Crusaders with NILS FUNK UNIT |
さてさて今回の映像は、BS JAPANで放送された「2008年7月15日火曜開催のMontreux Jazz Festival」
からのクルセイダーズ部分の抜粋。
テレビのアナウンス曰く
「ジャズフュージョン界きっての人気グループ、クルセイダーズと
ジャズファンクグループのニルスラングレンファンクユニットとの共演をご覧下さい」。
収録は「Ballad for Joe」と「Sweet n'Sour」の二曲、それを繋ぐRay Parker Jr.のギターソロ。
まずは静かに始まる「Ballad for Joe」。このカラダに染み入ってくるサウンドの速度と濃度。
吟醸酒のように酔わせるバラッドがたまりません。
ジョーさんは、あの激闘のボクシングに何故これほどまでリリカルなサウンドを綴ったのでしょう。
抑制したサックスとトロンボーンの哀歌とクリスタルなエレピタッチ。その「熱」と「透明度」、「雄渾」と「氷の微笑」
が渾然として一体化する絶妙さ。
確かにジョーさんは、ボクサーのはれ上がった顔面から流れる鮮血の一滴にダイヤモンドの
輝きを見る侠客の御仁にちがいありません。
サウンドがフェイドアウトして始まるRay Parker Jr. のソロ。これがまたカッコ良い。
座頭市の居あい抜きのスタイルにも似た斜に構えたギター奏法。初めてギターが刃に見えました。
Nils Landgrenが白いジャケットを羽織って「Sweet n'Sour」の始まり始まり。
まぁ、クルセイダーズにニルスファンク楽団が加わった大所帯での迫力の演奏。
けんか屋Nils Landgrenが顔を紅潮させて吹奏する、気合の入った独特なファンキータッチのトロンボーン。
Wilton Felderは威風堂々の貫禄のソロテナー。
このNils LandgrenとWilton Felderの、まさに闘魂の「表情」のドアップ映像が、今回のライブの空気を全て物語っているといっても
過言ではないでしょう。
ラストは木管ホーン揃い組みでのクルセイダーズ大円団。
このサウンドの波動、この荒削りな男唄、この無骨さ、
この汗臭さ、このソールアンドボディーの燃焼の流儀が、
つまりは大好きなクルセイダーズの侠の魅力なのです。クルセイダーズ健在なり!
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