2000 The Verve Music Group Records |
漆黒のジャケットから浮かび上がるクルセイダーズ4人の顔。薄っすらと笑みを浮かべているのは一人
温厚なWilton Felderのみで、他の3人のメンバーは皆強面でコチラを睨みつけています。まさにファンクの用心棒。
このファンクの縄張(シマ)は誰にも荒らさせないぜの気迫が満面にあふれています。
冒頭「Stomp and Buck Dance」で睨みを利かせます。これですクルセイダーズの力瘤。
「Chain Reaction」はJoe Sampleのアグレッシブが前面に出た活劇路線で、なんともパンチの効いた殴りこみサウンド。
科学者の風貌のSampleが、独特のサウンドの多面体ぶりを垣間見せるのが清々しいテキサスの旋風「Free as the Wind」。
「I felt the love」はStix Hooperの恋語り。今回の演奏はピリ辛風味ですが、時には甘めのバラッドに仕上げたりと、
この曲、アルバム毎にクルセイダーズによって様々な色に染め上げられ、この変幻自在ぶりもまたクルセイダーズ
の妙味。
「It Happens Everyday」は御馴染みJoe Sampleのクリスタルタッチが冴えわたる清流のたたずまい。
一転して「Put It Where You Want It」は武闘派の一撃。このJoe Sample七変化に圧倒されてしまいます。
「Marcella's Dream」はStix Hooperにはめずらしいフイルムノワールの面影が宿るクールな逸品。
Wilton FelderのソプラノサックスとJoe Sampleのフェンダーローズがクールさを際立たせ、Billy Rogersや
Robert"Pops"Popwellが居合いの一太刀のような絶品のプレイをつつましく演じています。
そしてラストはRandy Crawfordの「Street Life」で盛り上げたと思いきや、流れるように
David.T.walkerとWilton Felderがストリングスも交えて絶妙の情感を織り成す「Last Call」で随喜の涙を誘う
お見事なカーテンコール。
ことほどさように、このベストアルバム、男を起たせるために選りすぐった活劇のお品書きで、
どんなミュージシャンのプレイを聴いても、ブーメランのようにクルセイダーズに里帰りしてしまう腕力の
a source of powerがあますところなく網羅されています。
なお、全9曲の作曲者の内訳は、6曲がJoe Sample、2曲がStix Hooper、1曲がWayne Henderson。
1はSOUTHERN COMFORT 1974
2はCHAIN REACTION 1975
3、4、5はFREE AS THE WIND 1977
6はCRUSADERS1 1972
7はIMAGES 1978
8はSTREET LIFE 1979
9はRHAPSODY AND BLUES 1980
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