さてさて、今回は2003年、福岡はBlue NoteでのLive。毎度の映像紹介とは違って、実際Blue Noteへ馳せ参じましての生中継とは相成りました。
Blue Noteへ到着したのが開演2時間前。まだ並ぶ者も若者一人しかいない中、ふと耳を澄ませば扉越しに聞えてくるのは紛れもなく第1ステージのクルセイダーズのサウンド。それがはっきり「Spiral」と判るや、胸にジーンときて体が自然にリズムを刻み出す始末。やがて時間の経過とともに徐々に観客も増え、開館数分前には地階から上る階段へずらり長蛇の列。
定刻となり第2ステージの扉が開くと、いよいよ待ちに待ったクルセイダーズの登場です。はじめて間近で見る巨漢のWilton Felderにもうメロメロ。とにかくこれがプロ中のプロというものなのでしょう、威風堂々と咥えタバコさながらにリードを口にして登場、演奏合間にも何臆することなくリードを取り替えるなど泰然として貫禄十分。
間髪いれず始まった演奏は紛れもなくクルセイダーズの砂をも焼く闘魂流。雑誌で見る写真よりは数段太目のJoe Sampleが鍵盤を叩きながらもクールな視線で全体の空気を測り、対照的にWilton Felderが顔面コブシの形相で熱く力強くサックスを吹まくる。これぞ怒涛のサックス・ファンク・ツイスター。当サイト・レビューが吹っ飛ばされるほどに生の一音一音が迫力満点、圧倒されます。
レイパーカー他の面々も素晴らしいのは言わでもがな。演奏の合間にステージの床に張られた曲目リストに目をやると、そこに手にしたタオルを落とし、見ちゃだめだよといった茶目っ気ある表情で目配せするSteve Baxterも、滴る汗の量が物語るアグレッシブ・トロンボーン熱演の数々。
しかしWilton Felderの存在感はまた別格。これが楽器一本でクルセイダーズ・ファンク一筋にやってきた男の矜持と人生の重みというものなのでしょう、「クルセイダーズを知りたきゃ、この俺を見ろ」、「これが俺の音楽さ」とばかりに体を張って表現する男の生き様にただただ大感動。
あっというまに曲目は進み、既に「way Back Home」。アンコールで「rural renewal」、そしてクルセイダーズ版「ゴーストバスターズ」ではステージにうら若き令嬢が上がりレイパーカーとセクシーダンス。「ゴーストバスターズ」の個所を「クルセイダーズ」と合唱して大いに盛り上がり、濃密な一炊の夢のような90分でありました。
(演奏曲目)
Free As The Wind
Viva De Funk
The Territory
So Far Away
X Marks The Spot
(どうしても曲目不明)
Rural Renewal
Ghost Basters
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