文字通りクルセイダーズの百科全書と呼ぶにふさわしいこのCD4枚組の大鑑「Way Back Home」は、当時限定版として発売されたもの。十字軍を描いたLP並みの30C四方の堅固な箱型のジャケットの中に収められた漆黒のCDには計46曲の「闘魂」が刻印されています。
このファン垂涎のアルバムを大枚はたいて購入したのは、しかし何にもましてアルバムに付された分厚い解説書を読みたかったから。メンバーの生い立ちからグループ結成、そして大ヒット曲「Street Life」までの活動を10ページにわたり詳細に記したQuincy Troupeという御仁の解説。
何故「Street Life」までなのか。大ヒットに伴うmanagement環境の変化とStix Hooperの離脱の所以。解説書に曰く「その時何かが無くなった、熱情が無くなった」と。
果たしてそうか。実体験から言って、それは違うなって思いました。一時確かにクルセイダーズは沈みかけました。しかし、Wayne HendersonとWilton Felderの4作品(*注)が、それを救ったのです。実を申せば、その時苦境にあった僕も、救われました。紛れも無いクルセイダーズの「闘魂」の張り手を受けたのです。誰が何と言おうと、そこには少なくとも僕一人を勇気づけてくれた「熱情」が確実に健在していました。
クルセイダーズは生きつづけています。
*注・Wayne HendersonとWilton Felderの4作品とはJazz Crusaderの「Happy Again」、
「Louisiana Hot Sauce」、「Break'n Da Rulz!」、「Power Of Our Music」
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