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参加作品
開催:2013年8月
9日目、今年のファンタも無事終了しました。
元仲間の1人で、ここ数年姿を消していた人物をめぐってファンタの作品のテーマにできそうな事が起きていたそうで「今年姿を現わす」と連絡が入っていたとのこと。私の所は数年前にメイルのアドレスがプロバイダーの都合で変更になっているので連絡が入らなかったようなのですが、もし前のアドレスが生きていたら私も妙な体験をしたかもしれません。
ま、そのような事はスクリーンの上だけであることを願いますが、今年は何度も書いたようにここ数年よりレベルがアップしました。仲間で意見が分かれ、ほぼ全部見た人は私と大体同じ意見、部分的に見た人は今年のレベルは低いとの評価です。
私としては実り多い年に思えたので、そのまとめを間もなく別なページに出そうかと考えています。今日は各作品の所に取り敢えずのコメントを書き、このページはそれで終了ということにします。
8日目に入るところです。
6日目までのサプライズが終わり、中程度の作品が続きます。ここ数年はこの辺りが上のレベルでした。今年はそこが他より低めとなっているわけです。なので実り多い年と言えるでしょう。テーマの偏りや、そのテーマの掘り下げぶりには問題が見えますが、私が上だと言っているのは、映画作りの技術、俳優の能力、プロットなど。テーマの傾向はそのテーマで映画を作ると言ったらお金を出してくれる投資家が見つかり易いといった事に関わるので、監督や俳優には如何ともし難い面があり、映画人の責任は問いません。これだけの技術的な能力を備えていれば、たいていのテーマでやって行けるという風に見えます。
今年集中しているテーマ自体は扱ってもいい話ですので取り上げることは問題無いのですが、扱うならそれが今後の世界に役立った方がいいと考える私には一過性のガス抜きに見えてしまうのです。それで話が済んでしまうならやらない方がいいのではと考えざるを得ません。
今年はトレイラーを見た段階でここ数年の中で1番レベルが上がったと思ったのですが、見た後事前の予想より良かった作品が続きました。予想を外して悪かった作品もありますが、うれしい驚きの方が多いです。(4日目)
2日で7本見ました。私の好みとは別に、ジャンルに忠実な作品があり、それなりのレベルです。駄作と言うか、演出や演技がお粗末なのは1本のみ。私の好みも加えると、ディーン・クンツの映画化作品 Odd Thomas が良かったです。
これまでのコメントは一番下に移しました。
オープニング
特別プレミア上映
注目の作品
注目の監督
アジア特集
血の滴るコーナー (コンペ)
真夜中の狂気
【非公式特集】Alamo Drafthouse Cinema
公式プログラム
短編特集
フィナーレ
参加予定作品
オープニング
オープニング作品としては重そう。2008年のファンタに出た戦場でワルツの監督の次の作品。そのためイスラエルも出資し、アニメも使われています。アニメは戦場でワルツと同じ人たちの制作。今回の手法はクラシック。
原作はSF小説で、ブラック・ユーモアの要素もあるそうです。舞台はハリウッドに置き換えてあり、原作そのままではありません。
離婚後ペンという名前を外したロビン・ライトがロビン・ライト役で、主人公。自分の体をスキャンして、20年の間年を取らないイメージのままの使用権を譲渡。映画会社はそのイメージを自由に使ってどんな映画でも作れるようになる。ハリウッドに取っては究極の人件費節約。契約が切れる20年後、彼女はアブラハマという町に来て、会議に出席する。契約延長を勧められるが、本人は老女になっている。
原作小説の方はもっと怖く、あのマルサス主義が使われている。
トレイラー: こういう壮大な筋にしてはやや子供っぽい演出に思えますが、トレイラーはたかだか2分。本当はおもしろいのかも知れません。ロビン・ライトは確かにきれいな人ですが、ジェニファー・ロペスやモニカ・ベルッチのようなスターとしての重さが足りません。
後記: トレイラーを見てある程度予想していましたが、ファンタの作品とタイプがずれます。間違いなく SF ではあるのですが、主題が SF と言うより人間を掘り下げて行くためではないかと思います。監督が来ていて、上映後すぐにインタビューとビュフェー・パーティー。しかし質問が次々出るわけでなく、監督の周囲を大勢の人が取り囲むでもなく。
私は見終わってちょっと欝っぽくなりました。スキャナー・ダークリーと共通する面もあるのですが、スキャナー・ダークリーはどちらかと言えばファンタに向き、The Congress はむしろベルリン映画祭に向いています。
主演は見る前、ケイト・ブランシェットかケイト・ウィンスレットの方が向いていると思いましたが、監督もブランシェットは候補に入れていました。しかし見終わると、ロビン・ライトの腹の立つほどの弱さがむしろ監督の意にかなっているのかも知れないと考え直しました。ライトは大根役者なのですが、その演技の下手さが物語りに真実味を出していて、演技力のある2人だとライトが運命に振り回されるところに真実味が出ないかも知れません。自立心が足りない人物でないと物語が成立しません(ライトが自立しているならお許しを。演技ならうらぶれた危うさは立派)。
The Congress を見て観客が鬱に陥ることを予想してか、次の作品はハチャメチャ陽気なおバカ映画でした。
特別プレミア上映
この作品の外国での評価は100点中85点を超える高評価なのですが、集中的なロビー活動の結果と見えるので、疑問符がつきます。ファンタでは特別枠で公開。監督が来るようです。2011年のファンタに Kalevet - Rabies で参加した人たち。イスラエル初のホラー映画だったそうです。
イスラエル人は本来ユーモアもあり、自国で好きなように映画を作りたいらしいのですが、そうも行かないという話を15年ほど前にベルリンに来たイスラエルの映画人から聞いたことがあります。好きなようにやらせたら愉快な作品を作ることもできるのではないかと思うのですが、国が長期に渡って緊張状態なので、なかなかそういうわけに行かないようです。そんな中でコメディー。きっとドライなユーモアなんでしょうね。
トレイラー: 犯罪映画らしいことは分かるのですが、怖そうなおじさんが怖そうに何かを語り、縛られて命を落としそうなおじさんが不安そうな表情。「どこがコメディーなんだ」と突っ込んで見たいです。
トレイラーでは分かりにくかった筋: 少女連続殺人事件。有力容疑者は温厚で地味な教師。何度調べても埒が明かず、この事件に取り付かれた警官が我慢できず自分で勝手に教師を工場に連れ込んで、法を無視した取調べを始める。ところがこの様子がインターネットに流れてしまう。警官は停職。その程度ではめげず、更に調査。またしても法を無視した方法(=拷問)でこの教師を取り調べようとしていたら、犠牲者の父親の応援も。
後記: 過去に見たイスラエルの作品は適度にブラックなユーモアのある作品だったのですが、近年の作品はまじめに取り組み過ぎる印象を受けていました。そこへ殴り込みをかけたのがこの作品なのですが、イスラエル人の暴力に対する耐性の強さに驚きました。一応ブラック・ユーモアという触れ込みなのですが、見終わってげんなりしてしまいました。どこにユーモアがあるんだ!?
崇高なテーマを扱ってもこれではちょっとついて行けないです。「イスラエルは女性が出る幕のあまりない社会だ」と監督自身が何度も強調しているように、女性の感性だとついて行きにくいです。陽気な青年監督が始終笑いながら話していたのですが、俳優の技量以外は褒めようが無くて戸惑いました。
この作品が言いたいのは「幼い少女を誘拐して殺す、それも連続殺人とはけしからん」という面と「いくら被害者の PTA だからと言って、あるいは絶対に犯人を捕まえる決心の担当刑事だからと言って、秘密裏に拷問で自白を強要するのはけしからん」という両面だという所までは私もついて行けますし納得もします。
ついて行けなくなるのはリンチと言う形で司法や行政の手を借りずにオトシマイをつけようという部分。元来立派な職業についている人物を主要な登場人物として配置しているのは監督の意図。そこも分かります。で、その先ですが、拷問をユーモアとして適度にやるのなら分かりますが、徹底的に狂気にも近い情熱でマジ風に描写するため、そして見終わったところで監督があまりに陽気に笑い続けるので、こちらは疲れてしまいました。
ドイツ人の若い観客からは褒め言葉の連続。それ以上の世代は沈黙していました。私は毎年これだけの数のスプラッターやホラーを見ても自分がまだこういった暴力に対して神経が麻痺していないことを発見しほっとしました。褒めなかったドイツ人の沈黙も善意に解釈したいです。
注目の作品
監督はノア・ミラーの双子の兄弟。
1886年のニュー・メキシコ。夫を殺された女性が復讐を計る。助けてくれるのが保安官。
トレイラー: これぞ西部劇という景色、セットで、それだけで見る価値がありそうです。ジョン・ウェインの頃のステレオタイプの枠をキープ、そこにリアリズム風の画面。西部の雰囲気が良く出ています。トレイラーのバックに流れるのはソウルの元祖のゴスペル風な曲。それとホラーをどういう風に結びつけたのかは見てのお楽しみとなるのでしょうか。
後記: 最初は見る予定だったのですが、飛び入りのゲストが来る作品があったので、そちらに行きました。見た人の話だと、飛び抜けた秀作ではないものの、きちんとまとまっていたそうで、それは私の見た方の作品も同じでした。どうやらカメラのいい作品を2つぶつけたようです。
注目の監督
トレイラー: いきなり冒頭息子が母親の目の前で散弾銃をぶっ放し自殺。次は葬儀、教会、墓地、そして壁の血糊を掃除。その後も何度か牧師が出て来て論争があります。子供が病的だと主張する者も。フランス語は全然分からないのですが、展開を見ていると、子供に悪さをした男がいて、息子はそのために自殺したらしい。そこに気づいた母親が同じような事件を起こした男たちのリストを手に、怒れる処刑人と化して国中退治して回るらしいです。悲しみにくれていた女優が、後半元気溌剌。息子が何年苦しんだか考えると、こういう犯人は殺すより時間をかけて裁判にした方がいいと思うのですけれどね。
ちょうど今アメリカで3人の女性を長期に渡って監禁した男に900ほどの罪状で保釈無し1000年の求刑がありました。人によってはなぜ死刑にしないのかと考える人もいるかも知れませんが(赤ん坊が少なくとも1人殺されているので)、こういう結論も一理あるように思います。
後記: 問題を抱えた国の押し付けがましい作品かと思い、組んでいたもう1つの作品の方が面白そうだったので、最初は外すつもりでした。しかし意外なことにコメディーだと言うので、考えを変え、見ました。確かにおもしろいです。監督は色々個人的に思う事もあり、個人的なメッセージや方向性を出していますが、それを越えた皮肉のおもしろさ、俳優の上手さがあり、大笑いしながら鬱憤を晴らすも良し、深刻に社会問題として捉えるも良し、何通りかの楽しみ方ができます。監督に直接話を聞く機会もありました。
今年のファンタで目立つのはぼけっとした質問をする人が多いこと。主催者が「質問してもいいよ」と言っても、質問者がゼロで、主催者がいくつか質問して時間をつぶさなければならないこともありました。近年の観客は映画を見る気はあってもそれ以上の関心は無いのかも知れません。世代が変わりつつあります。なので監督の周囲を人が取り囲むことが無く、あっさり話をする機会が見つかります。
で、いくつか聞いて見たのですが、フィリップ・ナオンは監督の友達なのだそうで、いくつかの映画に出て来るような悪漢ではないそうです。
アジア特集
日本
台湾も登場する祓魔師の話。日本にはアニメ・シリーズがあり、その劇場版とのこと。原作は漫画。
自分が悪魔の息子だと知ってしまった修道院に収容されている少年。学校の成績もいい双子の弟と比べ、ニート傾向のある兄。祓魔師の養父が悪魔に殺されたことから自分も祓魔師になることを決める。
トレイラー: 一般のドイツ人には受けないかと思います。子供っぽいトーンなので。日本人なら子供っぽさの中に日本の文化や、外国の影響が混ざっていることが分かるので、そして大人は子供っぽい所は頭の中でスルーしてストーリーを追うだろうと思うので、見るに耐えるかも知れません。最近のドイツ人のアニメ・ファンがどう反応するか興味があります。ドイツにはいつの間にかファン層というのができています。もう少し声優が学芸会風の発生を卒業して、子供っぽさを減らしたら、もう少し層が広がるかも知れないです。
後記: 今年のアジアの作品はインドを除いては弱そうで、友人は大部分が外しています。私はお国のためを思ってこの作品は見ることにしていたのですが、見終わって「外しても良かった」と思いました。日本と中国の文化がわざとチャンポンにしてあり、話の結論も融和融和と言いたいらしいのですが、文化のチャンポンはイノセンスにとてもかないません。イノセンスの安いまがい物という印象を強くしました。ストーリーも雑然としていて、まとまりが悪いです。日本はもっと優れたアニメをこれまで何度も出しているので、青の祓魔師 劇場版には確信を持って落第点をつけます。顔を洗って出直して下さい。
黒百合団地では幽霊の噂があったり、人が死ぬ。主人公も死体を発見したり、色々恐ろしい体験をする。
中田秀夫を総合監督としたテレビ・ドラマも作られている。放送は深夜。
トレイラー: ファンタではおなじみの監督。とは言え、怪獣映画やアニメと比べ、劇映画には観客のファン層ができません。演技が幼稚なためかと思われます。俳優を使った邦画にはドイツ映画と似て何かの枠がはまっているのか、監督も俳優も自由に活動していないように見えてしまいます。その点、近年スペイン、デンマーク、アメリカに起き、ちょうど今カナダや南米でも動き始めている、予算は小ぶりながらおもしろい作品の波に日本も影響される日は来るのでしょうか。日本人監督がハリウッドで作った作品にはいいものもありますし、日本の素材をハリウッドが応用した作品には大成功したものがたくさんあるのに、肝心の国産映画は今もってふるいません。
