時は昭和43年、
レトルト食品第一号のボンカレーが発売され、三億円強奪事件が発生、ザ・フォーククルセイダーズの「帰って来た
ヨッパライ」が大ヒット、学生運動が激化し、まさに混沌とした昭和の真っ只中に、
87発の銃弾で絶命したボニーとクライドの青春を活写したアーサー・ペン監督の『俺たちに明日はない』が公開され
絶賛を博しました。そしてこの映画へのフィーバーに沸くアメリカで、
奔騰する感情と狂騒と猥雑さと哀切感を綯い交ぜにしながらホーンセクションが炸裂するこの映画へのオマージュのアルバム
「THE SOUL OF BONNIE AND CRYDE」が蓮の花のように開花しました。
総勢12名のブルースバンドが演奏するこの生粋のinstrumental盤に、Joe SampleとWayne Hendersonの名前が瞥見されます。
収中「Blues for a Rainy Everyday」でJoe Sample、「Blues for Bonnie & Clyde」でWayne Hendersonの片鱗がうかがえ
ますが、ビバップやブルースやファンクが煮えたぎる坩堝の様相で、アルバム全体が奔騰する青春の塊です。
大好きになったのは出会いがしらの曲「The Soul Of Bonnie& Clyde」と「There's Not Much Time to Love」で、
いずれも骨太のテキサステナーClifford Solomonに惹きつけられます。とりわけ「The Soul Of Bonnie& Clyde」
の途中、いきなりテナーで斬りこんで登場とは、唸りました。また随所でドスを効かせるBill Greenの
バリトンサックスにも疼きます。
ヤフオクでの宣伝文句「内容はブラスクション入りのジャキジャキしたインストFUNKやインストR&Bです。
メンバーもスゴイです!60s~70sファンキー物が好きな人にはバッチリな一枚です。」に、偽りなし。
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