「やっぱりそうだった!」という言葉が口を突いて出ました。
泥水飲込さんよりいただいたDavid T.Walkarの若かりし日のアルバム「PLUM HAPPY」を聴くそばから
直覚したのがほかならぬ日活ニューアクションだったのです。
で、手元の「ぴあCinema Club」やら
「1946-1999売れたものアルバム」や映画ビデオを検証確認して出てきた言葉が冒頭の言葉。
「Doo Doo」に始まり「Come Together」を織り込みながら奏でられる時代色濃厚な怒涛のファンキー
メドレーを聴けば、この間の消息がきっと分かるでしょう。もうこれは当時の日活ニューアクションそのもの
なのです。
日活ニューアクション路線の最盛期に飛び出してきた「やくざ映画」の傑作群。渡兄貴が水を得た魚のように
暴れまくる「大幹部・ケリをつけろ」など無頼シリーズ。舛田利雄監督が、小沢啓一監督が魂の鑿で削り上げた当時の
渡哲也の顔。男が最も本能をさらけ出した表情のシワの一筋一筋に激情が、熱情が迸ります。
郷えい治が、岡崎二郎が、藤竜也が鉄砲玉となって討ち死にする。小林旭が宍戸錠が男気満載にドスを振るう。
悪の権化のように立ちふさがる青木義郎。
何と言いますか、David T.Walkerの奏でる弦の一音一音が、その振動が、
スクリーンを闊歩する男たちを鼓舞するような・・・ビビッドに男気がハートに伝わってくるのです。
1970年、万国博が開催され、
日航機よど号を赤軍派がハイジャックし、「ドリフのズンドコ節」や「圭子の夢は夜ひらく」がヒットし、
マクドナルドの一号店が銀座に開店し、三島由紀夫氏が自衛隊駐屯地で割腹自決し、
渥美清主演の「男はつらいよ」が始まり・・・そう、
そんな時代のはざ間に、「PlUM HAPPY」がタンポポのように、決して誇張することもなく一輪花開いた感が
あります。 「Lay Lady Lay」を聴けば、その円やかな情の綴れ織の奏法が、明らかにひげのファンキーおじさんのものと
分かります。あの頃から、やっぱり男気の人だったのですネ。
|