戻る

〜4周年&100000HIT達成謝恩企画〜

この青い空の下


<長〜い長〜い「あとがき」(笑)>

え〜と、何から書き始めよう(笑)。
何はともあれ、記念企画小説「この青い空の下」に長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。よくこれだけの長丁場をペースを乱すことなく続けられたものだと、自分でも感心しています。
さて、この「あとがき」ですが、裏話やら何やらをちょこちょこと書こうと思います。小説自体のネタバレになることもありますので、本編すべてを読み終わった方のみお読みくださるようお願いします。


☆全体的なこと☆

このお話の構想が最初に浮かんだのは、「ヴィオラートのアトリエ」をプレイ中でした。カタリーナさんが探している“マッセンの騎士”が、どうやらエンデルク氏のことらしいとほのめかされているのを見て、このふたりが出会う話を書きたいと思ったわけです。
公式サイトでヴィオのゲームアンケートに答えた時も、「キャラへのメッセージをどうぞ」という質問に「カタリーナさん、“マッセンの騎士”には私が逢わせて差し上げます!」と宣言しちゃいましたし(笑)。
すべてはそこから始まりました。
そして、「ふかしぎダンジョン」の10万アクセスと4周年のほぼ同時達成が近づき、5万アクセスの時と同じように長編連載でもしてみようかと思った時、この「カタリーナさんが“マッセンの騎士”と会う」話を中心に書こうともくろんだのです。
その段階(2003年8月)で、考えていたのは次のようなことでした。

・マッセンを含むグラムナートが危機に陥り、ザールブルグから救援に赴いたメンバーが地元メンバー(フィンデン・カナーラントの面々)と力を合わせて解決するストーリー。
・敵はやっぱり魔界から来たことにしようか(この段階では具体的イメージなし)。
・複数のストーリーが同時並行で進み、最後に合流する構成にしよう。
・“マッセンの騎士”(E氏)は、なるべく最後の最後まで表面に出さず、クライマックスで劇的に登場させる。
・アトリエシリーズの歴代の主人公は全員出そう(サライ、アニスも含めて)。
・オールスターキャストは意識しないけれど、でも結局はそうなっちゃうんだろうなあ。

以上を元に、1ヶ月半ほど自由に想像力を膨らませました(妄想を広げるとも言う)。
あまり細かなストーリー展開は意識せず、各キャラが出演するいろいろなシーンをイメージしていったのです。予告篇として書いたのは、このようにして早くからでき上がっていた場面でした。

そして、十分にシーンがまとまった時点で、第二段階に移りました。
全体のあらすじをまとめ、章分けにしてシノプシスを作って行く作業です。あらかじめ浮かんだシーンとシーンの間をどうつなげるか、その辺を悩みまくるわけですね(笑)。
実は、この作業がいちばん大変で、その分、やり甲斐もあって楽しいのです。この作業が終われば、後は書くという力仕事だけですから。
で、当初は20章くらいかなと思っていたところが、シノプシスをまとめ始めると、どうやらそれでは収まらない(汗)。じゃあ、キリのいいところで30章にしちゃえ!と、少し水増ししたりごちゃごちゃやって、章別のあらすじをすべて作りました。かなりいい加減な章もあって、その分、後で苦労することになりましたが(笑)。
これが終わったのが、10月上旬。
そして、ここでひとつの決断をしました。
つまり、はじめにすべての章題を公開してしまって、その通りにストーリーを進めていくということです。「リリーの同窓会」の時は、途中まで章題を予告しただけで、都合でタイトルを変更したり、1章まるまる割愛してしまったり・・・と、けっこういい加減でしたが、今回はそういうことはせずきっちりやろうと考えました。

さて、そこではたと悩んだのは、各章のタイトル。実は昔から、タイトルを付けるのは苦手なのです。これまでの小説でも、ゲームのイベントのタイトルとか音楽のタイトルとかを流用してごまかしたりしていました。
プロローグ・エピローグを加えて全部で32種類の章題・・・どうしよう(汗)。
いやその前に、メインタイトルだ!
その頃、ヴィオをさんざんやり込んでいる段階でして、何度も何度もエンディングテーマを聞いていました。なので、タイトルは「この青い空の下」でいいじゃないか――と安直に決定。ザールブルグもグラムナートも、同じ空の下でつながっているという意味を持たせられますし。
そして、だったら章題もアトリエBGMの中から選んで付けたらいいのではないかというところへたどり着くのは自然な発想でした。
さっそく、「マリー」「エリー」「リリー」「ヘルクル」「ユーディー」「ヴィオ」のサントラとおまけの音楽堂をチェックして、全BGMのタイトルをリストアップ。そのリストと各章のあらすじをにらめっこしながら、章題を決めていきました。考えてみれば、これを決めている時がいちばん楽しかったかも知れません。
あっさり決まったのもあれば、ああでもないこうでもないと何度もとっかえひっかえしたものもありました。ちなみに「マリー」から5曲、「エリー」から10曲、「リリー」から6曲、「ヘルクル」から2曲、「ユーディー」から4曲、「ヴィオ」から5曲が選ばれています。
こうしてみると、「マリー」「エリー」の頃の方がネーミングも凝っていましたし、想像を広げさせてくれる素敵なタイトルの曲が多かったように思えます。好みの問題かも知れませんが。

