以前ベスト盤レビュー「興味本位」の中で、『「TWO On ONE」はベスト盤とは言いがたく、そのアルバム名のとおり、
80年発表の「Rhapsody and Blues」と81年発表の「STANDING TALL」二枚のアルバムを一枚にまとめただけのものです』
と書き、続けて『このようなアルバムはクルセイダーズには後にも先にもなく、何とも不思議なアルバムではあります』
と記していますが、迂闊ながら、それはこちらの情報不足で、それ以前の1976年に全く同じ体裁で「CHAIN REACTION」と
「THOSE SOUTHERN KNIGHTS」とが一枚のアルバムに収録され、「TWO on ONE」と称して発売されていたのでした。
ただ『CHAIN REACTION』の「Rainbow Visions」と「Sugar Cane」、『THOSE SOUTHERN KNIGHTS』の
「Feeling Funky」がカットされています。
前者はWayne Henderson、後者はRobert Popwellの作曲で、
なかでも「Suger Cane」は今聴きなおしても萎縮虫秒殺の活性化サウンドで、収録されていないのが残念です。
それでも「CHAIN REACTION」で、ほどなくあのWayne Hendersonのトロンボーンが聴こえてくると思わず
瞼の裏にあの頃の勇姿が浮かび感慨深いものがあります。Stix Hooperの「餅つきドラム」も萎えた気持ちを後押しして
くれて、あらためて「クルセイダーズ七転び八起きの達磨魂」を元気になりながら再確認させられました。
今回聴いて自分でも吃驚するほどアグレッシブに高揚させられたのは「Mellow Out」で、ちょっぴり「Put It Where
You Want It」似のこの曲、Larry Carltonの作曲で年甲斐もなく胸ときめきました。
このアルバム、二枚のジャケットデザインからもうかがい知れる力の入った1970年代中期の傑作連合で、久しぶりに
熱くなることの大切さをしみじみ感じさせてもらいました。
くどいようですが、やっぱりクルセイダーズは最高です!
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