注: すでに見た人が感想を書いていましたが、「だめ」とありました。私もトレイラーを見た範囲ですが、賛成しそう。
インド
お待ちかね、インド映画です。ミュージカルだといいんだけれど。
恋をした青年がライバルの女たらしの実業家に殺されてしまう。生まれ変わったのは蝿。実業家に仕返しをたくらむ。
トレイラー: むっちゃくちゃ荒唐無稽で、トレイラーを見ただけで笑い転げました。タイトルはインドで使われている言語で、それぞれ《蝿》という意味。
後記: 映写のコンピューターの故障で45分遅れての開始。145分の映画で、開始時間が普段より30分早くなっていたところへ45分の遅刻。その上作品はベルリンとしては超長い。そのため後のスケジュールに影響が出ましたが、作品は思った通りの大コメディー活劇。待っていた観客は先刻ご承知。コーヒーを買いに出る者はいても、帰る人はいませんでした。
元気を無くした人、鬱状態の人、失望している人には抗欝剤としてお勧めです。
香港
トウ初の大陸映画。
評価がぐんぐん上がっているのですが、ロビー活動があったのかは分かりにくいです。100点中60点から80点をつけた人が3桁の数いて、それより上と下の点をつけた人は2桁から1桁。特に70点から80点をつけた人が多いです。
中国で麻薬カルテル、違法薬物に関わる犯罪者と警察の話。
インタビューを見ると検閲、自主規制でかなり制限があった様子。そのため井上さんも普段のジョニー・トウと違うという感想を漏らしています。あと30年ちょっとで1国2制度も無くなり、大陸の制度が香港にも適用されるので、香港の映画人はやりにくくなるでしょうね。香港の人だと、町の中で拳銃をバンバン撃ちまくったり、めっちゃくちゃひどい悪徳警官やギャングのボスが出て来ても、これは娯楽映画だ、現実生活とは違うのだと思って見ますが、その辺大陸と事情が違うのでしょうか。
トレイラー: 期待できそうな感じです。
井上さんのページも参考にしてください。香港発のジョニー・トウとは一線を画す作風で、大陸用麻薬撲滅キャンペーン映画かという声も出ているようです。
後記: 井上さんの感想とほぼ同じ。トウの話だと制作で香港とは違う制約が色々あったそうで、「大陸のジョニー・トウ作品はこうなる」と見てもらいたいらしいです。強調したい部分がトウ個人の判断とは違うということなのでしょう。ま、一定のアクション、撃ち合い、プロット、俳優は揃っています。なので見て損をすることは無いでしょう。
今回のアジア作品には韓国サプライズがあり、作品の深さでは韓国の勝ちです。最近色々これが民主主義の国かと目を疑うような出来事の続く韓国ですが、去年ぎりぎりのところで政治家より優れた見識を映画人が示した感じです。
詳しい内容は分かりませんが、6人兄弟が出て来ます。
トレイラー: トレイラーの語り部は7人の息子を持つ父親楊将軍。どうも西洋の古い時代の戦いの映画やアメリカの西部劇を模倣したような作りでしっくり来ません。中国資本で大金をかけてあるのだから武器や馬の使い方はもう少し時代考証をやってはどうかと思います。この種の時代劇に付き合わされる香港や台湾の映画人が気の毒。香港の人は荒唐無稽な時代劇を作り、時代考証はやらないよと元から宣言したような作りで、その分ハチャメチャのストーリーがおもしろかったりするのですが、中国資本が入ると一見本当の時代劇風に見え、突っ込み所満載の時代考証なので、見る人に欲求不満が残ります。
元々の勘違いは、中国の兵士というのは日本のある時代から始まったような戦いのプロ集団ではなく、普段は農耕にいそしむ普通の村人。すわ戦争となると引っ張り出され、武器を押し付けられ、立派な鎧兜などは与えられずに前線に立たされる人たち。普段から剣道、空手などを練習して備えている人たちとははっきり一線を画す人たち。日本も昔は中国式だったらしいのですが、ある時代から専門分野が分離し、戦う専門家と農業の専門家になったそうです。ま、戦国時代のような時期には戦争の地域に住んでいる農民も引っ張り込まれたのかも知れませんが。いずれにしろ、忠烈楊家將の兵士を見ると違和感感じちゃうなあ。一応実際にあった話を参考にしているとテロップが出ていました。
楊一族というのは実在の人物で、文学になった後演劇などにもなっているようです。映画では父親楊業に息子6人がいることになっていて、本当は息子8人、娘2人だったとのことです。息子たちは別な名前もあるのですが、大郎、次郎、三郎などと番号付けされています。
で、この人たちが何をしたかと言うと、宋と北漢が戦い、父親は北漢の武将。負けてしまうが、その事を勝った側に恨まれ、対立。遼との戦争で息子のうち2人が戦死、1人が捕虜、1人が行方不明。新しい主人に尽くそうと更に戦うが、内ゲバに遭い、勝ち目の無い戦いに。親父さんも死んでしまう。
何とか生き残った息子のうち6番目が家を継ぐ。その後も裏切り者の処分で揉めたり、跡目争いが起きたり、まあ色々あります。
後記: 時代考証最悪のトレイラーを見てしまったので止めました。組んでいたのは夢の世界を駆け巡るロビン・フッドの話。こちらもトレイラーを見て駄目だとは思ったのですが、何が駄目なのかを見定めたかったので、Robin Hood にしました。
韓国
ディパーテッドのパクリ。その他に私の勝手なかんぐりなのですが、スモーキン・エース/暗殺者がいっぱいもパクったのではないかと疑っています。韓国映画は一時期斬新で好調でしたが、最近落ち目。それを挽回するためか新世界は写真などを見るとスマートな作りになっています。ただ、ネタが香港のインファナル・アフェアをリメイクしたディパーテッドをパクったのでは本当は好調ではないのかも知れません。映画を作る人の人口は増えているようなので、もう少しがんばれば自国オリジナルのストーリーで何か作れそうなものですが。人材がもったいない。
トレイラー: 何じゃ、これは。健さんや松方弘樹などが大スターだった頃の日本の映画のスタイルをパクっているような印象です。一体韓国はどうしてしまったのでしょう。
後記: インファナル・アフェア ・シリーズ、ディパーテッド以外にもジョニー・デップのフェイクやスモーキン・エース/暗殺者がいっぱいなどパクリ元は有名無名のたくさんの作品が考えられます。それはそれ。
134分という長丁場でも作った甲斐があった面をご紹介。
インファナル・アフェア のように警察がやくざに覆面捜査官を派遣しているために、主人公の捜査官が葛藤するという点は先刻ご承知。《黄金の月》と呼ばれる大企業が合法的に展開し、その社長や重鎮がやくざに関わっているだけでなく、やくざそのものという筋も見る前から知られていました。韓国の大企業を象徴的に表わしているのだろうと想像できるような作り。その辺も「まあ、そんなもんだろう」といった感じ。
驚きはその先。今の韓国ならこんな映画は作れないのではないかと思えるほどの率直さで政治を語っています。公開が2013年なので、制作は主として2012年、前の大統領が退くことは決定していて、「まだ次がはっきりしていない今こそ」と思って作ったのかは分かりませんが、恐ろしいほどの率直さです。
要約すると「韓国という土地の上で近隣国と韓国、計3カ国が戦争を行い○○国が勝った、韓国は敗れた」話です。直前に聞いた「やくざが政治をやる話」という説明が、見ないつもりだった私の決心を覆したわけですが、その説明とはちょっと違い、「やくざ系大企業という場を舞台として使って、世界政治東アジア部門を現在進行形で語った、間もなく現在完了形、いずれ過去完了系になることを予想して」という風にまとめられます。心が痛むのは韓国が敗れる点。
敗北を韓国自体が《戦いの結果》として描いているところが、外交やスポーツで大騒ぎをし、世界的な国際機関のトップまでが自分の立場を忘れた行動に出ているような韓国人と全く違う冷静さで、そこが大サプライズでした。監督、脚本家、制作サイドはこれを見た韓国人にも冷静な判断をしてもらいたいのでしょうが、韓国がまだこれから巻き返して行けるとの楽観論は全く見えません。普通はこの種の作品を自国民に対する警告、戒めとして作るものですが、この作品には諦め寸前の、達観した視線が感じられます。私が危惧するのは若い韓国人にこの作品の方向が見えているのだろうかという点。仮にそれを理解できた人がいても、そこを出発点としてこれから国の舵を切り直すのはよほどの事が無いとできません。日本でさえ一方向に回り始めていた歯車の方向を変えるのに大変なのですから。
いずれにしろ自国をこれほど冷静に見ることのできる韓国人が、2時間を越える大型作品を作ることができたというのは現在の韓国を考えると奇跡のようなものです。長いと気づいたのは見終わってから。政治映画だと思って見ていると退屈する暇がありません。
それから映画の中のプロットの枠を越えた捻りがあるので、観客はまんまと騙されます。伏線になる台詞はちゃんと入っているのですが、観客は違った解釈をしてしまうため、パクった作品とは違う捻りが入っていることに気づくのは1番最後。なのでパクリを「それはそれ」と見ています。今年来た他の作品にもパクリっぽく煉瓦を積み重ねておいて出来上がった家は予想と違っていた例がありますが、これも分野に数えていいかと思います。近年揉め事が多くて友好的な話が韓国から来ませんが、日本に対して何を考えているかとは別に、自国に対して冷静な目を持つ人が少しはいるのだと分かった次第。
血の滴るコーナー (コンペ)
スマホ中毒の心理学を勉強する女学生の周囲で起きる殺人事件。スマホのアプリケーションが絡み、新しいマーケティング戦略を映画に絡めた作品。上映中にスマホの使用が許される可能性があるようですが、映画としてはつまらなそう。毎日 PC から離れる時間を作ろうなどという人も出る昨今、ここまでスマホや携帯電話にしがみつく必要があるのかは、ちょっと疑問。
トレイラー: 病気っぽい出演者の病気っぽい作品。演技が日本といい勝負の学芸会風。よその国にもこういう弱点があったのかと改めて感心。一応アクションなども入っていますが、稚拙な印象。
後記: マーケティングに乗せられるだけの作品のような解説ばかりだったので、確信を持って外すつもりでした。ところがスケジュールの都合でこの作品を選ばざるを得なくなり、最悪の場合座席に座って昼寝をしようと思っていました。
ところが看板は全くの偽り。スリラーとしてきちんとしたプロットがあり、オランダを中心に活躍していた頃、ハリウッドへ行く前のディック・マース再来かと思えるような作品でした。スマート・フォーンの事は全く無視して、推理物とだけ考えてもマース程度の伏線はきちんと張られていて、主人公たちもそのレベルの演技を見せています。
スマホを宣伝し過ぎて私のように「見るのを止めようか」と考える観客が出そうです。それではがんばった監督、脚本家、俳優が気の毒。
トレイラーも作品の良さを殺ぐような効果を出して大損しています。この作品はスリラー・ファンのみならず一般人相手にもストーリーだけで勝負をかけられます。
特別プレミア上映参照。
この作品も外国で評価が高いのですが、満点ではなく、やや下の方に大勢の票が集中しているので、ロビー活動の結果ではなさそうです。スペインを始めいくつか賞を取っています。
時代は1920年代、場所はスペインに移した白雪姫。設定は継母の意に反して女の子の主人公が闘牛士になるという風にしてある。7人の小人の代わりが7人の闘牛士一座。音楽はフラメンコ。サイレント映画のスタイルなので、台詞は無いかも知れません。
トレイラー: 確かに全部白黒で、サイレント・映画のスタイルを取っています。男の仕事をやりたがる女の子など、現代的な素材を入れ、映画の形は戦前のスタイル。ちょっと奇をてらった感がぬぐえませんが、試みとしてはおもしろいかも知れません。
監督は長編デビュー。
死体安置所の警備員が轢死した上、安置所にあった夫に毒殺された女性の遺体が消える。警察から連絡を受けた夫は恐怖心を抱く。
トレイラー: トレイラーを見ただけでは、どんな話か想像しにくいです。
後記: コンビを組んだ作品に強敵が入ったので見るのを止めようかと散々迷った末選びました。トレイラーを見ただけでは「テレビの域を出るか出ないか程度の刑事物」という印象だけ受けます。
それでも見る気になったのは、ファンタのレビューに「後半予想外の展開を見せる」とあったから。確かに見てびっくり、呆気に取られました。
まあ、見事などんでん返し。伏線はちゃんと張ってありますし、俳優も(皮肉なことに全体を仕切る主人公を除いては)いい演技を見せています。特に冒頭すぐ死体になってしまう女性のキャラクターが良く書けていて、演じる俳優もすばらしい演技です。ドツボにはまる登場人物もかなりの出来です。
どんでん返しが強力なのでこの記事を書く時はネタバレを別なページに分けて書くことになると思います。カトリーヌ・アルレイを彷彿とさせる凄い脚本です。
脚本家が監督でビュー。
外国での評価は非常に高いのですが、投票者の3分の1弱が満点に人が集中しており、ロビー活動が疑われます。
父親になったばかりだというのに強制立ち退きが迫っていて窮地に立つ男。友達と2人酒場で飲んでいたら、金持ち夫婦に肝試しに誘われる。最初は遊び半分だったのが、深刻なことに・・・。
主演俳優の功績で良い仕上がりだそうです。
後記1: 見た人の話だと「凄く意地悪い作りだが、おもしろかった」とのこと。私は意地悪い話は好きでないので外すかも知れません。
後記2: 外しました。
監督は長編デビュー。父親が有名な監督で、身内に映画人がいる。制作者としては長短30本近くを手がけている。
ノルマンディーで休暇を過ごすルンルンの英国人カップル。ところが宿泊している家に賊が。男の荷物にはユーロで6桁の(円で8桁の)金額になる金貨が。その上恋人にも注意をしていないと何が起きるか分からない・・・。
トレイラー: いきなり事故でひっくり返った車と覆面、ピストルをぶっ放すギャングが登場。すぐ次のシーンがルンルンのカップル。場所はノルマンディーですが台詞は英語。私の好きな地方の景色の中、英語なので楽で助かります。家を借りいい気分のカップルの所に突然金貨、宝石の入った鞄が。トレイラーだけですでに笑えるのでコメディーとしては成功。
後記: 見たいけれど、スケジュールが・・・。
