この人に白衣を着せたら、科学者に見紛うばかり。まことに神経が細やかそう。鍵盤から流れ出す音色はまさにクリスタル。でも見かけとは裏腹に、核にマグマのように煮えたぎるファンキー魂が存在するのも、また確か。「SOUL SHADOWS」がポンと生み出されたのは、その何よりもの証しでしょう。

常に「上機嫌」でいることは難しいものです。心中穏やかならず、機嫌斜めなときでも、泰然として上機嫌を保つのは 並大抵の器量ではできないでしょう。でも、自らが上機嫌でなければ、決して人を喜ばせたり、奮起させたりすることは できません。ジョーさんのとびっきり上機嫌なアルバム「Creole Joe Band」を聴きながら、ふとそんな感慨に浸っていました。
ジャケットに「野焼」の写真を使っているところに、燃え上がる炎のような闘魂を秘めたJoe Sampleの胸中を垣間見る思いです。
とにかくJoe Sampleは、元気に気合を込めて上機嫌の波動を伝えてくれます。
「Louisiana Woman」は沖縄の島歌を彷彿させるような全天候型の陽気な調子。祭囃子のように自然に体が躍動します。
アルバム「Creole Joe Band」はファンキーな「Zydeco Train」のチケット。サァ、すぐさま切符を買って、ザディコ列車に飛び乗って、 上機嫌な旅に出かけましょう。