さてさて、今回の映像は「THE PARIS CONCERT」と銘打たれて発売されたJAZZ CRUSADERS2002年ライブDVDの
一部始終。とはいっても、クルセイダーズの立役者たる4人のメンバーの中で、出演しているのは
わがWayne Hendersonただ一人。いつもはタッグを組んでいたWilton Felderも今回はいません。
果たして、その内容は・・・
小説は冒頭の数行で、映画は最初のシーンで傑作かどうかは直感できますが、このライブのファースト・
インパクトで「絶頂感」を体感できました。
まずはWayne Hendersonの圧倒的な存在感が素晴らしい。まさしくパワーフルな黒い神の降臨です。
他の演奏者の面々もプライドの格闘家を思わせるほどに男臭を漂わせ、ピラニア軍団の面影もあり、
何よりも面構えが良い。
サックスのJean Toussaintを筆頭に皆さんクルセイダーズが大好きな人たちに違いありません。
その雰囲気たるや、まぎれもなくクルセイダーズ的で、Hiroさんの言葉を借りれば、ウェイン・マジックの腕力のなせる技。
身も心もクルセイダーズ臭が染み付いています。
ほら、中華料理店の看板色って、「赤・黄・緑」のカラーで精力絶倫をかもし出していますが、映像でも
この三色のライトがいたるところに遍満していて、妖しいまでに力瘤を盛り上げます。
MONTREUX JAZZ'97ではヘビー級のPatti Austinがボーカルでゲスト出演しましたが、今回は打って変わって
初見参ライト級のJean Carne がゲスト。ダリオ・アルジェントのホラー風味を盛り込みながらの
「STREET LIFE」の熱唱、こんなにスパイラルなボーカルは、初めて味わう異色の食感で、この味、癖になりそうです。
終わって女房に、どうだい?と尋ねますと「良いわネ」の一言。この一言で満足ぶりが窺え、
観客のハートを「アーハー」と鷲づかみにしてしまうWayne Hendersonに変わらぬ熱いクルセイダーズ魂を見た思い。Merci Beaucoup。
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