歯に矯正をしているような小学生、中学生ぐらいの子供が森で本物の武器を使って戦争ごっこをやる。やられた子供たちは本当に死ぬらしい。バトル・ロワイアル系。嫉妬と裏切りが遊びがエスカレートさせるというありきたりな展開。
トレイラー: コメディーには見えません。カナダはアメリカよりは少ないけれど一般人の武器所有率は割りと高い国。犯罪に武器を使用する率や死者は少な目。
後記: 当初から外す予定でした。・・・外しました。
解説を読むと社会問題の様子。ある若者が愚連隊の子分として泥棒で生計を立てている。その愚連隊のライバルの子分にもなり、今度は麻薬と売春に手を出す。金にはなるが、親分格の2人の争いに巻き込まれ自分ひとりではなく家族までとんでもない目に遭う。
トレイラー: 見ましたが駄目そうな印象。
後記: 思った通り駄目でした。演出や俳優の演技はまじめ、手堅いです。駄目なのは制作の姿勢。元々はきちんとしていた社会を自らの手で法律や規制を緩めたり、逆方向の法律を通し、国を混乱状態のまま放置。その結果が現状なのに、それを直そうとせず、《社会派》と称するドラマを作り、それをみんなでただ見ているだけ。
1度見ただけでは分からないかも知れない作品。以前プライマーを作った監督。ちょっと天才肌。
トレイラー: プライマーよりは制作費が集まったようですが、やっぱり分かりにくそうな感じです。今回は物理や数学でなく生物学のようですが。
後記: スタイルはプライマーを踏襲しています。メリハリが無く、長々と語られるので、短気な人はイラつきます。もう少し何か独創的な話が出るのかと思いましたが、ぱっとしません。
今年は過去に何かをされた人の何年も経ってからの後遺症、仕返しなどのストーリーが多いですが、Upstream Colour もその1つ。
15人しか投票していない中7人が満点を入れているので、ロビー活動かも知れません。2人は零点をつけています。ただ、事件が英国では知れ渡っているので、その知識を持って見た英国人がロビー活動でなく高い評価をつけた可能性もあります。まだ4桁ぐらいの人数の評価を見ないと結論は出ません。
インターネットで知り合った少年と少女。少女には他のボーイフレンドがいて、殺されてしまう。少年は殺された少女の弟と復讐を決意。それがひょんな事から MI5 のテロ対策関係者に関わってしまう。そこから予想外の展開に・・・。すべてがチャット・ルームで展開するため、本当に人が死ぬのかは見ないと分からない。ただ実際に起こった事件だとか。
事件記録発見: 映画の説明だけではチャット・ルームのバーチャルな世界なので本当に死ぬのが誰か分からなかったのですが、実話の記事を見るとちょっと違う展開。14歳の被害少年の怪我の状況から始まる長い説明を発見。かなりひどい怪我で、本来なら死んでもおかしくないほど。現場はマンチェスター。2003年。偽証を見抜かれこの少年を刺した友達を逮捕するまでは普通なのですが、その後が本当に意外な展開で、英国の警察や司法をびっくりさせています。
トレイラー: 実際の事件の概要を知っていると、トレイラーで示されている画面の何割ぐらいが実際に起きたことで、何割ぐらいが当事者が思い込んだか思い込まされたことなのか区別がつきません。
後記: 俳優の力量はいい線行っています。事件自体は1度ぐらい映画として取り上げてもいいと思える要素がたくさんあります。実際の事件にかなり忠実に映画化されたため、全体の4分の3ぐらいは退屈です。
真夜中の狂気
250人強のうち50人強が満点をつけるなどロビー活動があったようではあるのですが、この種の作品はファンタでは受けそうです。
ブライアン・ユズナ系の監督。名前を見るとオランダっぽい感じ。長編デビュー。ナチをパロディーにしたコメディーのようです。
トレイラー 1: トレイラーは全編モノクロームで、ナチの時代風 。映っていたのはせっせと仕事に励む兵士。黙々と人を殺して処理しています。ゾンビ映画ではないかと思うので、ゾンビの処理をしているのかも知れません。トレイラーの最後だけ赤いフラクトゥーアと呼ばれるドイツの亀の子文字でインターネットのアドレスが出て来るのがご愛嬌。トレイラーのシーンはひどくまじめな作りなのですが、パロディー・コメディーだとか。独創性が感じられるトレイラーです。
トレイラー 2: 別なトレイラーを見たらモノクロームではなく、うっすらと色が付いていました。話は物凄くおもしろそうです。
注: 写真を見ましたが、おもしろそうです。
後記: 外れました。予算オーバーで頓挫したのは納得が行きます。
シリーズ3作目なので、最初の2本を見ないと。
第1作: 本人のせいではないのにむちゃくちゃな運命を背負った少年ビクターの死に至るまでの話。 + 昔そういうエピソードのあった沼地で催された怪奇ツアーに参加した失恋青年と友達。ロバート・イングランドなどいうこのジャンルのスターが冒頭出演。
第2作: ツアーで生き残ったのは1人。彼女はロバート・イングランドの演じた男の娘。そういう親戚関係を知ったとたん、彼女を助けた男に追い出される。第1作で死んだ人たちの秘密がいくつか明かされた後、ある人物に会ってツアーの秘密を知る。商売が上がったりになったツアー業者からビクターの家族の昔話を聞く。出生の秘密があって・・・。自分の立場も理解した後、彼女は復讐を企てる。一儲けを画策する男、本気で復讐を考える女、謝礼に釣られて付いて来るハンターの一団が沼地へ乗り込む・・・。
その続きだそうです。でも、肝心の人物が死んでいるので、どういう展開になるのかは不明。ビクターはまだ生きているのか・・・?
いずれにしろ家族関係を理解しないと頭が混乱します。
トレイラー: 何人かのツーリストが迷い込んで1人ずつ殺されて行くタイプのホラーは退屈なので選ばないことが多いです。HATCHET / ハチェット。もその系統なので避けていました。しかし Hatchet III のトレイラーは出来が良いです。明るい画面と暗い画面が交互に出て来るので、作品は暗いばかりではないのでしょう。その上活劇風。殺しのシーンもホラーとしては立派。なので今、前2作を見ておこうかと迷っているところ。
後記: 前2作を勉強してから見たかったのですが、それはかなわず、解説を読んだだけでしたが、構成は良かったです。俳優もあまりマジでないストーリーとバランスが取れた人たち。この作品で名優が出て来ると調子狂ってしまいますから。ショーダウン、おとしまいのつけ方が安易ですが、制作の目的は派手に血を流して、手足をもぎ取り、ギャーギャーわめくことなのでそこは合格点。
加えてホラー映画によくある「やっては行けない事を登場人物がやってしまって、状況を悪くする」原則はきっちり守られていました。アホと、間抜けと、お馬鹿さんが、正しい時に恐怖を感じて逃げ出そうとする、弱虫の正しい主張を無視するために結局ほとんどの人が死んでしまいます。弱虫とか怖がりはそれだけ事故防衛本能が良く機能しているという面は無論映画では無視・・・しなければ話が進みません。でも、最後にジャーナリストが死ぬところですっきりします。エンターテイメント性を重視したサービス。
スプラッターというジャンルに忠実で、前2作を知らなくても結構楽しめます。
高い評価になっていますが、ロビー活動の痕跡が見えます。500人強の人が投票し、うち150人強が満点、200人強の人が90%をつけています。合計すると70%強の人が90%から100%入れ、50人弱が80%の点をつけ、残りは10人台か1桁。加えて0点をつけた人が40人強。アンチ・ロビー活動も行われています(笑)。
トレイラー: 若い女性主人公がある日シュールな世界に飛び込むというのが大枠。そこではこれをしたら死ぬ、あれをしたら死ぬとうるさいルールが決められていて、生き残れゴールに到達するのはたった一人。
たった一人になってしまうのなら生きていても意味が無いと突っ込んでは行けません。でも、こういう非現実的な暗いルールってアホらしく見えちゃうなあ。単に見る人に絶望的な気持ちを起こさせるだけじゃない。個人主義の悪用例。
後記: 前日疲労困憊の様子が見えたので、この作品をカットする決心。この日の最後のこの作品はコンビを組んでいる作品が無かったので、損害は1本のみ。見た人の話ですと、コンピューターゲーム系だそうです。APPは予想外に良かったのですが、こちらではそういう話は聞きませんでした。
トレイラー: なんだか暑苦しくてつまらなそう。ショック・ドクトリンを悪用したような印象。女性を男性のルールに組み込んだだけで、それを許してしまう女性があほらしく見えます。いつもはいい役が多いダグ・ジョーンズは今回悪そうな印象。
後記: 友人も大部分が外したのですが、コンビを組んでいた作品もちょっと難のある作品でした。
職業上非常に成功している女性。男女のパートナーと数多くのセックスをして意識を高める(??)高級クラブのメンバー。ある日を機にそのメンバーが殺され始める。キャリアに傷がつくことを恐れ警察に行けない彼女は自分で犯人を追い始める・・・。
トレイラー: チープな感じの大根役者を使ったエロティック残酷スリラーの様子。あまりにチープなので見たらおもしろいかも知れません。批評家は視覚的には優れているが、他はあまり見る物が無いという評価を下しています。
後記: 見た人の話だと外して正解とのこと。
ロビー活動の疑いがありますが、痛快な話で気に入った人がいた可能性もあります。11人中6人が満点をつけています。
後記: この種の作品ではもう少し楽しさを期待してしまうのですが、そこはちょっと不足気味。撮影やロケに選んだ場所はまあまあ。
【非公式特集】Alamo Drafthouse Cinema
こういう特集は無いのですが、今年この会社の作品が多いので、タイトルだけご紹介。
2010年ファンタ参加作品
2013年春のファンタ参加作品
2013年夏のファンタ参加作品
・ Wrong
・ I Declare War
・ A Field in England
・ The Congress
・ Cheap Thrills
後記: 新しい流れが出て、採算も取れるようになることは大歓迎。私好みの作品はワイルド・バンチ系の方に多く、アラモは私の趣味とは違います。それでもこういう動きには注目しています。次のファンタにも何か出すでしょう。
公式プログラム
監督は長編デビューした人と、短編やテレビで少し仕事をしていた人の兄弟コンビ。
これまでぎりぎりの苦しい生活をしていた農夫兄弟。ちょっとした偶然もあり有機肥料の商売で成功。農場の納屋には大きな挽肉を作る機械がある。隠し味のレシピがあり、そのためには新鮮な・・・が必要。ある日2人は車が故障して困っている男女3人組と遭遇。
トレイラー: 血みどろのコメディー。ヒース・レジャーやベニシオ・デル・トロを思わせるような若手が出演。血みどろで狂気の犯行なのですが、なぜか血の滴るコーナーにも真夜中の狂気にも入らず、公式プログラムに入っています。
後記: 今年はこの種のスプラッターが何本か出ていますが、一応合格点。
イーライ・ロスはファンタでおなじみ。制作、出演、脚本、監督、その他裏方の仕事も何でもやる人。監督はロスの知人。脚本はロス、ギレルモ・デル・トロと監督で書いている。
チリ地震を取り入れた作品。地震でインフラが切断された時どうする、どうなるかが描かれる。舞台はサンチャゴ。
アメリカから来たダサい観光客に現地で2人のガイドがつく。更に美女が3人加わり楽しくなり始めたところで大地震発生。死者続出の中何とか助かるが1人が大怪我。治安は関西、東北地震と比べるのが気の毒なぐらい混乱状態。
トレイラー: 地震後町の中をピストル、斧、火炎瓶を持った男たちがうろつくので、日本とかなり事情が違うなあと納得。地震の震度計を使ったトレイラーは皮肉が効いています。地震を良く知る者としては怖い作品。
後記: どこがいいか聞かれると返答に困るのですが、落第点はつきません。見終わって頭に残るのはまず色彩とサンチャゴ・デ・チリの町の印象。実はその町の印象を台無しにしてしまうストーリー展開で、最後は夢も希望も無いのですが、それをなぜか陽気にまとめ上げていて、変に明るい気持ちが残ります。地震友達の日本人とチリ人は地震の本当の怖さを良く知っているので、本来は明るいなどと言っている場合ではないのですが・・・。
テッドのように行動するクマのぬいぐるみと一緒に暮らしているという秘密がある以外は幸せに暮らしていた高校生。音楽が好きで、バンドもやっている。ちょっとオタク傾向があるため、兄がそれを変えさせようとする。そこに秘密のありそうな生徒が転校して来る。兄の行動に反発してか新入生の暗い魅力に魅せられた弟。しかしそれ以来女高生が失踪したり不思議な出来事が起き始め、学校はパニック状態。
トレイラー: スペインの自然に囲まれた町の高校で色々な事件発生。それだけでも映画にできそうですが、そこにテッドのような動くクマのぬいぐるみが登場するので、作品はファンタジー扱い。
後記: いい年になっているのに子供っぽさを持ち続けて大人になる方がいいか、教育をしっかりした方がいいかの選択を迫られ、上手く行かなかった例。話としてはテッドの方が数枚上手で、ショーダウンも受け入れ易いです。下品な進み方をして明るく終わるのがテッド、上品な進み方をして暗く終わるのがこちら。暇だったら比べてみてください。
監督のデビュー作。
女性ジャーナリストの友人が突然失踪。バンシーというのはアイルランド、スコットランドの妖精で現われるとその辺で死人が出ると信じられている。それがこの作品でどういう風に使われるのかは不明。消えた友人は政府が秘密裏に行っていた、人間の考えを変化させる化学薬品の実験に関わっていた。その副作用が何十年も経って出て来る。
後記: つい1時間ほど前まで見ていたのですが、せっかくの良いところを自分でふいにした印象です。選んだテーマ、脚本、演出の大部分、俳優、ロケ地に合格点でも上の方をつけます。これだけ良い材料が揃っているのにだめにしてしまった理由は2つ。ちゃんとした演技もできる俳優にギャーギャー言わせて筋の進行を妨げた点と、ブレア・ウィッチ的な撮影を入れ過ぎた点。もう少し騒ぐのを止めて、画面を見易くしたらかなり評価が高くなったと思います。せっかくの人材が勿体無かったです。
人類滅亡の前は野球選手だった2人の主人公。特に仲が良かったわけではない。性格も違い、1人は現実的になっており、1人はまだお花畑の夢を見ている。
