David.T.Walkerについては、
ウエヤマさんの素晴らしいサイトの解説に頼るばかりで、ソロアルバムを
満足に聴いたためしはありませんでした。
このたび、居酒屋常連の
泥水飲込さんから頂いたソロアルバム「DREAM CATCHER」を聴くに及び、遅まきながら
改めてこのファンキーおじさんのギターに感服し、これまで身を入れて聴かなかった不覚に
大いに恥じ入りました。泥水さん、ありがとうございました。そしてこれまた縁でしょうか、
ウエヤマさんのサイトで久々に名盤の再リリースの朗報を知ったのでした。
David.T.Walkerを初めて知ったのは、クルセイダーズのビデオ「東京スーパージャム'84」。
確かにこれはクルセイダーズのライブでしたが、鑑賞後も気になる存在として印象に残ったのがDavid.T.Walkerだったのです。
それは強烈な印象というよりは、あえて言えば「癖になりそうな」、淡い味わいでした。
もとより当方、音楽の専門知識はありませんし、演奏技術を把握できるような技量の持ち合わせは皆無。
素晴らしい対象に接近していく唯一の手立ては、触覚とか嗅覚とか体感とかいった甚だ動物的な愛着のアンテナ、
いわゆる「相性が合う」ってやつで、これが偏愛の銃爪。
由利徹や原田芳雄や松田優作や上田吉次郎や小池朝雄や青木義郎・・・etc.の役者陣に否応なく惹かれるように、
David.T.Walkerの場合も、そのギタリストとしての全存在にビビッドに情動が反応したのでした。あのソロ演奏が終了した
際にDavid.T.Walkerが見せる、それこそお嬢さんのような含羞を湛えた表情がたまらなく良いのです。何とも素敵なひげの
ファンキーおじさんではありませんか。
今回のアルバム、
「DREAM CATCHER」でのトロンボーンとの絶妙のハーモニー
で見せる夜の褥の寝物語のようなギターの息遣いといい、「RADIUS」のいなせな男振りといい、
「STORYTELLERS」の文字通りの語りべぶりといい、独特のリリックな旋律で織り成した綴れ織は
秋の夜長に「男の色気」を回春させてくれるほど艶冶な肌ざわりを感じました。
蛇足ですが、早速再リリース盤を注文しようと逸りました。
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