以前、居酒屋で不惑こえたベーシストさんから教えていただいたベース奏者のキャロル姉さん、そのサイトを 見て、男性顔負けの堂々とした文字通り女傑のベースの弾きっぷりに脱帽した覚えがあります。おそらく お酒を嗜まれたら酒豪番付にも名を連ねるだろうと邪推したくなるほど馬力を感じました。
先頃ヤフオクでJoe Sampleの商品欄にそのキャロル姉さんのアルバム「the first lady on bass」を見つけ、 その時の記憶がよみがえり入札しましたが残念ながら落札できず。このことを何気なく居酒屋クルセイダーズ で泥水飲込さんと話したのですが、その時カウンターで杯を傾けておられたGパパさんが偶然耳にされた らしく、最早廃盤になって今や入手しがたいこのアルバムを、何と後日Gパパさんよりお譲り頂いたのです。 もうそれは感謝感激でした。まさに当サイトは、お客様のご尽力で成り立っているのだという感謝の念を 改めて強く実感しました次第です！Gパパさん、本当にありがとうございました。
この「the first lady in bass」は、そのタイトルが示しているようにベースの女王の八面六臂の 活躍ぶりを収録したもので、スタジオセッションあり、ライブあり、映画音楽あり、テレビ主題曲ありの ちょっとごった煮の印象を受けますが、それがまたこのキャロル姉さんの海のように広い守備範囲と包容力の大きさを物語って います。いうなれば「ベースの女王キャロル読本」の趣向で、格好の入門書となっています。
アルバム幕開け、冒頭の重低音のベースに乗って、「引き金を引いてから一分とたっていない。 窓拭器（ワイパー）を動かしているにも関わらず、なお曇る前窓の ガラス越しに黒いアスファルトの道路が捨てられたタイプ・ライターのリボンのようにうねり、ヘッド・ライトに切断 された雨が、まばゆい光の筋の中を小さな無数の銀の矢となって踊った。」なんて、ご存知『野獣死すべし』 の一節を朗読したくなるほど相性の良い曲 「MOKE AND POKE SYOMP」が平常心に揺さぶりをかけてきます。 静・動・静の畳掛けのハードボイルドタッチがもうたまりません。唸るほどの格好よさ。この曲を皮切りにキャロル姉さんの 迫力満点のベースが怒涛のごとく黒いアスファルト道路を疾駆するのですが、 「MOKE AND POKE SYOMP」一曲ですでに恍惚感に浸れ大満足。
さぁブーツを履いて聴けば、 脇を固めて傅いているのがJoe SampleやJoe Passですから、キャロル姉さんと一緒に、殿方も奥方も女王様気分になれるかもしれませんよ。