低予算の中能力のある2人の俳優ががんばっているとのこと。
馬鹿でかい蜘蛛エイリアンがロサンジェルスに出没。軍が発見して研究していたが、研究所から脱走して町を荒らす。
前評判によるととても楽しく、良い出来だそうです。
トレイラー: 時たま作られる楽しい巨大エイリアン物のジャンルの新作。2002年のファンタに出たスパイダー・パニック!は馬鹿馬鹿しくて、見終わって楽しく笑いましたが、その系統。10年強経って、撮影方法は進化しています。
後記: 1つ前の作品が下向きの雰囲気を作ったとすると、その口直しにぴったりでした。ばかばかしいB級の下のレベルでしたが、主人公のキャラクターには好感が持て、そのために全体の印象が良くなります。
80年代から活躍しているベテラン監督。自作インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアの女性版リメイク的な内容。主演の少女が話題。ジョーダンは1988年、1994年に似たような作品を作っている。
ザ・コミットメンツでナタリーを演じたドイルも顔を出しています。
200年以上生きている年上と年下の女性吸血鬼が田舎の海岸リゾートに現われる。住み始めて暫くすると村人の失踪事件が続く・・・。
トレイラー: おもしろそう。
海外の評価は高いのですが、ロビー活動があったようです。満点に35%、9割に12%、合わせて47%の票が集中しています。
監督は長編劇映画デビュー。
病院を舞台にした警察者物。
婦人警官が宝石店強盗犯の脱獄を防ごうとする。しかしこの囚人の仲間が奪還しに病院に現われる。何しろ彼しかダイヤのありかを知らないのですから・・・。
トレイラー 1: 大きな病院で同じフロアに囚人が入院していた例と、治療に来ていた例を実際に見たことがあるので、解説を読むとリアルな感じがします。男性の制服警官が2人付いていました。治療に来た人物は廊下を歩いている時は歩きにくそうで、簡単に逃げられそうにありませんでした。問題は治療中でしょうね。そこでチャンスを狙って・・・という映画が時々ありますから。
トレイラー 2: 画面の作り方は北欧の犯罪映画風。
後記: 見たかったのですが、スケジュールの関係でだめでした。
1976年のザ・チャイルドのリメイク。
監督は素顔、本名を出さない謎の人物。
メキシコを旅行している幸せなカップル。夫は優しく、妻は妊娠中。ボートを借りて小島に向かう。その島には子供しかいない。大人は子供たちに襲われてすでに全滅に近い状態。
ファンタにはたまに子供が反乱を起こし、大人を酷い目に遭わせるストーリーが出ます。オリジナル版では大人が世界中で問題を起こしていて、子供がそれに逆らうというコンセプトで、メッセージ性を強調していたそうです。ただ、今の大人は60年代から70年代にかけて若い大人として親の世代を拒んだ世代。伝統やしきたりを拒んだ時に教育、躾も一緒に拒んでおり、その時以来拒んだ物の代わりに自分たちの方針を未だ出しておらず、放任のみを受け入れた世代なので、こういうクレームがこの世代から出るのは矛盾。リメイクを作るほどの必要性が感じられないという批評が出ています。オリジナルを見ている人は見る必要が無いそうです。
トレイラー: イデオロギーについて考えなければ、ホラー映画としては見てみようかなと思うような作りです。イデオロギー性はオリジナルほど強調していない様子。
Tucker & Dale vs Evil と同じ乗りのコメディー。ガールフレンドに結婚を申し込もうと指輪を用意し、田舎の小屋に招待。
後記: この種の作品が何本か出た中では落第。ライバルの作品の方がブラック・コメディーぶりが良かったり、俳優が上手だったりします。
海外の評価は高いのですが、投票者が少ないためまだ判断が難しいです。子供虐待が絡むストーリーのようです。
怪奇現象で両親と弟を失った子供が近所の家族に引き取られる。警察は事件当時の少女の証言を無視。ところが彼女の周囲でまた怪奇現象が起きる・・・。
後記: 今年は映画業界全体で「児童虐待で行こう」と示し合わせたかのようにこのテーマの作品が集中しています。扱い方を見ていると疑問を抱かざるを得ません。非常に重要で、人間に何十年も影響を与えるテーマなのに、図式的に「悪い」とだけ示す傾向が見られます。子供の恨みを幽霊話にしてみたり、怒るとそれがオカルト的な力になって出て来るとか、単に復讐をするだけに終わっていて、これではガス抜き祭で終わってしまいそう。状況を示すだけの作品もあります。別に気難しい作品を作る必要はありませんが、もう少し「なぜこういう状況になったのか」にも着目すべきと思います。これとそっくりのパターンで別な大問題を上手にすり抜けている例を欧州で(多分他の世界でも)長い間見て来たので、同じ轍を踏まないでくれればと思います。こういう問題は1回気を入れて考えれば意外と解決は近い所にあるものなのですが。
地球破滅後の三角関係。
砂漠の中の要塞のような家に閉じ込められた3人。周囲をゾンビに取り囲まれている。砂漠の厳しい気候の中、それなりに規則正しい平和な日々。しかし1組のカップルができると1人余ってしまう。もう1人も同じ女性に恋をしている。そこへ4人目の人物が訪れる。
解説だけを読んでいるとギレルモ・デル・トロのデビルズ・バックボーンに似た雰囲気。
何だかんだ言われますが、それでもロシアはかなり自由化が進んだように思います。ソ連崩壊前だととても出来なかった企画。
1959年にソ連で雪山登山に出かけた男女9人の学生などが死亡。最年長でも37歳で、他は学生の年齢。全員雪山には慣れていた(普通の村でも冬場氷点下50度などという場所もある国なので、人によっては雪山などは散歩の場所と心得ている)。ただ行った所は地元から死の山といわれている変な所。頂上より僅か下の場所でその日は登山を中止。無理に登頂しない方がいいとの判断だったらしい。
10日経っても予定の場所に現われなかったため軍の捜索隊が出動。テントが破壊された状態で発見される。内側からナイフで切り裂かれていた。発見された登山者はソックスか裸足(気温氷点下25度前後、強風)。靴を履いていない者も多かった。何かを恐れて、何も持たずにその場から逃げ出した様子がある。全員死亡した状態で軍に発見された。戦った形跡は無し。
死体は焼け焦げ、放射能が高濃度の者、皮膚がオレンジ色に変色した者、1人は舌が無い、髪が灰色、下着姿の者もいた。服を着たまま発見された者も頭の部分の写真を見ると骸骨状態。頭蓋骨を砕かれた者、目を抜かれた者もいる。内臓の損傷が激しく、外傷が全く無い者もいた。全員の表情には恐怖が浮かんでいた。死体が発見された場所はばらばら。テントから離れていた。葬儀の際は金属の棺で、葬式で死者の姿が見えないようになっていた。
1人登山を中止した人物が生存しているが、その場にいなかったために助かっており、これといった証言はしていない(この人は何かの実験を目撃したために殺された説を取っている)。映画の中で示される動機や真相とされる部分や解釈はフィクション。近くに放射能研究所があり、この地域は汚染度が高い。
秘密にされはしたものの、捜索、調査関係者は結構な数おり、多少は知られた事件。事件のあった日、空にオレンジ色の光を見たという証言が地元から出る。地元の人はエスキモーとアメリカ・インディアンを混ぜたような感じの人たちで、こういう気候に慣れているため、その日外出していてもおかしくない。この光は後に大陸間弾道弾の実験で発生したとされている。
すぐ発見された5人の検視の結果死因は寒さ。負っていた怪我は死因につながらなかった。数ヵ月後に発見された4人はかなり酷い傷を負っていた。雪の下4メートルの深さで発見されたという話もある。こういう傷を作るためには車に轢かれた程度のエネルギーが必要だったと思われる。しかしその損傷は外から見たら分からない。1人は頭蓋骨の一部がが欠けている。
「誰かに襲われた説」は登山者以外の足跡が見つかっていないため否定される。
今のところマジでエイリアン説が強い。普通の人間が原因を作れないような状況だったため。
話を読んだだけでの推測ですが、《襲われた説》ならこの9人と全く文化の違う者から襲われたと思われる。もし途中で引き返した生存者の言うように何かの実験を目撃したために殺されたのだとしたら、まず、成人して若い9人を相手にできるほどの人数が必要。四方八方に逃げた9人を確実に仕留める人数が必要。そして同じ国の軍や研究所に雇われた人間が襲ったのだとしたら、カメラや日誌は証拠隠滅のために持ち去ると思われる。しかし両方とも捜索の時に発見されている。放射能汚染された衣類については別な話とも考えられる。今ほど研究が進む前、この地域では安易な放射性廃棄物の遺棄が行われており、たまたまそういう物の近くにいれば、死亡事件とは別に衣類が汚染することも考えられる。第1次報告ではなく、後の報告に放射性汚染が書かれている。
見る前から話が長くなってすみません。その後《雪崩説》と言うのを見ました。
どの説もすぐ100%正しいと言って飛びつけないのですが、雪崩説ですと、現場に遭難者以外の足跡が見つからなかったことと、テントが内側から切り裂かれていた理由、そして遭難者があまりちゃんとした衣服を着ていなかったことの説明がつきます。テントごと雪に襲われ、外に出なければならないとすれば、カメラや日誌を持ち出すどころではなく、犯罪者、加害者は関わらなかったと思われます。最初に見つかった5人は雪崩で怪我をせず、避難できたが、服装が十分でないので凍死。残りの4人はその時逃げられたとしても改めて雪崩に出くわし、交通事故より強いエネルギーで内臓を損傷したり、舌を自分で噛み切ってしまったりしたと言えない事もありません。
どの説にも疑問部分が残るのですが、雪崩説で残るのは全員の髪が灰色になっていた点と、普通以上の恐怖の表情が残っていた点、そして黒焦げになっている点。黒焦げになった点は凍傷でもあり得るという話があり、私も重症火傷を負った時に、熱さと冷たさで皮膚や肉に同じ症状生むという話を聞いたことがあるので、そこを掘り下げると説明がつくかも知れません。雪山に慣れた人たちが雪崩で一瞬のうちに髪が灰色になるほどの恐怖を覚えたのかもやや疑問。とは言っても雪崩説が1番多くの点をクリアーできるように思います。
研究所の陰謀説はちょっと眉唾。学生たちの足跡はあり、他の人の足跡が無いし、学生たちは事前に予定のコースを報告して許可も取ってある上、捜索も学生たちの両親が軍や政府に働きかけて行わせている。遭難者自身も国のエリート的立場で、59年のソ連では体制側の人間。研究所付近のスキー・ツアーに許可が下りているのだとすれば、研究所付近の敷地外にさほど秘密にするような物は無かったのではと考えられる。陰謀があったとしたら、むしろ事件後国の将来を担うエリート的立場の学生が1度に大勢死んだ事を発表をしたがらないという方で、そこに後から圧力をかけたのかも知れない。
トレイラー: 出演者の役名に事件と関係ない人ばかりが並んでいるのでおやっと思ったら、2012年英語を話す人たちが事件について再調査をし、ドキュメンタリーを撮るという設定になっていました。雪崩説を取ると、全くのでっち上げストーリー、研究所説を取ると、そうかもという感じ。エイリアン説にはなっていない感じです。私は色々な実話の方の記事を読んでいて、雪崩説に傾いているところです。ソ連は時々面子を守るために「何でこんな事を秘密にするんだろう」ということをした例があります。ま、2013年になってこんな映画を作れるということは、あまり面子にこだわらなくなったということかも知れません。
ちなみに監督はフィンランド人で雪には強く、ソ連とは難しい外交の舵取りをした国の出身。
後記: 見たかったのですが、スケジュールの都合でやむなくはずしました。
エクアドル出身。ファンタにはタブロイドで2004年に参加している。巷では高く評価されたものの、演出、主演の演技とも不発だった。キャストにはそこそこ有名になった作品に出ていた人が起用されている。
エウロパは木星探索の宇宙船。氷の存在が確認されていて、生物生存の可能性もあるため木星の衛星を調査に行く。プロメテウスよりおもしろいとの評判。民間が投資して探索事業に乗り出すところはプロメテウスと似ている。
ドラマは宇宙船に故障が生じ、死者も出て盛り上がる。
トレイラー: 一時期火星が扱われる SF がたくさん作られたことがありましたが、最近は木星が流行のようです。トレイラーを見る限りその辺の有名な SF からパクリまくった感じで、新味が感じられません。その点ではオブリビオンに完全に負けているし(トム・クルーズのファンではないのに、ここ暫くの SF では彼に軍配を上げざるを得ません)、撮影の点ではプロメテウスもやや独創性で勝っています。国際クルーで話を作るとどうしても似てしまうのか、日本人も出演していたサンシャイン 2057 の雰囲気がぷんぷん匂います。
とは言うものの、ファンタでは SF の参加が少ないことと、木星ついでに2作でなく、3作比べて見ようとも思うので是非見たいです。エクアドル出身の監督がハリウッドで腕を磨き、将来母国でいい映画を作れたらとも思います。
後記: 作品としては弱いだろうと予想していましたが、他にこの種の SF が無かったので見ました。やはり弱かったです。
こんなに散らかった宇宙船を見たのは初めて。
監督は春のファンタの The ABCs of Death の U に参加。
イングランド内戦(王党派対議会派の軍事衝突、1642-46、1648-49、1649-51)中の17世紀。脱走兵と宝探しが絡む。
トレイラー: 白黒映画らしい。時代劇としては忠烈楊家將よりまじめに時代考証をしている。ややオカルトっぽい時代劇。
後記: 疲労困憊でストーリーを理解できませんでした。俳優、撮影、その時代っぽい衣装や持ち物などはいい線行っていました。
他の人の話だと大した出来事も無く終わったそうです。欧米で知られているベケットの《ゴドーを待ちながら》というコンセプトがあり、それに従って作られているので、何も起きるはずがないそうで、見た人はそれで納得していました。
