さてさて今回の映像は、1982年4月20日の夜、ノース・ハリウッドのとある有名なカントリー・クラブ店内で収録された文字通りのミッドナイト・ライブ。
監督が今をときめくあの「スピード」の監督ヤン・デ・ポン。数台のカメラで多角的に、それこそなめるように、クルセイダーズの面々の白熱のプレイを余すところなくとらえたこのビデオは、現存するクルセイダーズ映像記録のなかでも白眉のものといえるでしょう。
終始このライブ映像をゴージャスなまでに効果あらしめているのは、光の偏在です。サックスやドラムのシンバルからの反照、衣装のきらびやかな刺繍からの光の反射、天井に据えられたミラーボールの輝き、いたるところに目も眩むばかりに無数の光の星のイリュージョンが放射します。
それぞれのプレーヤーの姿態を捉えたカメラワークも秀逸で、マウスピースをちょっと直して「良い音ダ」と満足気に微笑むウィルトンフェルダーの仕草、ビートを刻みながら体をくねらすスティックスフーパーのなんともエロティックな背後からのカット、鍵盤を華麗に舞うジョーサンプルの指の動きなど絶妙の絵心。
真紅のマフラーを巻いて「SOUL SHADOWS」を熱唱するBILL HENDERSONや打楽器競演の「AFRICAN SPIRITS」もこれまた絶品で、立ち上がって拍手喝采する超満員のクラブの観客同様に、この闘魂トライアングル激闘の三勇姿に心底感動するは必至です。
注・詳細な紹介はコチラから、糸居五郎氏の見事な解説をどうぞ!
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