さてさて今回の映像は、WOWOWで放送されたMONTREUX JAZZ'97です。このLIVE、既にこのMovieページでご紹介してきましたように
三部に分かれており、JAZZ CRUSADERS篇、
Legends篇、そしてLary Carlton篇があり、今回はそのLarry Carlton LIVEでエンディングに特別に用意された
サプライズな一幕。
既に8曲の演奏を終わり最後の曲を前にして、Larry Carltonが語り始めます。
「1971年、私が23歳の頃のある日、一緒にアルバムを作らないかと電話がかかってきて、以来12枚以上もの
レコードを作りました。その後長い間、彼らと会っていません。そのグループのオリジナルメンバーであった
Wilton FelderとWayne Hendersonがやってきてくれました。」と、そこまで語ると「Put It Where You Want It」
の出だしのフレーズを弾きだすのです。
やがて舞台の袖からWilton FelderとWayne Hendersonが登場すると満場拍手喝采。
さも嬉しそうなLarry Carltonで、満面の笑みで彼らを迎えると、まるで童心に還ったように一種おどけてアドリブに
興じます。Wilton Felderも楽しくてしょうがないといった風情。こんなに和やかなWilton Felderが見られる
ことは滅多にありません。
それでもソロアドリブになると流石はクルセイダーズの面々で、Wilton Felderは威風堂々とした野太いテナー、
Wayne Hendersonは、「Yang Rabbits」の作者らしいアグレッシブで、とびっきりファンキーなトロンボーンを
ご披露。Larry Carltonも、これぞラリーと思わせる湧水の弦さばきを見せてくれます。驚くべきは、御三家が三様とも
全く泰然として「ブレ」がない。大写しになったその瞳は確固たる自信に満ちていて、感服します。
終始和やかな演奏でありながら、それでもLarry Carltonのクルセイダーズの先輩への敬愛がひとかたならぬものであることが
見てとれ、演奏が終わってお互い肩を抱き合う姿には、分厚い友情の絆といなせな男の匂いを感じました。
これぞ、侠です。
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