あ、あと注釈について少し。
注釈をつけようと考え付いたのは、たしか第2章か第3章を書いている時でした。
ザールブルグシリーズとグラムナートシリーズのコラボレーションということで始めたわけですが、ルイーゼさんの酒場のカキコなどを拝見すると、どちらか片方しかプレイしていない方も多いことに気付いたのです。特にグラムナートになじみのないお客様が多いのではないかと考え、本文中でもかなり詳しく描写していましたが、それでも足りないのではと思いました。それで、いろいろと注釈を加え始めたら、これが楽しくて(笑)。ゲームを未プレイの方にも好評だったようで、良かったです。

それでは、よろしければ各章ごとの個別「あとがき」をお読みください。
繰り返しご注意しますが、小説そのもののネタバレを含んでいますので、一度本編を読了した方のみご覧くださいね。


☆プロローグ もう一つの物語☆

このエピソードは、かなり後になって付け加えたものです。当初のプロローグは、実は第1章の内容とほぼ同じで、『大貫洞』で魔物に襲われている貴族のご婦人(ラステル)を、通りかかったヴィオやアイゼル様が助けるというものでした。
クライマックスをアインツェルカンプ三重奏にしようと決めたところで、3人を結びつける血の絆というものを意識し、「ユーディー」の中でわずかに触れられている「剣聖グレイデルグの伝説」を下敷きにしようと思いついたわけです。
もちろん、グレイデルグについて書かれているのはヴェルンの図書館の蔵書の一節だけなので、この章の物語はすべてオリジナルです。グレイデルグは、おそらく子孫のエンデルク氏に瓜二つだったのではないかと考え、ああいう描写にしました。最後の行を読むまではエンデルク氏だと思い込んでいました、という声が寄せられ、してやったりと思ったものです(笑)。
グレイデルグが退治する敵についても、竜に決めたのは最後の最後。本編に登場するラスボスの本体がキングギドラ(笑)だから、それと合わせるために竜にしただけです。他にも、エンデルク氏がドラゴンスレイヤーだからご先祖もそうだったに違いないという発想もありましたが。従いまして、“竜の心臓”という宝石のネーミングも後付けでした。
吟遊詩人が語る散文詩風にしようと思い、ここだけ文体を意識して変えています。短いセンテンスを積み重ね、語尾を揃えてリズム感を出してみましたが、雰囲気は出ていたでしょうか。
このエピソードを冒頭に持って来たことで、物語全体に時間的広がりと深みを持たせることに成功したのではないかと思います。


☆第1章 詩姫―ウタヒメ―☆

本来はプロローグだったエピソードです。
当初は、ラステルがひとりでフィンデン王国から脱出し、『大貫洞』の出口で力尽きて倒れているところをヴィオとアイゼル様が発見するという内容だったのですが、無理があるので本編の内容に変更しました。
だいたい、箱入りお嬢様のラステルが単独行動できるはずがない、きっと誰か護衛がついているだろう、しかも、護衛はある程度は頼りになるけど強すぎてはいけない――ということで、“不幸の一番星”アデルベルトに決定(笑)。
それにしても、ここでの立ち回りがアデルベルト唯一の見せ場でしたね。
フィンデン騎士団については、洗脳されているのは隊長クラスだけで、平の隊員は厳しい規律によって命令に従わざるを得ない状態(逆らえば命がないわけですから)と想定しています。
カナーラント側のパーティは、ヴィオとアイゼル様は決まりとして、残り1名は事情通としてザヴィットさんを選択。そういえばザヴィットさんも序盤で出番が終わってしまいましたね。


☆第2章 力加減はほどほどに☆

今になって考えると、このエピソードは第2章に置く必要はなかったような気がします。話のつながりという点では、第5章「出番だ先生」の後に置いた方が座りが良かったかなと。イングリド先生が“あのふたり”のことを考えた後で、ふたりがどうしているかを書いた方がスムーズですからね。でも後の祭り(笑)。
それよりも、とにかくクラマリを早く出したかったというのが正直なところです。このコンビを出すと筆がすいすい進むので、物語に弾みをつけるには最適なのです。
構想の早い段階から、前半ではメインのパーティ(ヴィオたち)と平行してクラマリ珍道中をひとつの柱にしようと思っていました。で、このふたりをどうやってグラムナートへ送り込むか考えたら、やっぱりマルローネさんの実験の失敗しかないでしょう(笑)。ということで、オリジナル調合『フェーリングじゅうたん』が生まれました。制御方法さえ確立されれば、すごく画期的なアイテムのはずなんですけどね。
イクシーさんは、「リリーの同窓会」の時に出演させることができなかったので、罪滅ぼしを兼ねて出演シーンを増やしました。
途中で挿入されるちび竜虎コンビのエピソードは、正直言って苦し紛れです(笑)。さすがにリアルタイムでリリーさんを出すのはつらかったので(なんせ還暦近いですから(^^;)、こういう回想シーンで出演させるしかないと思い、17歳の若々しいリリーさんにご出演願いました。
あと、ヘルミーナちゃんの「錬金術の始まりを探し出す」というセリフは、一応エピローグでのヘルミーナさんの古書のエピソードへの伏線になっています(あまり効いていませんが)。本当は後半でもっとケントニスの錬金術の発祥について描きたかったのですが、物語が怒涛の展開になったため、描き込めませんでした。


