ベスト盤というのが、どういう経緯で作られるのか、そしてこの種のアルバムの製作に作曲者がどれほど
関与しているものか、寡聞にして知りませんが、今回の「introducing」は、
ワーナー・ブラザーズに所属したジャズアーティストを
紹介する趣旨で「introducing」と銘打ってシリーズ化されたベスト盤の中の一枚として同社より発売されたもので、
献立は1998年に発売された「THE BEST OF Joe Sample」に、新たに2曲を加えたアルバムです。
曲順も変わらず2曲追加されただけなので愚痴の一つも出そうですが、改めて聴くと、そんな不満は吹き飛んでしまいます。
さすがJoe Sampleと唸るほど一品一品が絶品で、各曲について今一度オマージュを捧げたくなるほど。
以前、1991年に発売された「COLLECTION」が、『1978年の「RAINBOW SEEKER」から1985年発表の
「OASIS」に至るまでの6枚のアルバムから選曲された文字通り粒よりのコレクション。』(当サイトレビューより)
であったのなら、「introducing」は、まさに、それ以降からワーナーブラザーズを離れる1998年までの、
厳選されたコレクションで、文字通りJoe Sampleの格好の道案内とはなっています。
思うに、当のマイスターご自身が、精魂かたむけ、腕によりをかけて編纂したアルバムが「Sample This」
や「THE BEST OF Joe Sample」であったに違いなく、
その「力」が「introducing」の根幹を成しているのでしょう。
今回嬉しかったのは、前記2作品に入っておらず残念に思っていた「All God's Children」が収録されていることで、
実はこの曲、聴くたびに胸熱くなるほど好きな曲なのです。
※印が、アルバム「THE BEST OF Joe Sample」に新たに加わった曲
1 from"Did You Feel That?"1994
2 from"Sample This"1997
3 from"Old Places Old Faces"1996
4 from"Spellbound"1990
5 from"Ashes To Ashes"1990
6 from"Ashes To Ashes"1990※
7 from"Did You Feel That?"
8 from"Spellbound"1989
9 from"Spellbound"1989※
10 from"Ashes To Ashes"1990
11 from"Invitation"1993
12from"Old Places Old Faces"1996
13from"Sample This"1997
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