当サイトで井上陽水さんのアルバムを取り上げることなど思ってもみませんでした。
実際入れ込んで多くのアルバムを聴きこんだこともないのに、そのアルバムを紹介する
なんて、熱狂的な陽水ファンから叱られそうですが。
アルバム『二色の独楽』にDavid.T.WalkerやJoe SampleやWilton Felderが関わっていたことは
当サイト推奨David.T.Walkerサイトのウエヤマさんの解説で夙に知ってはいましたが、購入して
聴くまでには至りませんでした。大好きなWilton FelderがBassのほかにもSaxで共演していれば
すぐにも手に入れたのでしょうが。ことほどさように我儘なリスナーでありまして。
それでも、今回、たまたま居酒屋クルセイダーズで不惑越えたベーシストさんがこのアルバムに触れられ
ていたのを機に衝動的に購入してしまいました。
さてこのアルバム全体から感じる印象は、井上陽水さんの歌詞と歌唱に一種エロティックなまでの粘着力があり
、何とも危険な罠と淫蕩な魅力に満ちているってこと。
まるで陽水サウンドが、蝿取り紙のように、五月蝿い身辺の騒音やわだかまりやストレスや焦燥を
捕獲し、強力な粘着力で無力化し、聴いているわが身は文字通り羊水に眠るわがままな胎児の心地。
確かに「傘がない」のイントロや「野イチゴ」には、お馴染みDavid.T.Walkerの侠のスダレ節を
垣間見ますが、「闘魂」を語るには脇道に逸れそうで、このアルバム、やはり陽水ファンが語るのが筋のようです。
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