私は疲労困憊で長時間眠り込み、そのためにストーリーを理解できなかったのだろうと思っていたのですが、他の人の話だと本当に何も起きず、私はほとんど何も見逃していなかったそうです。
脱獄したギャングがマオリ族の家族を人質に取る。それがギャングの不運だった・・・ 。私にも1人マオリの知り合いがいたのですが、その人は英語圏の文化に溶け込んでいて、英国からの移住組とあまり変わらない感じでした。実はマオリには明治時代頃にできた王室があって、ちゃんと今でも王様がいます。さて、映画に出て来るような習慣がマオリ族に本当にあるのかは知りません。私はそういう場面には遭遇しませんでした。
トレイラー: 俳優はあまり台詞が上手ではありませんが、とても分かり易い発音です。コメディーだという点は同意します。先に食事を済ませて、2、3時間経ってから見てください。同じタイトルの英国のテレビ・シリーズとお間違いないよう。
教訓: 災いはどこに転がっているか分からない・・・たとえ自分がギャングでも。
後記: 前日の2作と、この日のこの作品まで見た中ではトップの出来。同じ日にもう少しいい作品が出たので、そこで抜かれましたが、主人公の両親の役をやった俳優の出来がいいです。
ただ、マオリ族が人肉を食べる習慣があるような印象を強く植え付けてしまいます。Fresh Meat はたまたまマオリ族の一家に、ある信仰を持つ人たちがいて、その人たちが肉食だという設定になっていて、マオリ族全部が人肉を食べるとは言っていませんのでお間違いないよう。
大々的にロビー活動が行われているようで、満点をつけた人が4割。
トレイラー: 内容はまだ良く分からないのですが、グリフィスの使い方、南部の雰囲気などが良くできています。なんだか凄く恐そう。
グリフィスは母親の代から不運に見舞われた人ですが、母娘共めげずに良くがんばっています。
後記: グリフィスは普段付き合っている俳優の同僚と比べネームバリューは低いですが、俳優としての力量は群を抜いています。時々ゴシップで名前が出たりしていましたが、本当に勿体無いです。今回も中年でぱっとしないウェイトレスの悲しそうな視線はすばらしい仕上がりです。
ただ彼女に注目している映画人(裏方)がいるようで、こういう作品で声がかかるようです。そこはうれしいです。
この作品は残念ながら筋が「何のために作ったの?」という方向に行ってしまうのですが、彼女1人でなく出演者全員の俳優としての力量と、周囲とのバランスを考えた思慮深さ、やるせない町の雰囲気、フィルム・ノワールとしての格を備えています。
筋は「で、なに?」となってしまうのですが、「脚本はともかく俺たちはこのぐらいの映画が作れるんだ」と力量のあるところを見本市で見せたのだと考えると将来に向かってプラスだったと思います。脚本も台詞自体はちゃんとしたレベルで、結局はストーリーの方向性だと思います。今年重点を置いているテーマを扱っているのですが、そちらに話を持って行くならもう少し深く掘り下げた方が良かったと思いますし、あの程度かするなら止めておいて、もう少し主人公か、主人公が目をつけた犯罪者に話を集中したら良かったと思います。
ロビー活動があった様子。2割強の人が満点、3割弱の人が80%を出しています。両方合わせると50%になります。
ファンタでは有名なキューブ、カンパニーマン、ナッシング、Splice などを作った監督。この後 ABCs of Death 2 にも参加している。1986年に自宅で死んだ少女の幽霊が、新しくその家に引っ越してくる人に警告を発する。
後記: ナタリは天才かも知れません。まだそれほど作品数が多くないのに毎回新しいジャンルの作品を作りますが、全て一定レベルに達していて、部分的にはそれまでの作品を抜いて上の方に躍り出て来ます。
今回挑戦したのは幽霊物。私はあまり幽霊の話はまともに取らないのですが、Haunter は良く考えて作られている上、どういうショーダウンになるかは最初からは予想ができません。独創的な視点で展開します。
トールマンのスティーヴン・マクハッティーも適材適所。こういう渋い役者が世界の中央に出られないのは残念です。
極端なロビー活動が行われています。70%強の人が満点と90%をつけていて、330人弱のうちの270人。他の評価は80%をつけた人が30人強、残りは1桁の人数です。
アメリカで成功したクラシック音楽の評論家。妻が何かに苦しんでいるのでイタリア旅行に誘う。夫妻が頼んだシッターはすぐに自分の弟とボーイフレンドを連れ込み、更にその一人がスーパーマーケットから子供を誘拐して来る。他方イタリアに行った妻は最初調子が良かったのが、症状がぶり返す。
トレイラー: 今年は他の作品の出来が良さそうなのでやや劣勢。とは言うものの、ファンタジーとスリラーの組み合わせはおもしろいので、スケジュールが合えば見ようかと思います。ファンタジーの部分が登場人物の誰かの妄想なのか、はたまた本当に不思議な力を持った登場人物がいるのか。シッター3人組が軽薄なので話がつまらなそうに見えますが、もしかしたらそれも演出の一部なのかも知れません。
ポスターは見たことがありました。
ザ・ウーマンの制作者が制作。と言うことは私、会って1時間近く話し込んだことがあります。久しぶりにショーン・ヤングの顔も見えます。彼女は映画には毎年出演していますが、大作が少ないため、表舞台から消えたように見えます。
近親相姦で妊娠した十代の少女。それだけでもとんだ目に遭っているのに更に彼女は村の魔物に犠牲として奉げられなければならなくなり、逃げ出すことにする。
トレイラー: いかにもホラーという感じ。
後記: 主人公を始め出て来る人のほとんどが「それをやっちゃ〜おしめ〜よ」という行動を取り、何もかもを目茶苦茶にしてしまうのですが、そこを狙って作った作品なので、成功作と言えます。個々に小さな点でも上手く行っており、どこか最後のまとめが上手く行かなかったような印象。大成功手前という感じです。
酷評された記事が出ています。
2013年正体不明の伝染病が地球に蔓延。人類は自制心を失い、広い場所に恐怖感を抱き、家に閉じこもる。広い場所にいるとなぜか死んでしまう。バルセロナも大混乱。そんな中でガールフレンドを探す男。でも外に出ると危ない・・・。ちょっと無理(な)筋のよう。
トレイラー: 前に見たユアン・マグレガー、エヴァ・グリーンのパーフェクト・センスに比べると撮影場所が良く、画面も明るいので、馬鹿馬鹿しい筋を無視できそう。
後記: 無理な脚本を押し付けられた主演の2人が気の毒でしたが、2人はそれでも一生懸命。ホセ・コロナードは Fill de Caín と El cuerpo でも主演や準主演で今年は大活躍の俳優。Los últimos días で押し付けられた脚本よりはましな事のできる力量を持っています。
押し付けられた脚本は予想通り無理筋。なので演じる人たちはいい迷惑。それでも主演の2人は何とか作品を救おうと涙ぐましい努力。スリルはそちらの方にありました。
私はなのでスペインのアパートや地下鉄の様子などを見て楽しみました。
ファンタではおなじみのロバート・カミングス監督。巷ではロブ・ゾンビで通っています。元々は音楽で出発し、その後映画監督、脚本家、俳優など多角経営。ゾンビは肉賞kなのですが、カミングスとしてのゾンビは菜食。
セイラムは新大陸アメリカのセイラムと言う村では旧大陸から持ち込まれた魔女迷信が横行し、マジで魔女裁判。欧州大陸よりはましだとしてもこの村だけで200人ほどがマジで告訴され、その結果死者は25人。集団ヒステリーの結果らしい。1600年代末期の事実。
その話を引きずって現代へ。ある DJ の所へ幸福の手紙ならぬ、不幸のレコードが送られて来る。タイトルはザ・ローズ。このレコードには魔女裁判の時代の呪いがかかっていたため、聞いた人が狂い始めるというストーリー。魔女はこの作品では実在するらしく、300年余の現代に復活したいらしいのであります。
という筋を口実にロブ・ゾンビー氏はやりたい放題。時々思うのですが、反キリスト教の方々、1度反を止めて非キリスト教、少しキリスト教に距離を置いて見たら心の平和が得られるのではないかと思ったりもします。あいつはけしからんと思い続けて自分の時間をストレス一杯にしてしまうより、暫くその事は忘れてもっと自由に生きてはどうかと思うこの頃です。
トレイラー: B 級オカルト物としてはクラシックな感じがします。B 級と言うのは低いという意味ではなく、そういうジャンル。馬鹿馬鹿しいと言ってしまえばそれまでですが、キラッと光るのは町並みのシーン。行って見たくなるような感じに撮影されています。キリスト教を信じていなかったら話は成立しないかも知れませんが、そこは突っ込まないことにして・・・(笑)。
後記: しょ〜もない作品。これはゾンビがかあちゃんを喜ばせるためにだけ作ったんじゃないだろうか。
気に入った所は1つ。ゾンビのかあちゃんが住んでいる町の日常。かあちゃんは DJ で静かな町に住んでいる。その描写だけは好感が持てました。
魔女の部分はやたら子供っぽい作りで、人間じゃない、魔女なんだからということで裸は出し放題。別にそれはどうでもいいのですが、嫌悪感を抱くほど醜くもなく、エロティックさがあるでもなく、しなびている。確かに昔この町では色々あったのだろうけれど、「結局何が言いたいの?」という疑問が残るばかり。大人向きの作りではありません。
日本の小説の映画化。ケッチャムの小説の映画化で主演だったポリアンナ・マッキントッシュがまた小説の映画化で主演。
長期のデフレで増えた自殺者という国内事情、日本人の死に対する考え方、宗教の縛りがキリスト教やイスラム教ほどきつくないこと、来世に期待をするため比較的こだわり無く自殺をするメンタリティーなどの知識が欠けていると理解しにくいのではと思ったりもします。アイルランドはカソリックなので自殺禁止の縛りはきついです。墓地に埋葬もしてもらえないと聞いたこともあります。もっとも話の後半は日本人のメンタリティーから見ても軌道を外れているようです。
自殺希望の男が自殺するつもりで山に入ったら、先客が。数人の男女が示し合わせて自殺。主人公が目撃していることに気づかず全員昇天。その後に主人公が異常行動に出るというストーリーが原作だそうです。本の読者の感想は起伏が無くて退屈だというのと、こういうの大好きという二派に分かれています。
トレイラー: 植物の撮影がきれい。色、光などの撮影に非常に気合の入った作品です。リドリー・スコットとは焦点の当て方が違いますが、同じぐらい力が入っています。
後記: 外そうかなと思っていたら、共演者のマッキントッシュがベルリンに来るというのでこちらにしました。組んでいた作品を見た人の話と総合すると、両作品とも撮影がきれいで、話はあまり盛り上がらないようです。
日本人の書いた小説を元に作られていますが、それほど日本色が強くありません。以前アンソニー・ホプキンス主演でもそういう試みがありましたが、黙っていると文化圏の違う人の作品には見えません。むしろ私には日本人なのに欧州風の孤独を妙に上手く表現しているように思えて、主人公がこれほど美しい自然の中にいるのに、それを楽しむ心の余裕が無いように見えました。その点は 森の中を走り回っている Animals の主人公とは対照的。盛り上がりの少ない作品ですが、そこを狙って作っているので、ファンタ・ファンよりベルリン映画祭の方に向いています。
マッキントッシュは前回ベルリンに来た時、私と長く話し込んだことを覚えていて、楽しい再会になりました。小説の映画化にちょくちょく出るようだが、好んでいるのかと聞いたら、そういう企画を嫌っていないというような答え方をしていました。
映画化されたクリムゾン・リバー、ファンタにも出たエンパイア・オブ・ザ・ウルフの原作者の推理小説の映画化。
法改正で75%の課税を受けることになったため
今年に入ってロシア人になったばかりのドパルデュー主演。撮影中は恐らくフランス人だったと思われます。首相と税金逃れ論争になり、昨年暮れにフランス国籍返上を発表。その時点までの課税率は85%。揉めるまではきちんと納税していたようです。隣国ベルギーに移ると思われていましたが、ロシア国籍を取得。大統領から直々にパスポートを受け取りました。新税率は13%。フランスは左派政権になったと思ったのですが、戦術は下手。ロシアは現在も資本主義を取り入れつつ社会主義系統の政治をしていますが、税率は国民皆税13%。政治には疎い私ですが、税率はこの程度にしておいて、金持ちには国内で支出するよう奨励するか、スウェーデン風に5割近く税金を取って、国内の設備をばっちり整えるかにしますねえ。儲ければ儲けるほど税率が上がる方式だと、国内の金持ちに海外移住や国籍返上を奨励するようなものです。懸命に働けば働くほど持って行かれるという風になってしまいますからねえ。別なシステムで、払えば払うほど国の設備が良くなるなら払おうという気にもなるでしょうが。ドパルデューはこの先も当分フランス映画に出る様子ですが、ロシア映画で主演などと言うことも今後やり易くなるかも知れませんね。スケールの大きな人物が演じられるから、何かいい話が来るかも知れません。
ホワイト監督は米仏系の人物。米プロ・バスケット選手の子供。ソルボンヌ大法学部に入った後、奨学金を得て米メディア・カレッジへ。スパイク・ジョーンズなどとつながりができる。映像が得意で音楽ビデオなども作る。数々の賞を取る。長編は3本目。CSI などアメリカの有名シリーズを2本撮っている。
第二次世界大戦中のトランシルベニア。ドイツ兵の死体が発見される。村人は犯人を見つけないと軍に殺されると考え、村の狂人を犯人として差し出そうと考え、本人の同意も取るが・・・そううまく行くものだろうか・・・。
トレイラー: 刑事ドパルデューが事件の捜査をしている。こういう役で彼を見たかったです。最近EU国際制作でジョン・レノーが刑事を演じるテレビ・シリーズに出ているのですが、ドパルデューの方が役者が10枚ぐらい上です。どこでどういう演技の勉強をしたのか分かりませんが、ドパルデューは演じている役柄の解釈が驚くほど自然で深いです。そして私は彼が捜査中の刑事という役を見たかったのです。良く合います。こんな国宝級の俳優をロシアに追い出してしまっていいんでしょうかね。
