さてさて、今回の映像は「MONTREAL IN JAPAN'98」収録の、Wayne HendersonとWilton Felderで結成したジャズ・クルセイダーズのLIVE。
思い起こせば91年「Healing The Wounds」で癒しのまどろみのなかに今しも沈んでいこうとするクルセイダーズを、92年の「Back To The Groove」で支え、95年の「Happy Again」で「クルセイダーズ・ファンであることの幸せとアグレッシブな思い」を見事甦らせてくれた気炎の立役者こそ、誰あろう、わがウェイン・ヘンダーソンであったという事実を、決して忘れてはならないでしょう。96年には「Lousiana Hot Sauce」、98年には「Break'n da Ruz」と立て続けに快作を連発、「俺たちは沈まないぜ」とばかりに強烈にクルセイダーズ魂をファンの胸に焼き付けてくれました。そう、この10年間の間隙を埋めたのは紛れもなくウェイン・ヘンダーソンのパッションでした。このパワーがなかったならば、2003年の復活の事件もさぞかし影の薄いものになったでしょう。今回の映像こそ、そんなジャズ・クルセイダーズの頃のライブです。
泰然として「Inherit The Wind」を奏するWilton Felderの円熟味を帯びた演奏もさすがなら、豹柄のアフリカン・スタイルのいでたちで指揮もかねて演奏するWayne Hendersonも、まさに縁の下の力持ちの面目躍如の奮闘振りです。
|