GRP RECORDS |
1992年当時、「WE LOVE CRUSADERS」と銘打って発売されていた全20タイトルのクルセイダーズ・アルバムの中で、
質量ともにベストアルバム最高峰に鎮座していたのが、この豪華なCD3枚組みの「GOLDEN YEARS」でした。
今ここに全31曲の収録アルバムを整理すると、
THE YOUG RABBITS(2)、LIVE AT THE LIGHTHOUSE'66(1)、LIGHTHOUSE'68(1)、SCRATCH(2)、OLD SOCKS NEW SHOES(1)、
SOUTHERN COMFORT(3)、CHAIN REACTION(2)、THOSE SOUTHERN KNIGHTS(2)、FREE AS THE WIND(6)、CRUSADERS1(2)、IMAGES(2)、
STREET LIFE(3)、RHAPSODY AND BLUES(1)、ROYAL JAM(1)、THE 2ND CRUSADE(2)となります(カッコ内はアルバムからの選曲数)。
解説書によると、Joe Sample、Stix Hooper、それにプロヂューサーのStewart Levineが31曲の選定に当たった、とあります。
そして「最高のクォリティのものを選んだだけさ」というJoe Sampleの弁が付け加えられています。この坂口紀三和さん訳による
英文にして40ページの解説書がファンにとっては嬉しい贈り物で”No one grooved like them,before or since”と語る
Stewart Levineの言葉にはわが意を得たりと破顔一笑、Larry Carltonがクルセイダーズの面々を直感的に素描している
the importance of 'the pocket'-Wilton
the depth of 'the pocket'but the harmonic freedom allowed-Joe
the positive energy and genuine enthusiasm-Wayne
the ability to finally get mad and frustrated enough to play his ass off-Stix
といった含蓄ある観察に、これまたニヤリとさせられます。
ただ一つ疑問に思ったのは、これまで(2007年まで)発売されたベスト盤のいずれにも、わが心の金字塔
「UNSUNG HEROES」から
遂に一曲たりとも選曲されていないということ。殊にタイトル曲「UNSUNG HEROES」を聴いてクルセイダーズにぞっこんに
なっただけに合点がいきません。自分なりに解釈すれば、この溝が擦り切れてしまうほど幾度となく聴いたアルバム
「UNSUNG HEROES」は、冒頭の表題曲で先制攻撃を仕掛け、半ばに「FREEDOM SOUND」を配し、エンディングの
「Now I Lay Mme Down To
Sleep」で見事に昇華する間然することないハードボイルドタッチの構成で、見事に円環を閉じた完璧な作品にできあがっていて、
おいそれとそのアルバムの抽斗から一曲を選定するなんざ不可能なのかもしれません。それほどまでにこのアルバムは、僕の中では、
黒光りを放って佇んでいます。
といっても、この「THE GOLDEN YEARS」の価値はいささかも損なわれてません。グルーブ感溢れる独特のファンキー・ダンデキズム
の絹糸で織り上げた胸躍る一幅のSOUL絵巻であることに何ら変わりなく、
、やがて感涙にむせぶ瞬間が訪れる「クルセイダーズの風景」が観れるのは間違いありません。
|