のっけから、コンガの躍動的な音が轟き、筋肉に眠る野生を呼び覚ましてくれる「The Pecan Tree」。
傑作「THE SONG LIVES ON」をカラーに譬えて郷愁を誘うセピアカラーとするなら、さしずめ今回のアルバムはブルー、あの「北野ブルー」にも似た色合い。かすかにヴァイオレンスの香りが漂い、筋肉を刺激します。
サックスに代わってLizz Wrightの見事なボーカルが「男気」の世界を彩る「No One But Myself Blame」。散弾銃の詩。ブリットがスローに飛散るのが見えるよう。
背後でパーカッションが囁く危険な味わいの「X Marks The Spot」、「El Dorado」。匂うでしょう、ハードボイルドの世界。感じるでしょうブルーな感触、銃器の冷たい肌触り。針の極小な穴を狙撃するような繊細なスナイパーのタッチ。
感動にとどめを刺すのはLizz Wrightが高らかに歌い上げる「Fool's Gold」。Howord Hewellが浪々と熱唱する「With These Hands」。居てもたってもいられないほどにハートが揺さぶられ、モチベーションがみるみる高揚するのを肌で、筋肉で、体温で実感できること請合いますヨ。
「In A Heartbeat」も耳で聴くと言うよりは、大胸筋あたりに直接効いてくる活性化サウンド。
イヤァ、いずれも職人芸とも言える音作りの巧みさを感じさせてくれる逸品。その至芸をタップリと堪能させてくれますし、気が付けばアグレッシブな自分が今そこにいることに一驚するでしょう。これぞクルセイダーズの面々の持つ「闘魂」の力です。
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