☆第3章 哀しみは胸の奥に☆

第1章に続いて、フィンデン王国にひたひたと迫る動乱の予兆を感じさせるエピソード。
クライマックスへ向けての伏線を張りまくった最初の章でもあります。
アインツェルカンプ三人衆が、それぞれに悪夢を見てマッセンの危機を感じ取るという、その一人目がメルさん。彼女はマッセンハイムへ行ったこともありませんから、夢に出てきたのは“見知らぬ街”なわけです。
そして、メルさんが口ずさむ子守唄こそが、彼女が受け継いだ血筋を示す最大の伏線でした。「ヴィオ」をプレイしてカタリーナさんと仲良くした人にはすぐわかって、それ以外の人にはまったくわからない伏線でしたが(汗)。
当初、“マッセンの騎士”についてはゲームの通りカタリーナさんに語らせようと思っていましたが、この章を書いているうちに筆がすべって(笑)、マルティンがさわりだけ話してしまいました。まあ、物語全体のポイントとなる“マッセンの騎士”ですから、チャンスがある毎に語って読者の皆様に刷り込むのもいいかな、と。


☆第4章 ことの次第☆

メインパーティ、2回目の登場です。
当事者に事情聴取を行うわけですが、ラステルは「錬金術士ならばなんとかしてくれる」という盲目的な思い込みだけでフィンデン王国を逃げ出して来たので、情報を持っておらず、あまりいい証人とは言えません。語り手としてはそこが付け目(笑)。あまり多くをしゃべられては先が続かないので、アデルベルトには寝込んでもらっています。
この回を逃してはたぶんミーフィスの出番はないだろうと思いましたので、看護師役として出演させました。これほど看護師に向かない人もいないような気もしますが。消毒用アルコールだって「もったいない!」と自分で飲んでしまいそうです(笑)。
実は、傷を痛がるアデルベルトに「痛み止めにはこれが最高!」とミーフィスが酒を飲ませてアルコール漬けにしてしまうとか、元気になったアデルベルトが酒場で無謀にもミーフィスに飲み比べを挑んであえなく轟沈するとか、そういうエピソードも考えていたのですが、途中で忘れてしまいました。かわいそうなアデルベルト・・・。


☆第5章 出番だ先生☆

遅まきながら、ザールブルグ初登場です。
ここでは、ストーリーを進めると同時に、平和なザールブルグの日常を描き、揺れるフィンデン王国との対比を際立たせようと画策しています。
アインツェルカンプ三人衆のふたり目、エンデルク隊長も悪夢を見ます。メルと異なり、少年時代を過ごしたマッセンハイムの家並みが記憶の彼方からよみがえるわけですね。
実は、敵役の精霊騎士三兄弟にそれぞれ属性を与えようと思いついたのは、これを書いている途中でした。メルの夢では街は火に燃やし尽くされていましたが、少し変化をつけようとしてここでは雷撃にやられることにしました。じゃあ、せっかくだからもうひとつ氷を持ってきて、ファイア・サンダー・ブリザド(FFですか)の3点セットにしようと決めたわけです。
話も後半にいたった時点で、これじゃ「サクラ大戦」の黄昏の三騎士と一緒じゃん!と気付いた時には遅かった(汗)。
そして、エンデルク氏は予定通り(笑)失踪します。その結果として、同じく予定通りダグラスが隊長代行に就任することになります。
今回、嬉しかったのは、再び秘密情報部長官ゲマイナー卿の活躍が描けるということでした。やっぱり非常時にこそ彼の深謀遠慮が冴えわたるわけで。ラストで猛然としたためているのは、第23章で明らかになるドムハイト国王宛の親書の下書きですね。