後記: コンビを組んでいた作品にしようかと思いつつ、ぎりぎりでこちらに決定。バルカンの方向に話が進むのかと思っていたらチリの独裁政権に向かい、事前に読んでいた話とは全然違う方向に行きました。ドパルデューは何でもそれらしく演じてしまう俳優なので、ここでもしっかり役にはまっています。もっといい演技を見た事もありますが、見て失望はしません。
ドジなCIA捜査官が失敗で左遷。英国の乱数関係の部署に回され、そこの暗号専門家の護衛をすることになる。しかし仕事上危険は付きまとう。偽の指令が出され、護衛しているはずの暗号専門家を殺せと新たな指令を受け、事態は大混乱。
トレイラー: 大昔こういうわけの分からない放送がラジオに入って来ましたが、インターネットの時代の今日でもやっているんですかねえ。
後記: 制作費を下げるためにかなり制約があった様子。せっかくキューサックを使うなら脚本をもう少しまともなプロットにして、もう少し光の使い方を工夫した撮影にすればよかったと思います。
筋があまりに単純だったので脱力しました。今年は捻りの効いた作品がいくつの入っていたので目立ちました。
有名なクーンツの原作。 死んだ人の霊が見える上に、悪霊が近づく事も知覚できる主人公。その能力の影で自分の住む町に災いが近づいていることを察知。守るために必死で奔走する青春物。
後記: 2日目までの7作では最高の出来です。クーンツのファンがどう言うかが問題ですが、スティーヴン・キングなどより感じのいい映画化と言えます。ウィレム・デフォーに良く似た顔のイェルチンはぴったりの人選。両親がオリンピックに出られるほど成績優秀なペアのスケート選手という変わった出身。俳優としてはアメリカで子役から始めた人で、大物俳優との共演が続いています。Odd Thomas は最新作。
あまり作品の多くない監督ですが、優秀作ザ・クーラー の監督。Pawn Shop Chronicles は若手と中堅の中程度のスターを動員しています。かつては1人で1本主演を張れたスターが勢ぞろい。デフレ丸見えの企画ですが、スター自身は意外と楽しそうに出ていることが多いので、期待。
部隊はアメリカの南部。結婚指輪を質に入れた者がいて、その質屋に出入りする妙な人物が描かれる。
ちょくちょく大スターで二枚目をやらざるを得ない俳優が実はコメディーに向いていたという例があるのですが、マット・ディロン、ブレンダン・フレイザー、ヴィンセント・ドノフリオ、イライジャ・ウッド、ノーマン・レーダスは合格ラインを超えています。今回注目は二枚目ポール・ウォーカー、トーマス・ジェーン。
後記: たくさんのエピソードが指輪を巡って続くのですが、まあ何とかまとまっています。撮影は別々に行われたのでしょうがこれだけのスターが集まると壮観です。芸達者が多いので安心して見ていられます。
舞台はインドネシアのインターナショナル・スクール。哲学の先生が20人の教え子から10人を選ばなければ行けなくなる。なぜかと言うと、核による破滅がやって来て、地下シェルターには10人しか収容できないから。また収容される運のいい生徒たちも地球の人類の新たなる祖先になるので、そこも考えて選ばなければならない・・・んですって。
欧米の人や中国の人はこうやって選ぶのが好きですね。日本だったら、薄くてもできるだけ広く助けようという風に考えるので、こういう発想の映画はあまり作らないと思います。北野武ぐらいでしょうか、西洋の影響を強く受けたのは。
トレイラー: ドイツ語のブンカーがそのままバンカーとして使われていました。地下シェルターのことです。中はびっくりの贅沢豪華シェルター。人を選別するというテーマは趣味に合いませんが、インドネシアという場所を使った撮影は魅力的です。演出と演技は学芸会風。こんな素敵なシェルターがあるのなら何とか20人で工夫して生き延びればいいのにと思います。トム・クルーズのオブリビオンの方がちょっとマシな印象です。
後記: 映画人の演技は片方で英国系の俳優に見られるように非常に優れている反面、日本やドイツのように学芸会の域を出られないとか、ワン・パターンにどっぷり浸かっているケースがあります。何も悪い方を真似なくてもいいのに、後を追う人たちが今年はちらほら見えます。
出演者全員の名前を挙げたのは親切というものですが、全員大根役者。学芸会のレベルです。その上脚本がひどく、演出らしき事はしていません。原因はプロットがひどいことにあり、このプロットでいい演出をするにはよほどいい監督と俳優を探して来なければならず、それができなかったようです。
プロットがこけた原因は日本人やタイ人、インドネシア人なら問題が提起された時に元からこんな解決法は思いつかないだろうという点。上にも書いたように、学校の先生が授業で「原子爆弾が落ちる。逃げ込めるシェルターには10人しか収容できない。我々は21人だ。選ばれる10人は子孫を作る任務を負う。君たちはどうするか」という課題を出します。何度か失敗する解決法を思いつき、ダメ出しをされ、最後に生徒たちが先生を越える答を思いつくことで決着を見るのですが、何でその結論に達するまでに相手を貶めたり、エゴ丸出しにしなければ行けないんだろうと考えるのがアジア人。アホか、君たちはと思いながら見る羽目になります。日本やアジアの国のいくつかには哲学者がおらず、哲学という概念を理解するのも難しいのですが、困った事が起きた時にはややこしい事を考えずにさっと譲り合うとか、10人で3年持つ命を20人で1年半でもいいじゃないかと考える知恵は持っています。《譲る》という結論にあっさり達することが理解できない文化を持つ国もたくさんあります。この作品は欧米式の結論を何度か出し、終わりに近づく間に生徒たちの中から譲ったり協力したりする機運が起きます。先生だけそういう風にならないのには、かなり自分勝手な理由がありました。何じゃ、この結論は。そして何じゃ、このお粗末な演技は。同じ脚本を貰っても、もう少しましな作品に仕上げる監督や俳優は欧米にもいるだろうと思います。
今年は夫婦、友人、恋人などが窮地で一度激しく醜く争い、どうにもならないところまで相手を傷つけた後考え直して協力するというテーマが多いです。アジア的なメンタリティーで見ていると、そこに達するまでの時間が長くてもどかしいです。アジア人の監督に作らせたら90分枠が45分ぐらいになってしまいそう。アジアにも色々な国はありますが・・・。
愛犬が不審死。飼い主は従兄に頼んで犯人を捜す。有名な若手俳優も出演。
トレイラー: ・・・を見る限りばかばかしいアホ映画に見えますが、監督はそういう作品を作りたかったようです。
後記: このジャンルとしては典型的で、成功しています。他とちょっと違うのは、使われる主人公2人の車がピカピカに手入れしてあり、良くありがちな汚れ切った車でないこと、主人公2人がちゃんとお風呂に入っていて身奇麗なこと、2人の言葉遣いが礼儀正しいこと、主人公はオタク・タイプでもなければ、人とのコミュニケーションが下手なタイプでもなく、人や動物に対して愛情を持つ能力を有していること、悪は悪と分かっていることです。なので2人が酷い目に遭えば観客は2人に同情するようになっています。あんな可愛い犬が殺されたら怒るのは当然だ、あんなに犬を大切にしている主人公が復讐を誓うのは分かる・・・という風になります。
有名スターも出ていますが、あくまで主人公は従兄弟を演じる主演の2人。ウッドとフィリップは控えめな登場。
詳細不明。・・・でしたが、自分の金でない金を盗んで、貧困に陥った市民に配る話で、タイトルはそこを表現しています。盗む相手はドイツ国内の大銀行。貧困は近年のグローバル化とヘッジファンドの台頭で起きたという設定。
トレイラー: ・・・も見当たらず、写真が1枚見つかっただけ。それを見ると、本当のロビン・フッド物ではないようで、違う時代に話を移したようです。
後記: ドイツの映画界の問題を自覚した上で作られているので、悪癖を打破しようという気概はあったようです。ただ作っている人たちがまだその中にどっぷり浸かってしまっており、「このぐらい努力したんだから褒めてよ」という雰囲気が漂い、周囲もサクラを雇ったとは言いませんが、お互いを褒め合っていて、外から見ていると白けてしまいます。業界の問題を自覚している、打破を目指している、とにかく人とお金をかき集めて作品を作って見たというところまで来たとは思います。その先に進むのが難しいことを自覚しているかが課題。
これまでの習慣を破るのは難しいことですが、当日来ていた大勢のスタッフ、主演を見ると甘い見通しがちらつきます。がんばるなら応援しますが。短時間に大きな撮影を敢行する能力には若さと力を感じます。
スタントは一応この調子で行けると思います。俳優も一応アクション・スターの要素を備えているので、今後もこういう役を貰えばこなして行けると思います。国内では一応名前の知られた人が主演。
大きな問題は、テーマの把握力。銀行を悪玉にしておいて、国内で頭取に泡を吹かせれば済む話ではないのに、そこでとどめておくのはちょっと無理があります。日本でちょっと前にやっていた女刑事主演のテレビ・ドラマの方が筋に広がりがあったと思います。
元々は親友だった二人が砂漠で車の故障のため立ち往生。
本当の友だったのかが問われる状況に遭遇。ついにナイフまで・・・。
ここ何年か悪い状況をけしかけるような作品が増えていますが、これもそんな感じ。
後記: この種の話は好きでないので見ないつもりだったのですが、スケジュールの都合で強制的に見る羽目になりました。
このジャンルがファンタ向きでないことと私の好きなジャンルでないことを前置きした上での話しですが、オスカー候補になってもおかしくない出来です。ほぼ全編を2人の俳優で持たせるのですが、サイドウェイがオスカーにノミネートされており、そこに迫った感じです。
たまたま犯罪者の社会に生まれてしまった人物の自伝。周囲が全員犯罪者で、正しい犯罪者としてのたしなみを祖父から伝授される。スターリンの時代に政策でシベリアから移住を強制されて黒海付近に移り住む。現在は1985年。ソ連崩壊後資本主義社会に大きく変わって行く時期。日本のやくざにも掟や仁義があるように、この世界にもそういう規則がある。
トレイラー: あまりファンタに向いていない感じがします。イタリア映画で、俳優が皆イタリア語を話しているので「おや?」と思ってしまうのですが、これはモルドバに近い場所が舞台なので正しいのかも知れません。知り合いのモルドバ人はロシア語を話していたので、私にはちょっと違和感があったのですが、その人はソ連崩壊前は高い地位にいたらしく、そのために当時の公用語のロシア語を使っていたのでしょう。モルドバ語というのがちゃんとあって、映画ではそれを話している設定になっていて、モルドバ語というのはルーマニア語とそっくりな言語です。そのルーマニア語はイタリア系の言語で、私にイタリア語と区別ができるかは分かりません。トレイラーにはイタリア語と思われる語彙が続出していました。撮影はイタリアだったようです。
ファンタに合わないというのは歴史物、青春物風で、マルティン・スコシージがマフィアの一代記でも作ったような感じだから。これといった謎解き事件は無いような印象です。フランスもあるマフィアの伝記のような作品を時たま作りますが、ああいう感じです。
後記: スケジュールの都合もあって見るか迷った作品。作品としては手堅いものだろうとは思っていましたが、ファンタに向いたかどうか。しかし物凄く長い時間をカバーする一種の年代記な上、不幸な人生を背負った少女、子供時代からの親友、国の迫害等々、かなりたくさんのテーマをよくぞ110分で、せっつかれた感じを抱かせずにまとめ上げたと、演出の手際良さに感心。
情報記事がみつからず、トレイラーを見ただけの様子ですが・・・
ある金持ちで恵まれた夫婦にティーンの息子がいる。頭が良さそうで異常性格を内に秘めている様子。それが両親を悩ませている。父親が話しかけても息子は応えない。殺人でも実行できそうな頭の良さ。
この少年が聖書に出て来るカインのような役割らしい。(カイン、アベル、セトは兄弟で、アダムとイブの子供。セトはあまり有名でない。兄弟のうち2人が神に奉げ物をすると、神はカインの奉げ物を無視。そのためカインは嫉妬に駆られてアベルを殺してしまう。その時アベルが人類初の嘘をつく。両親はエデンの園から追放されて地上にいたが、カインは地上で追放されてエデンの東に追いやられる。これが映画エデンの東の元ネタで、ジェームズ・ディーンがカイン役。生き残ったカインには神から罰ゲームがあるが、カインも対抗策を講じる。 − この話には別バージョンもある。聖書や神話が色々な人間の描写と考えると、善人ばかりと言うわけには行かず、カインは悪役。)
少年役の俳優が類似の他の作品よりは普通な感じなのが凶と出るか吉と出るかは見てのお楽しみ。あまりダミヤンのようにエキセントリックにしていないところが、家庭に起きる出来事として自然に溶け込むか、邪悪さが十分出ていないと見られるか。
この作品の良い点は、大金持ちの暮らしぶり。アメリカ映画などに出て来る大金持ちの家は、仮に自分が大金持ちになってもあんな所には住みたくないと思わせるのですが、この作品の家はロケーションもいいですし、家具、調度品も成金趣味ではなくいい感じです。車を家族が自分で運転しており、家政婦や執事の姿がないので、中程度の金持ちではあると思いますが、この部分は他の作品よりうまく描かれています。
トレイラー: 情報記事が見つからないのですが、トレイラーを見るととてもおもしろそうです。最近のスペイン映画はカメラ、セット、俳優とも充実していて、そこへわりと質の高いストーリーが入るので、テレビ向けより高級感の漂う作品が増えています。スペインががんばった初期の頃はまだ安っぽさがありましたが、最近は経済不況の中でも欧州の上の方の質を備えた作品が時々出ます。この作品はそういった長所を備えていて、トレイラーに出ています。去年スペインから来ていたゲストの1人が、スペイン映画は景気の影響をもろ受けて職場が半減してしまったような事を言っていましたが、その分質を高めるように努力したのかも知れません。
解説発見: トレイラーの印象と違い、問題息子と悪い父親と精神分析医の関わる物語だそうです。となると、カインが父親で、少年はその息子という役割なのかも知れません。ストーリーはこんな具合:
