高校時代からクルセイダーズに心酔していた一人の若者がいました。1960年当時、その若者にとって、クルセイダーズに会える唯一の場所はナイトクラブのライト・ハウスで、夜毎駆けつけたものです。でも、残念ながら
若者は高校生、まだナイトクラブに入れる年齢ではありません。やむなく若者は、クラブの外で、クルセイダーズの勇姿を窓ガラス越しに眺めながら、そのサウンドに耳を傾けました。
クルセイダーズのサウンドに酔いしれながら、紅潮した若者は想いました「いつかきっと、クルセイダーズと一緒にプレイしてみたい」と。「クルセイダーズ・サウンドはラテンのリズムにマッチするはずだ」と心中ひそかに若者は確信していたのです。そして若者の高校時代からのその夢が1997年に叶いました。
若者の名はPoncho Sanchez、夢のアルバムは「Freedom Sound」。といっても、レコーディング当時には既に夢あこがれていた4人のメンバー編成のクルセイダーズはいません。
その時、夢を叶えてくれたのは、Wayne HendersonとWilton Felderが組んだ新生Jazz Crusadersでした。
その度量の大きさと男気の魅力。熱い魂の賛歌にこのアルバムは満ち満ちています。とりわけ1曲目から5曲目までの温度が高く、「freedom sound」から「you don't know what love is」に至る闘魂の天城越えは素晴らしい。また愛聴盤が増えました。
|