☆第6章 只今お取り込み中!☆

第5章で平和なザールブルグを描きましたので、こちらでは負けじと平和なカロッテ村を描きました(前半だけですが)。のんびりしたヴィオラーデンの店内風景こそ、ゲーム中でも平和の象徴のように感じられたものです。そんなヴィオラーデンの日常風景を、メラニーおばさんやクリエムヒルトさん、クラーラさんを通じて描きたかったわけで。
でも、今回はいよいよ旅立ちのきっかけとなる事実が明らかになるわけで、前半のターニングポイントとなる重要な章でもありました。そしてアインツェルカンプ三人衆の3人目、カタリーナさんが満を持して登場します。やっぱり主役は後からでなくちゃ(主役だったんですか)。カタリーナさんはエンデルク氏と違ってマッセンハイムを旅立ってから間もないので、夢の風景が自分の故郷の街だとすぐにわかったわけですね。
ロードフリードとブリギットは、もう少し活躍させる余地もあったような気がしますが、そこまで手が回りませんでした。ハーフェンへ向かう二人旅の道中とかね。いやたぶん何もなかったでしょうけど(笑)。
でも、カタリーナさんの夢の話だけではカロッテ村の面々にとっては他人事。アイゼル様が送った手紙への返信もない段階で、すぐに冒険に旅立つ必然性はありません。そこで、もう一押しということで、ヴィオの両親からの手紙が届くわけです。このくだりを読んだある方から「そう来ましたか〜!!」というナイスなリアクションをいただきました。自分でも会心の展開だったと思います。


☆第7章 深き森の隠れ里☆

前半のメインストーリーのひとつ、クラマリ珍道中カナーラント紀行の始まりです。
あまり意識していなかったのですが、このクラマリ編で結果的にカナーラントのすべての街や村を紹介することができました。
それにしても、この章でクライスはけっこういいシチュエーションに置かれているような(笑)。でもそのチャンスを生かしきれないのがクライスらしいと言えるかも知れません。
ゲームの中で、ヴィオが初めてハーフェンへ着いた時に、ローラントさんに爆弾魔呼ばわりされて捕まってしまうイベントがあるわけですが、その時のローラントさんのセリフから、この章のエピソードは生まれました。実際にゲームの中で言及されているへそ出し爆弾魔が誰なのかは明確にされていませんが。


☆第8章 明日の風をつかむため☆

メインパーティの旅立ちです。
見せ場はヴィオとバルテルの兄妹仁義(笑)と、御大登場のシーンでしょうか。ふふふふ(やめなさい)。
今回も後半へ向けて伏線をせっせと張っております。ラステルの“お守り”とかカタリーナの木彫りの人形とか。災難なアデルベルトは、まったく書く予定はなかったのに、気がつくと足が筆が滑っていました(笑)。
あと、本編の中で何度もしつこく繰り返されるギャグがスタートしています。パウルの“変な妖精”編とアイゼル様の“太った?”編。舞台がフィンデン王国に移るにつれてシリアス度が増しますので、あまりシリアスになり過ぎないように、こういう連鎖イベント(?)を設定したわけです。


☆第9章 はちの巣と謎☆

クラマリ珍道中ホーニヒドルフ編(笑)。
用心深く慎重なクライスと、根っから楽天的で細かいことを気にしないマルローネを対比させて書き(いつものことですが)、第20章のヘルミーナ先生のセリフにつなげています。
あと、後半に出てくるマルローネの新型爆弾の伏線にホーニヒドルフの大バチの巣のイベントを使い、それをもっともらしくするためにクライスに変装させ、変装の材料を入手させるために爆弾を破裂させ、爆弾を使う理由を作るためにクマを出現させ――というふうに、発想の順番と描写の順番が正反対に並んでいます。ここまではっきりするのは珍しいですね。
最初、ザールブルグ周辺にはクマはいない、と断定して書いたのですが、マリーのクマさんのミニゲームを思い出し、アップ寸前にあわてて書き換えたりしました。


☆第10章 妖精とワルツは森の中☆

メインパーティに新たなリーダーが合流し、本格的に謎解きに動き出す章です。
ここでも後半に向けて、ヘルミーナさんにいろいろと意味深な発言をさせています。あくまで小出しで(笑)。『空飛ぶじゅうたん』にもうひとり誰かが乗っていたらしいこととか、カタリーナが見た夢に関してコメントを残すところとか、後から考えればエンデルクが同乗していたことが推測できるわけですが。
後半、シュルツェ一家の若い衆と出会う場面は、構想段階の最初から浮かんでいたものです。早く書きたくて仕方がなかったというか・・・。
最後に出てくる人物確認のための質問は、実は書きながらリアルタイムで思いついたものです。こういうふうに途中でいいアイディアが浮かぶのは、快調に書き進められている証拠です。


☆第11章 1000人分の首斬ります☆

クラマリ珍道中ハーフェン編(その1)です。
前半のクライマックス(エイスとの対決)に向けて、じわじわとサスペンスを盛り上げていく章ですね。構想段階ではダスティンさんの出番がないのではないかと不安に思っていたのですが、うまい具合に自然に出演させることができました。
この章でのポイントは、個人的にはストーリーと関係ないローラントさんの爆弾発言でしょう(笑)。「お前たちは夫婦なのか?」って、部外者でなければ口にできないセリフですよね。
もともとは、ハーフェンに着いたロードフリードとブリギットが竜騎士隊本部へ訴えに行ってけんもほろろな対応を受け、落ち込むロードフリードを慰めるブリギットという場面を書くつもりだったのですが、前半のクラマリ談義が長くなったので省略することに(汗)。


