては織り成す「鶴の織物」のようなサウンドには感無量です。
しかも、まだうら若きRandy Crawfordが歌い、Joe SampleやWilton Felderがまだ鮮魚のように瑞々しいプレイを披露する
、できたてほやほやの18分という長尺の「STREET LIFE」や、「闘魂」がせせらぎのように流れる「IN ALL MY WILDEST DREAMS」
が付録のようについているのも僥倖です。
ですから、「失笑を招く」部分はあっても、いつものクルセイダーズの「熱」、「空気」、「魂」は、このブートにも
確実にみなぎってます。
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