さてさて、今回の映像は、Nancy WilsonのLD「RED HOT GREAT JAZZ NIGHT &COOL vol.1」の中の、Joe Sample篇を抜粋したもの。映源を拝借しましたのは、当サイトお客様のラ・マンチャの男さん。ありがたいことです。
曲目は「SPELLBOUND」、「THE WAY IT GOES」、「ALL GOD'S CHILDREN」、「CARMEL」と、Joe Sample十八番の傑作選。
いずれもパーカッションのLenny Castroとのセッションが絶妙で、息の合ったプレイがJoe Sample独特のダンディズムの世界を織り成します。それにしてもJoe Sampleは、近年にいたって、営々孜々と独自のスタイルを極め、孤高のグルーヴィな世界を築きつつあるように思えてなりません。実にカッコ良いの一言です。
ただ一つ気懸りでしたのは、果たして僕一人の感慨でしょうか、ナンシー・ウィルソンの声が変調をきたしているように感じられたのです。Joe Sampleを紹介する口調にふと美空ひばりを思い出し、享年52歳で去った美空ひばりでさえ声を大事に精進したと伝え聞きますから、既に60歳を越えた大御所ナンシー・ウィルソンが声を振り絞って絶唱する姿には哀感を覚えたほど。それだけに歌い終えて、Joe Sampleと抱き合い称え合う姿には胸キュンとなりました。
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