金持ちの実業家夫婦に2人の子供がいる。物凄くかわいい娘とイケメンだけれどひどい問題児の息子。息子は頭が良く、チェスに凝っている。家庭内で動物虐待、殺しが起きる。チェスの得意な精神分析医が呼ばれ、彼は息子を助けることになる。彼は自分の友人でチェスの名人に息子を紹介するが、深入りしないように忠告を受ける。しかし事態はエスカレートし始める・・・。
後記: 主人公の父親役のコロナードは今年のファンタ長編3作で主演か、準主演という活躍ぶり。その作品も一応きちんとこなしています。Fill de Caín でも善人か悪人か分かりにくい役どころで、観客には結末が示されるまで判断がつきません。
疑わしい人物が犯人かどうかというだけの単純な筋で90分持たせているのですが、最後にならないとはっきり分からず、上手にじらせています。
原文がオランダ語だったので間違っているかも知れませんが、離婚の危機に瀕した夫婦が最後の試みとしてブエノスアイレスに休暇に出る、娘と約束をしたので旅行中の様子はビデオに撮影、ところが偶然警官が酷い殺しをやっているところを撮影してしまってさあ大変・・・という筋らしい。
トレイラー: ・・・を見ると、2人に見られたことに気づいた警官に町中追いかけられ、命からがら逃げ回るようです。なので離婚の危機は脱せるかも知れませんが、今度は命の危機。
後記: 今年は予想を上回る意味で予想が外れるケースが多いのですが、Taped は最悪でした。仲間も同じ評価。「貴重な90分を無駄にした」とまで言った人もいます。御尤も。俳優も駄目でしたが、演出が元々駄目。脚本が弱いので演出しようにもどうしようもなかったのかも知れません。撮影もブレア・ウィッチ式で見難いです。プロットが緩い上に、主人公が「やっては行けない」決定を大した理由も無く下すので、バカらしくて見ているとイラつきます。こういうショーダウンになると分かっていたら、昼寝したのに。
デビュー作。イギリス人チャーリー・チャップリンの米国人の娘ジュラルディン・チャップリンも出演。彼女の母親は劇作家ユージン・オニールの娘。有名人、芸能人の血を引く人ですが、本人は地味。意外と知られていないのは彼女の語学力。スイスで育っているので、英語以外もできる。スペイン映画に出られるのは、スペイン人恋人がいた時期が長いためでしょう。
トレイラー: 内容はさっぱり分からないのですが、トレイラーを見る限り犯罪の疑い、謎の屋敷、過去の出来事、警察、自動車事故、ロマンスが盛り込まれているようで、ファンタ向き。
少し内容が判明:サーフィン好きな学生がある日偶然写真を発見。そこには見覚えのある顔も映っている。同級生や弟の協力も得て調べ始める。そのために人生がガラッと変わってしまう。
ファンタとしては珍しいか、初めて参加のリトアニア。ところがいきなり「気違い映画」と評されています。
トレイラー: ・・・を見ると納得。アイディアはジェニファー・ロペスの The Cell からパクリ、それをロマンス X の趣味で演出した感じです。
後記: けなす以外に方法が無いしょ〜もない作品。この国は映画ではまだ世界に踏み出していないですが、こういうスタートを切ると、挽回するのに80年ぐらいはかかるでしょう。止めておいた方が良かった。作らなければ少なくともマイナスにはならない。
去年の V/H/S の続編。去年はつまらなそうだったのでパスしています。
Safe Haven は血のたくさん出る作品。
トレイラー: トレイラーの49秒のカメラ・ワークは Blair Witch Project のスタイルを踏襲しています。見るの止めようかな。
同名の音楽や映画があれこれありますが、今年の映画です。
自分が中心に立ち主役を演じることに負担を感じていたようなファン・ダム。その男 ヴァン・ダム に出演してから吹っ切れたのか、コメディーに進出。しかも若手を立てて、自分は脇役。私は元々エクスペンダブルズに出ているスターの半分以上にコメディーの才能があると思っていたのですが、ファンダムもその1人。
主人公は会社の弱虫青年。苛めに遭っても、手柄を横取りされてもいじけている。女運も良くない。ある日会社はサバイバル・セミナーを行い、彼も参加しなければならなくなる。社内のティームワークを良くするのだとか。元海兵隊という男が指導官としてついて、皆は離れ小島で過ごさなければならなくなるが、間の悪いことにその指導官がクーガーに食われてしまう。救援隊が来る見込みは無し。仕事中彼のアイディアを盗んでばかりいた男がリーダー宣言をし、指図しようと試みた時、彼は子供の時にボーイスカウトのメンバーだったことを思い出し・・・。
トレイラー: 話の展開上ファン・ダムが大口を叩きます。いくらコメディーとは言え、体は役に合わせてしっかり鍛えてあります。それにしてもなぜ半ズボンなんだろう。虫に食われたりしたら困るだろうに。上半身も裸に近い。日焼けから擦り傷体を守った方がいいんじゃないの・・・と突っ込んではいけません。
後記: ファン・ダムは自分を笑い飛ばすことで俳優として新たな分野を開拓しました。その男ヴァン・ダムには気合が入っていましたが、そのおかげでこの作品が来たと言えます。
見た人がシュールだ、意味不明と感想を漏らす作品。
2010年のフィナーレ作品ラバーの監督。ラバーは1回しか使えないけれどすばらしいアイディアの作品でした。2度は使えないので、今度は全然別な方向に行くしかありません。無論そう言いながら何度もプロデューサーを引っ掛けたインド系の監督もいましたけれど。
トレイラー: ラバーよりおもしろそうです。確かにわけの分からない出来事が起きるようではありますが。
大好きだった飼い犬のパウルがある日いなくなる。探して取り返そうとする。その間に主人公は他人の生活をガラッと変えてしまう。その間に彼の考え方も変わってしまうという筋だそうです。
短篇
今年の短編は8本を2時間枠にまとめ、StrAngel: The Angel of the Odd は長編と抱き合わせでした。長編にいくつか優秀作があったためか、短編にはあまり感激しませんでした。
時代は第二次大戦中。死んだ兵士が生命を取り戻すために 女性の影を集める。死の直前に見かけた少女に取り付かれている。しかし彼女は他の男に恋をしている。嫉妬に駆られ、ある事を決心。そういう感情を持っていてはあまりいい結末は期待できない。
トレイラー: 長編にもできそうな手堅い作り。
トレイラー: 荒れた感じの山を歩く古い時代の男たち。父親は重症を負っている。急に時代は現代になり、どうやら映画の撮影をしている様子。ところが写真をあと1枚撮らせろと言われた古代の男は怒って現代のカメラマンの首をばっさり。悲鳴を上げる現代の女性もばっさり。どうも聞き覚えのある感じの言葉を話していると思ったら、アイスランド語でした。どこがコメディーなのかはトレイラーでは分かりませんでした。
インターネットで探すとフル・バージョンが見つかります。
内容: 日本の趣味とは形も色彩もやや違うアニメ。子供には受けるかも知れません。
嵐の中飛べなくて墜落する悪夢を見る小鳥。素敵な家で恵まれた生活をしている。飛ぶのが怖いため、木の上の方にある鳥小屋からも飛ばずに一歩一歩梯子段を下りる。森を散歩中の他の鳥に出会う。他の鳥は皆冬に備えて南へ渡る準備をしている。スーパーマーケットに食料を買いにいくが、「冬場は閉店」と書いてある。冬に備えて大量に買い込む。
他の鳥は旅立ち、木は枯れ、冬がやって来る・・・という悪夢をまた見る。鳥テレビ番組にはあまりいいニュースは無い。ただ、先に旅立った仲間は南で楽しく暮らしている。やがて雪が降り厳寒。その上家にスーパーで見かけたリスが押し入り、食料を盗んで行く。家の中はめちゃめちゃに荒らされる。遂に決心して南に飛び立とうとするが、直後に墜落。諦めて徒歩で山越えを試みる。
頂上からは空港が見える。飛行機に乗客として乗り込み、南国へ到着。森で出会った2羽に再会。
インターネットで探すとフル・バージョンが見つかります。凄い優秀作です。下の説明を読んでも見る価値山ほどあり。監督の顔を見ると日系のような印象です。今年日本からあまりいい作品が来ていませんが、この作品も日本と考えると、僅か5分ほどで、その辺の駄作を軽く越えます。ブラジルから援護射撃がありました。
トレイラー: 紙芝居で西部劇を語る。折り紙とはちょっと違いますが、紙の使い方を良く心得た作り方。この表現の方法だけでもユニーク。ストーリーも禅問答のようで薄っぺらではありません。
擬人化された《死》と語り合う男。「ある女性を助けるために《死》を殺そうと考えるのか」と聞かれて、「金貨30枚を得るために殺すんだ」と答える男。あれこれやり取りしているが、《死》は「もし今お前が私を殺したら、500年後には地球が狭くなって土地が足りなくなるぞ」と言われる。「町中に人が溢れ、食糧難、住宅難、それでも人は死ねない」とのたまう。男は「500年と言えば長い時間だ」と応じる。《死》は「他の男を殺せば奪うのは金だけだ。しかし私を殺せば死人が出なくなる」・・・などと話しているうちに6時39分になる。すると《死》は男をピストルで殺す。 − このシーンが絶妙。
オスカー俳優が声の出演。
制作畑の人が監督デビュー。
2002年に短編 Dialing the Devil でファンタに参加した監督。
トレイラー: あまり発音の良くない男が車の中で2人の日本人女性に日本語で「この中身なんだと思う」と聞く。黄緑色の変な液体。2人の女性は日本語が母国語。「全然分かんない」と答える。3人はモテル側に車を停めている。それを飲むと何かとんでもない事が起きそう。話としては Dialing the Devil の方が出来が良さそう。日本人の参加する作品ではあるけれど、ブラジルの紙芝居の方が優秀。
トレイラー: 小学校で変な飲み物を作って先生と生徒が飲む。その後は血みどろ。先生が死んでしまう。その死をごまかそうとクラスで協力し合う。そこへ警官が現われ・・・。
短編特集とは別枠の短編。長編と抱き合わせで上映されるものと思われます。タイトルはエドガー・アラン・ポーのタイトルをもじった洒落。
トレイラー: 両監督ともデビュー作なのですが、手堅い作りで、とてもデビューとは思えません。
後記: 過去にファンタ全体の宣伝アニメを作った人が関係者に入っているそうです。ファンタのCMはすばらしい出来。それに比べると格段に落ちます。
上にも書いたようにデビュー作とは思えない完成度を持っています。私としては作る側にこれを作るほどの技術力があるのなら、もっと独自の脚本を書いて、自分の作品を作った方が良かったのではないかと思います。
フィナーレ
結婚記念日に家族が集まった時、ハチェット(斧)を振り回す覆面ギャングに襲われる。記念日の客の1人がある能力を持っていたのがもしかしたらギャングの不運・・・という展開のようです。
トレイラー: トレイラーを見る限りこのジャンルの合格点はもらえそうです。
余談ですが、こういう侵入者や、過去のこの種の映画のように悪漢をがんばって全滅させてしまった人は裁判でどういう風になるのでしょう。自分か身内が酷い目に遭った後の復讐なので、観客は納得しますが、裁判では過剰防衛とか、それこそ「やっつけてやる」と決心しての殺人なので第1級殺人事件になってしまうのではないかと危惧します。2011年春のファンタの主演女優にも聞いて見たのですが、彼女も質問されてからどうなるのだろうと考え始めていました。日本なら同情票というのがあり、仮に書類上過剰防衛になっても、何かしらの形で収監されないように計らうと思うのですが、アメリカではそうも行かないでしょうし、犯人の遺族から訴えられるなどということも考えられます。
後記: 巷で言われている内容とやや違いました。Fresh Meat の家族のような人物にぶつかってしまった悪漢の不運という風な話だったのですが、実は応戦する主人公はたまたま負けん気でお馬鹿さんでなかっただけ。
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フィナーレ
今夜からファンタです。初日のオープニングにすでにゲスト登場。戦場でワルツをというおよそファンタらしくないまじめな作品を持って来た監督。イスラエル人の監督というとずっと前にコメディーの監督と話したことがありますが、あちらは監督もスタッフも愉快な人たちで、イスラエル人というのは緊張しているだけではなくてユーモアのセンスもあるのだと知りました。今日来る監督は作品だけを見るとやたらまじめそう。
イスラエル、アニメというと不思議な感じがしますが、今夜来る作品はスキャナー・ダークリーと似てアニメの方が技術面を簡単にクリアできる事情があります。
天気予報によると日本のような猛暑は無く(日本ほど長期ではありませんでしたが、ベルリンも今年は38度などという途方も無い気温の日がありました)、その代わり週末雨が心配されます。
暫く頭を冷やすためにファンタの話題から遠ざかっていましたが、プログラムも送られて来、各都市の予定も発表になりました。情報が出揃った感じです。
ミュンヘンが突発的な出来事で予定が狂ったことはお知らせしましたが、他は予定通りのようです。
ベルリンは先発隊で、20日から始まります。先発隊は他の人の批評を参考にしながら見ることができないので不利ですが、その分サービスがいいです。まずゲストの数。
・ オープニング作品の監督 Ari Folman
・ 注目の監督コーナーの Vincent Lannoo
・ LOVE ETERNAL の監督 Robert De Hoog
・ THE DESERT の監督 Christoph Behl
・ 特別上映のコーナーの監督 Aharon Keshales と Navot Papushado
ベルリンはゲストの大盤振る舞いです。ハンブルクは4本分、5人。 ミュンヘン、シュトゥットガルトは2人。フランクフルト、ケルン、ニュルンベルクは1人。
開催期間もミュンヘンは突発事故のための例外として、ベルリンが火曜日から次の週の水曜日までの9日間。他は水曜日から次の週の水曜日までの8日か木曜から木曜の8日。
映画の見逃し度はミュンヘンの例外を除くとベルリンが最低です。何の話をしているかと言うと、各都市では2つのホールで同時上映するため、体が1つしかない人は、同時刻に1本しか見られないのです!?
