このアルバムに収められているのは、1971年から1982年までのクルセイダーズ10年間の軌跡です。
GOLDシリーズと銘打ってありますように、クルセイダーズの文字通り黄金時代を謳歌した一枚と言えるでしょう。
曲目では1971年発表のアルバム「PASS THE PLATE」収録の「Young Rabbits'71-'72」がいちばん古い選曲で、
1982年発表の「ROYAL JAM」収録のわれらがB.B.Kingの熱唱するバラッド「Hold On」で幕を閉じます。編者はこの間の
10年を黄金時代と画したのです。なぜなら、そう、1982年、クルセイダーズの心拍を刻んでいたStix Hooperが脱退した
からでしょう。見ておくんなさいナ、このアルバムの裏ジャケットの右上の写真を。ラリー・カールトンがいる。
ウェイン・ヘンダーソンがいる。ウィルトン・フェルダーがいる。ジョー・サンプルがいる。そしてその中心で、
ドラムを前にステックを手にした上半身裸のステックス・フーパーが満足げに笑っています。周囲のクルセイダーズ
の面々の何と和気藹々としてニコやかなことでしょう。髭もじゃの、この野性の親分こそ、クルセイダーズのコアの
部分を支えていたにちがいありません。だから、「野性のフーパー」がデンと腰を据え、「汗の華」が咲き乱れていた
このDECADEこそが、クルセイダーズ・スタイルの真骨頂で、真の意味での黄金時代なのです。
CD二枚組に凝縮された「汗の華」は、まぁ、いずれも諳んじて口ずさむことができるほど聴きこんだ曲ばかり。
久しぶりに聴いた「ナイルの百合」も、なかなか味わい深く、聴けば聴くほど傾倒するのがクルセイダーズ。
一枚目のCDを聴きながら、この「ナイルの百合」の曲位置も舌を巻くほどで、
闘魂を際立たせるために練りに練った構成と見受けられ、こうでないとハートに王手できないと思われる
ほど一曲一曲の駒が綿密に整然と居並んでいます。この編者、よほどのクルセイダーズ好きと推察します。
これはいま時、男気を鍛えるにはもってこいの、男性諸君必携の「滝浴びアルバム」でしょう。
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