☆第12章 その果てにあるものは☆

メインパーティがようやく街にたどり着き、情報収集やらHP回復やらを行って陣容を立て直す章です。
フィンデン王国の動乱というアイディアを得た時、ありそうなこととしてすぐに浮かんだのは、シュルツェ一家によるレジスタンス活動でした。クリスタなら絶対にやる!――ヴィオでリーゼロッテが言っていたこと(「アルテノルトは姉御が締めています〜」)から考えても、こうなるのは必然でした。
アルテノルトで会えるキャラも大集合です。それと、ボーラー・ジュニアを出したのはひとつ事情がありました。ボーラー自身は「ユーディー」キャラの中でポストさんに続く年長者で、この時代には還暦に近いため、たぶん出番はないだろうと思っていたのです。だから、その代わりに息子をチョイ役で出そうと思ったわけで。つまり、最初は第22章でボーラーさんを出すつもりはなかったということなのですね(笑)。
オヴァールが連絡用に渡す転送箱も、書いている最中に思いついたアイディアです。
ともあれ、メインパーティは分割され、それぞれに旅立つことになります。


☆第13章 目を覚まサンバ☆

クラマリ珍道中ハーフェン編(その2)。前半のクライマックスのひとつです。
精霊騎士の一番手、氷のエイスが姿を現します。ゲームではほとんど使わなかった罪滅ぼしに、竜騎士コンビのドラグーン・ノヴァ炸裂。いや、ロードフリードとローラントさんを一緒に雇うことって、めったに無いもので(汗)。
もともとのストーリーでは、ラストで魔界の気配に気付いたマルローネさんが、がたがた震えてクライスにしがみつくという場面があったのですが、そういう態度は“爆弾娘”らしくないな、と変更しました(笑)。
こうして、ひとつの手がかりが得られたわけですが、メインパーティはまだそのことを知りません。


☆第14章 暗闇を小走りで☆

分割されたメインパーティの一方が、精霊騎士の二番手、炎のフレイム(←こういうふうに書くと、FF4の中ボス四天王に似てますな)と対決します。
突然、パメラの一人称で始まったので、びっくりした方も多いでしょう。自分でもびっくりしました。どんなふうに書き始めようか思い悩んでいた時、いきなりパメラが乗り移ったとしか思えません(笑)。でも、単調になりがちな文章リズムを変えるのには有効だったかも。
で、パメラは最初から今回だけの特別ゲストのつもりでした。彼女には能力がありすぎて、使いようによっては何でもできちゃうので、今後の冒険がつまらなくなってしまうのですね。だから、不本意ながら解雇したわけです。もう少しアイゼル様にまとわりつかせたかったですけど。
とにかく、クラマリパーティと同様、異変の根っこが魔界にあるらしいことが判明し、本格的な調査に乗り出すきっかけができたことになります。
それにしても、読み返して気付きましたが、ヘル美さん、このあたりから、なんかしゃべり方がべらんめぇ調になってきてませんか? ま、いいか。


☆第15章 夕焼け雲と草原と☆

第3章以来のメル姉さまの登場です。長かった〜、早く出したくてうずうずしてました(笑)。
この章は、もともと考えていたシノプシスからかなり変更がありました。
まず、ヴィオパーティとメルの出会うシーンですが、もともとはリサに攻め込んできた騎士隊を相手にメルひとりが立ち回りを演じているところにカタリーナさんが助太刀に入ることになっていました。でも、書き始めたら、なぜか勝手に子供たちが出てきて村を出て行ってしまって(汗)。本来なら、ここでメルのアインツェルカンプが一発出て、カタリーナさんが「教えてくれ」と頼み込む流れだったんですけど。
そして、第3章の子守唄の伏線が生かされたのは予定通り。
大きな変更点はもうひとつあります。当初のストーリーでは、メルはこの時は悩みながらも村に残ることになっていたんです。で、第17章でカタリーナとヴィオがピンチの時に飛び込んでくるはずだったのです(「どうやら間に合ったようね」というお約束の決めセリフも用意されていました)。でも、素振りしている間に勝手に決断しちゃいました(笑)。
キャラが勝手に動き出した時は、その流れに乗って行った方がいい結果が出ることが多いです。
それから、他の章でも言えることですが、最後の1行が誰かのちょっと気の利いた発言で終わることが多いんですね。これはファンタジー作家D・エディングズが多用しているテクニックです。余韻を残して次章への期待をつなぐのに適していますよ。


☆第16章 お陽さまと散歩に行こう!☆

しばらく緊迫した展開が続いていましたので、息抜きの章です。次の章も怒涛の展開ですから、メリハリをつけるという意味もありまして。
妖精宅配便(笑)パウルがいよいよ本領を発揮します。というか、もともとパウルを出演させたのは、ただただザールブルグへの伝令役を務めさせるためでした(おいっ)。
・・・いえ、そんなことはありません。(←ピコりんに脅されたらしい)
歴代主人公を出そうと決めた時、サライとアニスも意識していました。時期的には、サライは卒業後でアニスはザールブルグへ来る前と思いましたので、このようにたまたまやって来て、事件の一端に遭遇するという展開にしました。サイードは付録(笑)。
そして、この章最大のヒットは、パウルが口にした“ドングリさん”でしょう。これも、書いている途中でふっと浮かんだんですよね。まさに出会い頭のホームランでした。


