とんでもないアルバムがあったものです。かつて黒い弾丸と異名をとったロバート・ヘイズの肉体を髣髴とさせるほどにパワーが漲ってます。
そのアルバムとは「When We were Kings」サントラ盤。あのモハメッド・アリのチャンピオン・マッチ前夜に黒人ミュージシャンが集い開催された「アフリカのウッドストック」と称される今に至るも伝説のLIVE。
このライブ・アルバム中、わがクルセイダーズは、まさしく最高の出番で登場するのでした。
ビル・ウィザースがいきなり鉄砲玉的に殴り込めば、B.B.キングが粘っこい濃厚なシャウト、そして大御所ジェームズ・ブラウンの血液が奔流するような雄叫び、演奏の合間をアリの速射砲から飛び出すブリットのような言葉がアグレッシブに点綴し、熱気はいやが上にも高潮していきます。この時既に、男汁が勃起したハートから滲み出ている興奮状態。SPINNERSの演奏後、「このあたりで登場となれば、イッてしまいそう」なんて思った矢先、何と、「Put It Where You want It」が文字通り絶妙のタイミングで轟くのです。鳥肌が立ち、あっという間にオルガスムス。これほどの恍惚感は久方ぶりです。
黒酢とか黒ラーメンとか、およそ黒の付くものは、何やら猥雑で精力絶倫で体力回復に効果覿面のような印象を与えますが、このアルバムこそは、正真正銘の元気回復に即効の真っ黒いアルバムとしてお薦めです。
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