ベルリンは2つのホールを使いますが、初日と2日目は1か所のみ。シングル上映のため見逃す作品がありません。その後も1本シングル上映があるため合計8本は確実に見ることができます。それを再上映の時外せるので、2本組んであってもまたシングルとして見られるわけで、66本を48枠で見るので、見逃すのは18本(短編集は1枠と数え、抱き合わせ短編は長編と合わせて1枠と考えていますので選び方によって17本見逃す人も出ます)。
他の都市は66本を41か42枠で見るのですが、シングル上映は初日の2本と所によってもう1本の計3本のみ。各都市ざっと見るとシングル上映を引いた63本の作品を40枠で見ることになるので、見逃す作品が23本程度出ます。ベルリンは1日多い分5本余計に見ることができるということです。
天候は開催1週間前の現在、秋の涼しさです。ちょっと前まで日本の猛暑といい勝負の日々が続いていたので、今は助かっていますが、これが長続きするかはまだ不明。
主催者か、あるいは映画業界か、誰かは分かりませんが毎年何かしら中心に1つテーマを置くようです。今年は子供虐待テーマが多いです。取り上げるのはいいのですが、下手をすると重要なテーマがステレオ・タイプの扱いになってしまい、上辺をかするだけになったり、かわいそう、かわいそうと言っておけばいいとか、復讐を「アリエネー」スタイルで茶化したりという事が起きます。女性解放運動の時に1度そういうパターンを見せられたわけで、今回もちょっと危惧しています。こういうテーマだから女性が監督すればいいというものでもなく、男性監督でも力強い演出をすることがあります。火がついたようにヒステリックに騒ぐだけではこの種の問題は解決しません。問題が隠されていた年月が長いと、解決にも時間がかかります。少し距離を置いて、冷静に見る目があればと思います。
66本になりました。短編は特集として1枠取ってあり、その他に20分ほどの作品が1つ別に出ています。短い長編と組み合わせて上映されるのかも知れません。 これで打ち止めではないかと思います。トレイラーを見たり、情報記事を発見した時はコメントを随時加えます。更に参加作品が出た場合は無論追加します。
カテゴリーが決まりました。長編がこの後増えるのかは不明。短編が加わるのではないかと思います。
現在61本。例年ですとあと数本で打ち止め。と言うことは今年はアジアからの参加が少ないことになります。他国との共同制作もあり英語圏の国が毎年多数派を占めますが、日本はアニメと実写の2本、韓国は1本、香港・中国は1本と、少ない方です。日本はそれほど実写映画に強くないので、こんなものかと納得しますが、韓国、中国、香港合計で2本と言うのはちょっと少ないです。それ以外のアジアからはインドが1本。
フランス語、オランダ語の作品はまあまあの数。ベルギー、カナダのフランス語圏、ベルギーのフラマン語圏、そして事によったらルクセンブルクも加わるので、今年もそこそこがんばっています。ベルギーは映画大国ではありませんが、テレビ用優秀ドラマを劇場映画にしたような感じの作品が時々出ますし、フランスとの共同制作もちょくちょくやります。フランスは欧州では映画大国。昔の退屈な映画時代から脱皮が進み、エンターテイメント性を重視した作品が年々増えています。ファンタに作品を送って来るワイルド・バンチという会社はフランスにあります。
今年頑張りが見えるのは不況のはずのスペイン。スペイン語という意味で南米も含みます。スカンジナビアががんばり始めた頃スペインも1度上り調子になり、ややチープな作品も含みますが、優秀作品も産んでいました。どうやらリーマン・ショックその他の不況に巻き込まれ、自国産業を十分に生かし切れずに躓いた様子で、映画産業も煽りを食ったようです。しかし斜陽にはならず、国内の職場は半減、というかそれぐらいしか仕事が無くなったそうです。私の勝手な想像ですが、スペインの映画人は大西洋を渡り、南米で映画作りを続けたような感じがします。言語を改めて習う必要が無いので、大陸に渡った日本人俳優より話が早かったと思います。実際ファンタの鑑賞に堪えるような優秀なスリラーなどが作られています。
北欧も今年はやや数が少ないように思います。北欧ではデンマークが非常にがんばり、その後他の国にもいい影響が及んだらしく、ノールウェイ、スウェーデンからも時々おもしろい犯罪映画が来ていました。今年が少ないと言っても、まだまだ人材もあり、ドイツから資本が行く時もあるので、たまたま今年数が少ないだけでしょう。
イタリアはファンタではあまり活躍が無く、アルジェントの作品を出す時ぐらいしか姿を見ませんでした。映画作りの底力はある国。ちょっとファンタとはずれる優秀な社会派ドラマ、歴史ドラマなども作れる国ですが、去年からはチープな感じのスリラーが出ています。たとえチープでも、作風が他の国と違うので、これからも毎年1本ぐらいは見たいです。スペインのように作っているうちに質が上がるかも知れません。元々は映画大国だった国、大スターを産んだ国でもあるので、その気になれば何か作れるのではと思います。スペインやフランスのようにどの路線で行くか意見の一致が見られれば不死鳥のように蘇るでしょう。
滅多に送って来ないけれどいい作品が出来た時には参加するのがイスラエルやロシア。イスラエルはしかしファンタ向きと言うより、ベルリン映画祭向きの作品。ロシアはその気になればファンタ向きの作品も作れます。西側にはあまり知られませんでしたが、東西冷戦の頃結構大きな映画産業がありました。当時は思想色の強い作品が多かったらしいですが、冷戦後はエンターテイメント性を強めています。 アニメも良くて、ユーモラスな短編(The God)を見たことがあります。旧ソ連から今年はロシアとリトアニアが参加していますが、リトアニアの方はまだ海の物とも山の物とも分からず、見てから判断します。
各国が絶好調でない年は自然と英語圏の作品が増えます。英語圏は優秀作の多い英国、アイルランド、オールラウンドのアメリカ、それを追うカナダ、一時期大発展したオセアニアをカバーするので、どこかが不調でも他が一定のレベルを保っています。今年はハリウッド的でない人たちが作った作品を集めているようなので、興味津々。テキサスにハリウッドから外れた映画人が集まるという話は以前聞いたことがあったのですが、あまり大きな力になっていなかったようで、そこの作品は滅多にお目にかかれませんでした。今年はそこから発生した配給会社ががんばったようで、アメリカ版ワイルド・バンチができたのかも知れません。今年の春短編集で26人の監督を紹介し、夏のファンタに長編をたくさん送って来ています。映画自体はテキサスで作ったわけではなく、全米に散らばっているようですが、テキサス発の会社から世界に発信を始めたようです。今年のファンタの見所になりそうです。
ファンタのファンはジャンルを細かく分けています。私の目にはそんな必要は無いように映るのですが。私ならコメディーでも犯罪映画なら《犯罪》としてしまいます。
《ドラマ》なんてジャンルは無視。結局何だってドラマなんだから。スリラー、ミステリー、犯罪を一緒くたにします。冒険、SF 、ファンタジーはそれぞれ別枠。主人公が冒険をしても、現実の話として描かれていなければ《ファンタジー》。まだ実現していない話を取り入れた SF はファンタジーに違いありませんが、「未来科学技術がこういう風に発展して・・・」という将来の現実像を描いた物はファンタジーから切り離しました。アクションは特別に枠を設けません。犯罪映画にたまたまアクションが多かったら犯罪映画。伝記は犯罪者の伝記なら犯罪映画、冒険家の伝記なら冒険映画。ロマンスなんてカテゴリーは無視。織姫と彦星のロマンスならファンタジー、ボニーとクライドの恋愛なら犯罪映画。その他にホラー、オカルト系は別枠として見ています。呪いとか祟りなんてのはここに入れています。パロディーも独自のカテゴリーにせず、犯罪者を笑い飛ばすなら犯罪映画、SF を笑い飛ばすなら SF に入れています。このページのカテゴリーは主催者や有名な映画サイトの分類を書いただけで、私自身は
・ 犯罪、スリラー、ミステリーを一緒くたにして1ジャンル(オカルト性無しの人殺しホラーはこちらに入れる)
・ 冒険
・ SF
・ ファンタジー
・ 祟り、呪い、オカルト系のホラー
程度にしか分けません。必ずいくつかのジャンルにまたがった作品や例外的な作品が出て来ますが、ジャンル分けにはあまり時間をかけず、映画を見る方に時間を使いたいという横着な人間です。
ミュンヘンが今とんでもない事になっています。予定されていた会場の映画館の家賃が急に大巾値上げになり、入場料を極端に値上げしなければならなくなったのが事の発端。
困った主催者が走り回った結果別な映画館がフェスティバルを引き受けることになったのはいいのですが、使えるホールは1部屋。なので、1回に1本上映となり、期間が延長になりました。
なので通しのパスを買った人は、全ての作品を見られますが、休暇が延長できない人に取っては災難。それで希望者にはパスの返還、料金払い戻しを許可するそうです。
ファンタには主催者側のサプライズはつきものですが、こんな大きなトラブルは初めてです。
現在49本。今年は Alamo Drafthouse Cinema という会社が気合を入れているようで、 Wrong、I Declare War、A Field in England、The Congress、Cheap Thrills がこの会社からの参加です。過去にはファンタで優勝した Four Lions (下記参照)、The ABCs of Death を出しています。The ABCs of Death はあまりおもしろくありませんでしたが、ここで短編を作った監督に次々長編を作るチャンスが訪れています。
Alamo Drafthouse Cinema は1つの制作会社ではないようで、映画人を結びつける要のような感じです。元々は二流館で、館内で冷たい飲み物や食べ物を売ることで身を立てていた会社。 売り子やウエイトレスが行き来できるように座席の間隔が大きく、座席の前に机がついていたそうです。去年のファンタの会場の1つがそれにやや近く、座席の前ではありませんが、2席ごとに左右に小さな机がついていました。オースティンにあったこの映画館はもろレストランのような食べ物と飲み物を目の前に置いて映画が楽しめるように作られていて、本当の映画ファンにはたまらないサービスぶり。その上催し物によってはライブ・バンドも出たようです。凄い。
アメリカの映画はハリウッドとニューヨークだけで作られるように思われていますが、アメリカ南部にも小規模ながら映画産業があります。そこがこれから力をつけるのかなと興味津々です。
それから正式なカテゴリー発表はまだ先なのですが、一応この会社の作品と、アジアの作品は集めて見ました。
現在40本。ここ数日で急に増えました。ファン・ダム、ジョン・キューサックなど有名人の名前が出始めています。
開催は今年もベルリンがトップなので、ベルリンの人が作品を見て、他の都市に感想を伝える役目を担います。かつては南から始まり、私たちがラストだったので、他所の町の人が感想をネットに上げて、私たちが参考にしていました。
ベルリンとミュンヘンは開催期間9日で2館。1つの映画館で2ホールということもありうるので、館数はあまり関係ありませんが、2館だと移動に時間を食うので、2館の都市の観客はちょっと慌しいです。その代わり少し運動にもなるので健康にはいいです。
何しろ1館だけですと、1日12時間座ったままになるので、エコノミー症候群の危険があります。なので慣れた人は必ず上映の合間に外に出て新鮮な空気を吸い、体を少し動かします。その意味では会場移動で別の館へ全速力で突っ走るというのは非常に健康にいいです。向こうの館からこちらの館に移って来る人と途中で出くわし、1秒ぐらいの間に「こんにちは」と挨拶。
今年の焦点は1つの館でファンタ専用のフロアを使えるかどうかです。去年はそれが実現し、非常に快適でした。椅子のすわり心地が良く、前の人の頭が絶対に邪魔にならないような設計。休み時間にそこにいるのはファンタの客のみ。そしてベランダがついているので、新鮮な空気を吸うこともできます。通常の ホールですと酸欠状態。ただ、専用のフロアを使うと入場料が100円から200円高くなるそうで、通しのパスを買わずにたくさんの作品を見る人の懐にはきついです。なのでどちらのホールにするか投票を行ったようなのですが、私は結果を知らない・・・。
今年も血の滴るコーナーではコンテストが行われます。これまでの優勝作品は
2006年: 私は見なかった Brick
2007年: やはり見なかった Ex Drummer
2008年: 抱腹絶倒の その男 ヴァン・ダム
2009年: SFとしてはちょっと変わっていた第9地区
2010年: 抱腹絶倒の Four Lions
2011年: あまりおもしろくないけれどまぶしかった Hell
2012年: 監督と暫く嵐や津波の話をしたハッシュパピー バスタブ島の少女
です。見る人に1から6までの評価をする投票用紙を配るのですが、自分が見ない作品はもちろん投票できません。なので2006年や2007年の作品についてはさっぱり分かりません。2008年、2010年の作品は良くできたパロディー、皮肉で、大笑いする作品。この作品に出演して観客に笑い飛ばされたジョン・クロード・ファン・ダムですが、彼の生涯の中で1番演技が光っています。その男 ヴァン・ダムのファン・ダムは性格俳優。俳優として人に誇れる作品です。その後またいつものファン・ダムに戻っておばかアクションを撮っています。Four Lions はベルリンに住むトルコ人やアラビア人の若者に大受けしていました。
ここで勝つと賞金でももらえるのか、次の作品を優先的に上映してもらえるのか、どういうご利益があるのかは全く不明。
現在32本。ほぼ半分程度です。ここまでの出演者を見ると所謂大スターはデパルデュー1人。あとは名の知れた個性派、名脇役、若手がちらほら。他はその国以外ではあまり有名でない人や、初めて名を聞く人たち。と言うことは内容に集中できるわけです。
韓国の作品が入って来ました。ちょっと前まで日本よりおもしろい作品が多かったので期待しましたが、トレイラーを見ると、日本がかつて松方弘樹などを起用して撮っていた作品に似ていました。ストーリーは香港のインファナル・アフェアのパクリ。いったいどうなっているのでしょう。近年東アジアでは韓国が元気だったはずなのですが。
ちょうど30本を越えるところです。近年は48枠、うち1枠は短編集です。初日、2日目を除いてはダブル・プログラムになっていて、一部は再上映されるので、参加本数は60本強、70本以下というのが普通です。なので大体半分ぐらいの作品が判明したことになります。
アジアからは今のところ日本が2本だけですが、例年香港、中国、韓国が複数本参加し、加えて台湾、ベトナム、タイ、インドなどの中からいくつかの国が入って来ます。どうも主催者はアルファベット順に仕事をしているようなので、そのうち他のアジアも出て来るでしょう。
本数はまだ少ないですが、カテゴリーが決まり始めています。今年は全体的に前年より気合が入っている感じがします。
全体で数十本なので、まだ断定はできませんが、今年は最初の数本を見る限りでは去年よりおもしろそうな印象です。と言うことは一昨年よりもおもしろいかも知れません。
今年はトレイラーの出来が良くて私が騙されているのか、映画の出来が良くなっているのか、どちらでしょう。トレイラーを見た分はその解説も入れておきました。
ファンタの参加作品が決まり始めています。まだカテゴリーは不明。
ナビゲーションは追って調整します。
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