☆第17章 打倒!極悪同盟☆

いよいよ中盤最大の山場です。ラストダンジョン直前まで行って、引き下がらなければならないメインパーティ。お約束といえばお約束の展開ですが。
クライマックスに向けて、いろいろと伏線を張りまくっています。真の“マッセンの騎士”の鑑定人であるプレスト老人をもっともらしく出演させておかなければなりませんし、第5章以来、行方不明のあの人がちらっとだけ出ています。プレストさんの発言がいつも尻切れとんぼに終わるのは、いささかあざとい引きですが、これもまあお約束ということでご勘弁ください。
あと、前半でメルが「ボッカム山が再び噴火すれば・・・」と言うセリフは、実は第22章のラストを暗示しています。
この章を書き始める直前まで、ここでE氏を出すことはあまり考えていませんでした。第25章で出すことは決まっていましたので、それでいいやと思っていました。でも書き進めるうちに、出すのが妥当な展開になって来たので、ちらっとだけ(笑)。結果的には大成功でした。
ともかく、これで精霊騎士三兄弟は全員登場、それぞれ見せ場を作って、後半になだれ込んでいくことになります。


☆第18章 あたしたちの日常☆

手抜き・・・もとい、息抜きの章その2です(笑)。
もともとは、クラマリ珍道中カロッテ編として考えていた章でした。でも、前の章を書いているうちに、このままではルイーゼさんの出番がないことに気がついて、急遽、前半のエピソードを追加しました。さらに、ルイーゼさんの出番を作ったのだからと、ついでに(ひどいな)もともと無視する予定だったカスターニェのメンバーも出すことにしました。一応、第23章へのつなぎにもなっています。
そのあおりをくって、カロッテ村でのクラマリエピソードが短縮されてしまいました。最初のシノプシスを読み返してみると、マリーとクラーラさんの手料理対決(被害者はバルテル)とか、クラーラさんのはたき乱舞とか、面白そうなネタがいろいろ載っています。もしかしたら、そのうち外伝を書くかも〜。


☆第19章 歪曲空間へようこそ!☆

これも、最初の構想段階から出来上がっていた謎解きの章です。謎解きをしてくれるのがキリーさんというのは「リリーの同窓会」と一緒じゃないかというツッコミはしないでください(汗)。
精霊騎士三兄弟は、実はまったく別の名前を考えていました。最初はファーレンの血縁者という設定にしていたもので、名前も似通ったのを考えていたのですが。でも、雷、炎、氷の各属性を与えることに決めた段階で安易なネーミングに走ってしまいました。まあ、あまりものを考えない精霊なので、凝ったネーミングはしないだろうと(笑)。
ここで、ラスボスの正体は明らかになったわけですが、新たな問題は敵の弱点がわからないということですね。いや、よく考えれば見えてくるはずなのですが、読者の思考がそっちへ行かないようにコントロールしています(しているつもりです)。
この段階で、「ひとところに集めて一緒にやっつけちゃえばいいじゃない」と思った人・・・やな人ですね(笑)。


☆第20章 大地、はるか☆

前半は、クラマリ珍道中ファスビンダー編(笑)。
実は、ユーディーを連れに過去へ行くという今後の話の展開上、どこかでラステルをフィンデン王国に戻さないといけないという課題があったのです。そうでないと、第8章で張った伏線が無意味になってしまいますし。ということで、この章で一応解決〜。
本題は後の部分です。クライマックスへ向けて、“六芒星封魔陣”探索の旅が始まります。古文書から手がかりを得るのも、究極の魔法を求めて旅立つのも、お約束ですが。
そして、ようやく別働隊が本拠地へ到着し、新たにパーティを組んでダンジョン探索に赴くことになるわけです。


☆第21章 貴方らしく私らしく☆

第19章に続き、構想当初から予定されていた章です。
明らかになったグラムナートの事態を受けて、熱血一直線のダグラス、冷静沈着なウルリッヒ、タヌキ親父のゲマイナーさんが、それぞれ持ち味を出し切ります。早く書きたくて待ち遠しかった場面でした。3人の勢いに押されて、イングリドさんの出番が極端に少なくなっています。もっとしゃべらせるつもりだったんですけど。
ゲマイナーさんの愛妻弁当ネタとか、ノルディスの臆面もない告白とか、その場の思いつきで盛り込んだシーンもいくつか(笑)。
ウルリッヒさんとゲマイナーさんの会話の端々に、ちょこちょこと伏線が潜んでいます。


