新譜のCDケースを開き、解説書を取り出そうとすると、一枚のシートがひらりと零れ落ちました。その薄茶色の
シートを見ると「おいしい料理と素晴らしい音楽。このふたつがなければ人生なんてつまらないものさ。」という
Joe Sampleの言葉を謳い文句に東京都内の一軒のレストランが紹介されていました。レストランの名は「ル・サンプル」。
「名付け親はジョーさんご本人」。
紹介文によると、件のオーナーシェフとその奥方とJoe Sampleとのお付き合いは、
ご夫婦がロスアンゼルスにお店を持っていた当時からで、お二人が昨年帰国され、都内に新店舗を構えた際に、
Joe Sampleが駆け付け、ピアノをご披露してくれたほどのじっ懇の仲だとか。
このエピソードには、人付き合いを大切にし、音楽であれ料理であれ、気に入ったものとは終生付き合うといった
Joe Sampleの生きざまの一片が窺われて興味深いものがあります。
まさに今回のアルバムは、Joe Sampleお気に入りの最高の仲間、Randy Crawford、Steave Gadd、Ray Parker Jr.など
クルセイダーズがらみのメンバーで作り上げたお品書き十三品の佳肴。だからファンは黙って舌鼓を打てば良いわけ。
おのずと陶然となったり、熱くなったり。
三回CDを繰り返し聴き、Randyのこぶしの利いたヴォイスにはなはだ鼓舞された一曲が「Respect Yourself」。
「自分を大切にして
大事にして
自分を蔑ろにしたなら
誰もあなたを思ってはくれない」
と繰り返す歌声に鳥肌立つほど熱くなり、続く「Angel」が実に沁み入ってくるのでした。
ところでジョーさん、ランディー嬢と「おいしい料理」をご賞味されるも結構ですが、くれぐれも
太り過ぎにはご注意を。これは、末永く元気に音楽活動を続けていただきたいための老婆心。
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