今回の「COLLECTION」は、1978年の「RAINBOW SEEKER」から1985年発表の「OASIS」に至るまでの6枚のアルバムから選曲された文字通り粒よりのコレクション。
豊潤なワインにも似たコクと香りを存分なまでに匂い立たせるこのコレクションは、言うなればリリシズムの銃弾。
胸張り裂けんばかりの激情を抱いたこの孤独なスナイパーは、その激情を指先に集め、呼吸を整え、マイスターの技術を駆使して、冷たい鍵盤の引き金を引くのです。銃器の冷たい感触を思わせる、エレピの清冽なクリスタルタッチ。銃口を発射したリリシズムの銃弾は、しかしスナイパーの激情が乗移ったように
殊のほか熱く、激しく、聴くもののハートを狙撃します。
「CARMEL」や「WOMAN YOU'RE DRIVING ME MAD」や「RAINBOWSEEKER」も「闘魂」の琴線に触れますが、わけても激情の震源地を感じさせてくれるのは、やっぱり名曲の「MELODIES OF LOVE」で、できればその後に「ALL GOD'S CHILDREN」を入れて欲しかったと願うのは贅沢な望みでしょうか。
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