☆第22章 伝承詩「坑道連歌」☆

クラマリ珍道中最終章・・・というわけではなく、新規編成されたパーティの本格的ダンジョン探索行です。とにかく「クラマリヴィオが『ボッカム風穴』で魔法書を見つけ、うっかりしてボッカム山を噴火させてしまう」としかストーリーを作っていなかったので、具体的なところはすべてその場で行き当たりばったりに書きました(汗)。
脱出用に例のじゅうたんを使うのは、第2章を書いた時から予定していましたが。
でも、前後にボーラーさんのエピソードを持って来たことで、構成としてももっともうまくいった章ではないかと思っています。
しかし、クライスはここまで追いつめられないと言おうとしないかね(笑)。


☆第23章 魔法のお城の舞踏会☆

クライマックスへ怒涛の展開となる前に、ちょっと息抜きの章。
本筋から見れば、あってもなくてもどうでもいい(おいっ)内容だったかも知れません。言ってみれば、「リリー」世代のメンバーを出演させるための章ですね。「リリーの同窓会」に続いて、シスカさんの相変わらずの凄腕外交官っぷりを書きたかったですし。
書いていて楽しかったのが、リューネさんでした。WSC版の「ふたりのアトリエ」でのイメージしかなかったのですが、すごくかわいらしくて聡明な女性に仕上がってしまいました。好みだ・・・(こら)。またいつか、書いてみたい素材です。


☆第24章 夢見る君への招待状☆

今回も、メインは全体会議です。なんとなく会議のシーンが多くて、書きながら気になっていたのですが、まあ仕方ないか(笑)。
クライマックスへ向けてのさりげない謎解きが、会議が進むにつれ小出しにされていきます。この辺のさじ加減がけっこう難しくて、種明かしが過ぎると面白くなくなりますし、不足していてもネタが明かされた時に「何よそれ、唐突に?」と言われてしまいますので。うまくいっていましたでしょうか? 箱を開けるのに合言葉が必要だという展開は、その場になって初めて思いついて付け加えたものです。元から考えていたら、以前の章でさりげなく触れていたでしょう。だいたい、秘法を“六芒星”にするか“五芒星”にするかも途中まで決まっていなかったんですから(汗)。
最初は“木火土金水”(陰陽五行術ですな)で“五芒星封魔陣”にしようと考えていて、それに“時”を加えて“六芒星封魔陣”にしようかと変更し、ザールブルグ錬金術の六つの属性と結びつけたのは最終段階でした。いい加減だなあ(笑)。


☆第25章 大切な人のために☆

いよいよシグザールの援軍、本隊が出発します。
ここまで出番がなかったザールブルグの冒険者たちをまとめて出演させてしまうことをもくろんだ章でもあります。中でもルー兄は、予想以上に気合い入ってしまいました。「じんと来ました」という感想もいただき、嬉しかったです。
ストーリーの流れの中で苦労したのは、どうやってイングリドさんやエリーをグラムナートへ行かせないようにするかでした(笑)。そうでないと、錬金術士が余ってしまい、“六芒星封魔陣”を発動するために苦労することもなくなってしまいますから。で、考え付いたのは、ダグラスらを魔界を通じて送り込むために、シグザール側に残っていなければならないという事情でした。説得力あったかなあ。
もうひとつ、当初の予定では武器屋の親父もグラムナート遠征メンバーに入っていました。育毛剤を求めてヴィオラーデンで一騒ぎ起こす予定だったのですが、収拾がつかなくなりそうなので自粛してもらいました。最終決戦の時はヘル美さんとコンビを組ませるつもりだったんですけどね。
後半のエンデルク氏の登場シーンは、予定通りです。月光仮面風味に書いてしまったのは、ものの弾み(笑)。一人称で書こうかという気持ちもありましたが、難しいので断念しました。


☆第26章 伝説の鳥を求めて☆

本格的に錬金術が描かれた章です。やっとかい(笑)。
ところで、ここで書いているのはザールブルグ錬金術をベースに独自の解釈を加えたもので、中世ヨーロッパで実践されていた錬金術とは別物です。そこのところは誤解なきようお願いしますね。
物語中、事実関係の検証や考証にいちばん労力を費やした章です。『竜の砂時計』を調合にかかる時間とか、5人の魔力の比較とか。それだけに、かなりコクのある内容に仕上がったような気もしています。
でも、“六芒星”の意味になぜもっと早く気付かなかったんだ、とか、“六芒星封魔陣”の完成を確認してから精霊騎士を罠にかければよかったのに、とかいうツッコミはしないでください(汗)。
ラストでヘル美さんとアイゼル様がつぶやくシーンは、やはり構想の初期段階から浮かんでいたシーンで、実は物語中もっとも気に入っている場面だったりします。


☆第27章 はるかな刻の彼方でも☆

パーティは究極の魔法を手に入れ、今度はそれを発動させるための人物を探して会いに行く・・・。こう書いてくると、ストーリーはRPGの王道を歩んでますね(照)。
ここまで来ると、後は勢いに乗って書き進んでいくだけなので、かなり楽です。ユーディーの時代へたどり着くための材料に説得力があったかどうか、いまひとつ不安ですが・・・。
いろいろと伏線を張っておいたマルローネさんの爆弾も無事に炸裂しましたし。ここで書いていて気付いたのですが、ミューとナタリエって、ボケツッコミのコンビとしてなかなか使えます(笑)。
あと、ラストで魔法書の記述が加えられているというシーンは、かなり後になってストーリーに追加したものです。タイムパラドックスをなんとか説明しようとしたのですが、うまくいったでしょうか?


