不思議なものですネ、出会いって。あの時、あの場所に行かなきゃ出会わなかっただろうにと、振り返って感慨深くなることがありますよネ。縁というのでしょうかネ。
このアルバムもまさにそう思わざるを得ません。
ある式典開催の定刻までまだ時間がありまして、たまたまふらりと入ったタワーレコード店で、いつものように眺めたクルセイダーズの棚のコーナーで、初めて目にしたこの「at thier best」を何気なく手にとった瞬間にその出来事は起こりました。
1190円という破格の単価もさることながら、そのジャケットデザインに魅せられて購入して以来、自宅にいる時は、夜となく朝となく、机に座っても、トイレに入っても、寝床に就いても、倦まず飽かず繰り返しこのジャケットを眺め続けたのでした。
グレイ、レッド、ブラック、ホワイト計4色でデザインされた十字軍の楯とタイトル。
一見あの故田中一光氏デザインのユニクロのパッケージを彷彿とさせるカラー。そしてモスバーガーの店頭マークを思い出させるMOTOWN RECORDのロゴ。
マァそういった先入見は抜きにしても、実にシンプルな構成のジャケット・デザインから力強さと小粋さがしみじみと窺える魅力的なものだったのです。
今回当サイトの新たな「改訂版」をもくろんで、基本色は「ネプチューン」(深海色)で行こうなんて方針を定めていたのですが、それが今回のこのジャケットを目にし、いとも簡単に、尾篭な譬えで恐縮ではありますが、便器の大便が水洗の水流で洗い流されるように、当初の意図は文字通りきれいさっぱりと一掃されたのでありました。げに出会いとは不思議なものでありますヨ。
前置きが長くなりましたが、勿論中身のアルバムも瑞々しさ溢れる70年代初頭の逸品。あの「クルセイダーズ1」が発進される直前にMOTOWN RECORDから発売された3枚のアルバム、「old socks-」、「pass the plate」、「hollywood」から選曲されたもの。
いずれも快進撃前のクルセイダーズ闘魂の息吹が活魚のようにピチピチと跳ねているような印象で、瑞々しさや活力の汗しぶきが聴いてるそばから降りかかってくるような勢いを感じられるこのアルバム。必聴ベスト盤でありましょう。
1はOLD SOCKS 1970
2はPASS THE PLATE 1971
3はHOLLYWOOD 1972
4はOLD SOCKS 1970
5はPASS THE PLATE 1971
6はOLD SOCKS 1970
7はOLD SOCKS 1970
8はOLD SOCKS 1970
9はHOLLYWOOD 1972
☆☆☆☆
|