アルバムの幕開けはパンチあるRandy CrawfordのVOCAL、中盤は流れるような鍵盤マッサージからコンガとギターのバイブで唸らせ、最後にFELDERのsaxでダメを押す新アレンジの「STREET LIFE」、次にこれまた丸ごと軽快な「INHERIT THE WIND」、そしてすこぶるドスの利いた「STOMP AND BUCK DANCE」と、のっけからやけに元気印のフットワークでJOE SAMPLE、WILTON FELDER、WAYNE HENDERSON三人衆持ち味充分のfunkyジャブが次々と繰り出され、聴く者は見事三角締めの態勢に持ち込まれます。これぞ激闘クルセイダーズ風プライド!
久方ぶりに大胸筋で傾聴した「BRAZOS RIVER BREAKDOWN」は、めずらしくSTIX HOOPERのアグレッシブな曲調で、思わず汗して腕立て伏せ100回ほどはやってみたくなる誘惑に駆られます。
「TIME BOMB」とラストの「VOICES IN THE RAIN」は、これが同一の人物による作曲かと訝しがられるほど武闘派と抒情派の両極端のナンバーで、JOE SAMPLEの変幻自在ぶりはさながら怪人二十面相のごとく。
加えて、「KEEP THAT SAME OLD FEELING」や「SOUL SHADOWS」も収録という気配りの良さ。
まるでクルセイダーズ名作全集の趣き。
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