1995 The Connoisseur Collection |
試しに私家版でクルセイダーズのベスト盤を作ってみると分かるのですが、好みの曲をアトランダムに並べても
消化不良のアルバムになるのがオチなのです。
あくまでも好みですが、選曲と曲順によって、聴きながら映画のようにイメージが展開するアルバムに魅かれます。
一本筋の通った物語絵巻にまるで映画音楽のように渾然一体となった闘魂仕立ての献立。
この「一本筋の通った」流れが肝要で、
その一品一品にクルセイダーズの血がしっかり通っているだけに、俄然からだの血が騒ぎます。
今回のベスト盤、カバージャケットは黒っぽいダークなデザインで、タイトルは「SOUL SHADOWS」ときますから、
クルセイダーズ版フィルム・ノワールの想像をかきたてます。
前半に「Stomp and Buck Dance」や「Spiral」を配してアクションシーンを演出、
中盤に「Street Life」に始まる街娼との
プラトニックラブをバラッドで彩り、後半「Soul Shadows」で静かにスナイパーの狙撃シーンを歌い上げ、
終幕ナンシー・ウィルソンの熱唱する「The Way It Was」が流れると、これはもうまぎれもなくクルセイダーズ劇場で、目を
閉じたら映画が見えてきます。
あえて、今までベスト盤に収録されたことがない「Cause We Ended As Lovers」や「Destiny」で新味を出そうと腐心し、エンデイング・ロール
にレオン・チャンクラーの「Night Ladies」が選曲されているところに、このベスト盤編集の御仁のクルセイダーズへの偏愛
が窺え、嬉しくなりました。
1はUNSUNG HEROES 1973
2はSOUTHERN COMFORT 1974
3はTHOSE SOUTHERN KNIGHT 1976
4はSTREET LIFE 1979
5はFREE AS THE WIND 1977
6はHEALING THE WOUNDS 1991
7はSOUTHERN COMFORT 1974
8はLIFE IN THE MODERN WORLD 1988
9はCHAIN REACTION 1975
10はRHAPSPDY AND BLUES 1980
11はTHE GOOD AND BAD TIMES 1987
12はGHETTO BLASTER 1984
☆☆
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