さてさて今回の映像は、ビデオ「ロック映像年鑑1979」に収録されたもので、ボーカルにランディ・クロフォードを迎えたクルセイダーズの入魂ライブ。
ランディーの歌声は実にもう艶やかで、体を妖しくくねらせながら、「STREET LIFE」の主人公になりきって、クルセイダーズと渾然一体となり、陶酔したように歌う仕草の色っぽいこと。
ふと「性女伝」にいその・えいたろう氏が書かれた一文、「ともかく男性の瞬間的な性の営みに対して、女性は岩山に浸みこむ水のように絶えず吸盤を整えて息吹をくり返しながら、飽くなき絶頂山脈への登攀を試みるわけである」を思い出してしまいました。今しも恍惚に打ち震えるような態でシャウトするランディークロフォード。女性ボーカルとは、つまるところ一種の「絶頂山脈への登攀」なのかもしれません。
後半のウィルトン・フェルダーの熱の入ったアルトサックスのアドリブも感動もので、確かに曲目はただ「street life」一曲のみではありますが、演奏密度のすこぶる濃い映像ものとなってます。
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