1994 Warner Bros. Records |
このアルバム、まぎれもない闘魂あふれる応援歌。
joe sample曰く、「今度のアルバムは闘魂溢れ、聴くヒトを奮い立たせてくれること必定。
私自身、かつて経験したことがないくらいのパワーだ」と折り紙つき。
茶系とモスグリーンの調和した水彩画タッチの闘争の絵柄のジャケットの裏面には、今回アルバムのプレイヤーの面々のポートレートが居並び、いずれ劣らぬ迫力満点の面構えで、まさにその雰囲気たるや「新仁義なき戦い」の気迫横溢、これはなにかやってくれるに違いないと期待するに余りあります。
そしてまさにその期待通りのパッショネートで力瘤盛り上がる熱いアルバムとなっています。
wilton felderとwayne hendersonがJAZZ CRUSADERSを新たに結成し「HAPPY AGAIN」を発表したのが1995年ですから、ほぼ時期を同じくして、joe sampleも the soul committeeというめっぽう活きの良いグループを率いてこの闘魂あふれるアルバム「DID YOU FEEL THAT?」を打ち出したのでした。やっぱり離れていても闘魂通じ合うクルセイダーズの面々。
次から次に繰り出されるドスの利いたサウンドが、疲弊した柔なハートに斬りこみをかけてきますし、joe sample は汗のしぶきをまきちらしながら久々にアグレッシブに迫ってきます。
steve gaddのメリハリの利いたファンキーなドラム、不気味な金髪の殺し屋joel peskinのテナーも粘っこく、鉄砲玉のような危険な雰囲気を漂わせたoscar brashearが一宿一飯の恩義を見事なトランペットで果たし、マァどの曲も思わず額に汗して握りこぶしを作ってしまうくらいの迫力。
とりわけ「mistery child」や「give it here」はミルコ・クロコップの廻し蹴りを脳天にうけたような衝撃波を感じるばかり。
今年の8月、K1は格闘技の祭典「ダイナマイト」を僕たちの前に用意してくれましたが、まさにこの武闘派の力のこもったアルバムこそは真夏の夜のダイナマイトにほかなりません。絶対に聴くべし。
|