☆第28章 風のフォルトーネ☆

この章の前半は、1年半ぶりに日の目を見たストーリーなのです。
実は、2002年7月、まだ「ユーディー」を1回クリアしただけで、第2のエンディングがあることを知らなかった頃に考え付いた物語がこれ。なんとなく、過去へ戻ってしまうという結末が納得できなくて、ユーディーの気持ちに思いをはせてみたものなのですが。でも、居残りエンディングを体験したら、書かないでもいいかなという気分になって、頭の中の引き出しに放り込んでおいたものです。で、今回引っ張り出してみたところ、それなりに使える話だと気付いて、採用しました。
クライマックス直前にひと息入れる意味で、ちょっとテンポを緩めてみたわけですが・・・。また一人称を使っちゃったし。


☆第29章 叶えられた願い☆

ついにクライマックスに突入です。
この章は、シノプシスの段階ではかなり大雑把にしか内容を決めていなかったため、細かな部分でけっこう苦労しました(汗)。当初から具体的に考えていたのはプレストさんの号泣シーンのみ(笑)。
ヴィオの両親をちゃんと保護するためにどうするかとか、誰がどの属性の砂時計を持つかとか、かなり行き当たりばったりで書いてます(おいっ)。結果、ルー兄がいい役をさらっていますね(ダグとアイゼル様もそれなりに)。あ、もちろんエンデルク様も。


☆第30章 勝利者のための協奏曲☆

うわ〜、書き足りねえ!(汗)
う〜む、かなりはしょってしまったのが、見え見えですね〜。
ヴィオは両親と感動の対面をすると思いきや、父親も母親も事態の重大さにまったく気付いておらず大ボケをかますというシーンを考えていたのですが、なんとなくそぐわなくなって省略。
最終決戦のコンビ分けも苦労しました。すんなり決まったのはヴィオ&ダグラスだけで、当時のアイディアメモを見ると、何度も書いたり消したりした跡があって苦心がしのばれます(笑)。没になったコンビのシーンをいくつか挙げると、
ルーウェン「よう、ノルディスじゃなくて、悪いな」
アイゼル「な、何を言っているの?(赤面)」
とか、
ボーラー・ジュニア「親父から、あんたのことはよく聞いている。親父には負けない。必ずあんたを守ってやる! うおおおおおーっ!!」
ユーディット「あ、よろしく・・・あはは(親子揃って熱血ね)」
とか。
最大のヒットはクライスに対するミューの爆弾発言ですな(笑)。ある方からいただいた「これでもし作戦が失敗したらミューのせいですね」というお言葉に爆笑させていただきました。
ここでようやく、プロローグからせっせと張り巡らしてきた伏線が日の目を見るという展開になったわけですが、成功していたでしょうか。
あと、精霊騎士三兄弟とアインツェルカンプ三人衆の関係ですが、敵が3人だから剣士を3人揃えたわけではないですよ。アインツェルカンプ三重奏をクライマックスに持って来ようと思ったから、敵をキングギドラ(違)にしたんです。


☆エピローグ 競り落とせ!☆

後始末に、けっこう苦労してます。オークションのシーンだけを書こうと思っていましたが、書いておかないとけりがつかないことがいろいろあって(笑)。
強引に連れて来てしまったユーディーを、ラステルとの修羅場抜きにどうやって過去へ帰そうかとか、シグザールの面々が速やかに帰る手段をどうするかとか。
で、本題。ラストをオークションにしようというのは最初からの予定でした。でも実は内容は大幅変更。もともとは、ヴィオを心配してマッセンハイムまで追いかけてきたバルテル(当然、最終決戦にも参加するはずでした)が、オークションで高値がつくに違いないと“竜の心臓”をこっそり持ち帰ってしまい、バレてヴィオにしばき倒されるというオチでした。
でも、やっぱりメインテーマが「カタリーナが“マッセンの騎士”に会う話」ですから、それに沿ったラストにしようと、本編のようにしました。
オークションの開始を待つ人たちのひとことシリーズ(笑)で、パメラ以外のフィンデン王国の住人(アレクサンドラさん、エーリヒくん、リーゼロッテ、マクシミリアンさん)が参加していませんが、それは国の復興に忙しくて来られないという事情があるからです。決して作者が忘れていたとかめんどくさかったからとかいうことではありません(汗)。


そんなこんなで、「あとがき」も終了です。
長らくのお付き合い、誠にありがとうございました〜。
それにしても、よく書いたなあ(笑)。
次は15万アクセスの時ですか? まあ、ネタがあったらですね。
ではまた〜。


戻る