さてさて今回の映源は、先ごろ開催された「東京Jazz」からJoe Sample&Randy Crawford篇。
余計なお世話かもしれませんが、近年のクルセイダーズ、Wayne Henderson、Wilton Felder、Joe Sampleの面々、いずれ劣らぬ肥満の
体格に、健康面での悪影響を心配してしまいます。思い過ごしであれば、それにこしたことはありませんが、今回Randy Crawfordの
超がつくほどの肥満ぶりにまたしてもその懸念が頭をもたげました。それかあらぬか、「Last Night at Danceland」で案内役に手をとられて登場するRandy Crawfordは心なしか足取りがふらついているようにも見えました。あのストイックなマイルスディビスの贅肉一つない肉体とまではいいませんが、せめてクルセイダーズ一門で、今も変わらぬ体躯のLarry Carltonほどにはスマートであって欲しいと願わずにはいられません。まだまだクルセイダーズには演奏活動を末永く続けていただきたいの一念です。
一曲目の「ALMAZ」を祈るように熱唱するRandy Crawfordには神々しささえあります。歌い終わって両腕を広げ鳥の羽のように羽ばたく仕草をすると、Joe Sampleも茶目っ気たっぷりに両腕を羽ばたかせるのでした。気心の知れたお二人の何とも和やかな光景です。
2曲目は、おなじみ「Street Life」。自在な曲の進行と堂に入ったRandy Crawfordの歌いっぷりは円熟味もまして見事というほかありません。それに独特の身振りでリズムを刻みながらベースを奏でるNicklas Sampleは、Joe Sampleの横で、真剣そのものです。
最後は「Last Night at Danceland」で、Rabdy Crawfordの歌声は素晴らしいの一語に尽きます。うっとりと聴き入ってしまう引力があります。何とも幸せに満ちたJoe SampleとRandy Crawfordの演奏のたたずまい。冒頭に懸念した肥満も、幸せ太りに見えてきます。
ひょっとしたら、心配とは裏腹に、太る門には福が来るのでしょうか。
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