居酒屋クルセイダーズご来店のAndyさんに教えていただいたSteve BaxterのCDアルバム「In and Out」を、
そもそも購入するきっかけになったのは、試聴サイトで断片的に聴いてたちまち惚れてしまった
アルバム収録曲の「This one's for U」を、じっくり聴きたいと
思ったからに他なりません。
息遣いも分かるほど訥々とトロンボーンで物語られるバラッドには作者の万感の想いが込められているようで
じんわりと熱くなります。
Andyさんの情報によると、この作品、Steve Baxterがhis Motherへ捧げた曲だとか。
そのことを知って目頭が熱くなりました。心のこもったサウンドの贈り物は何ものにも代えがたい至上の愛の
プレゼントとしてマザーの胸を打ったに違いありません。
ところで短編小説集にも言えますが、
アルバム収中、好きな作品に3品も出会えれば僥倖で、優に5曲を超える「In and Out」には満悦です。
突如ハープの弦の轟きに乗って
真昼の摩天楼の只中に飛び出すような軽快なテンポの「My Groove」、ファンキースピリット満載の「Long Distance」、自然と身体が動き出すノリの良い、それでいて
ちょっぴり切ない「Pain」などゴキゲンなナンバーの連発。青空が見えます。
タイトル曲にはトロンボーンに瑞々しいまでの照りがあり、
「Sunrise in Houston」、「Sliding By」は、トロンボーンとサックスとの文字通り
絶妙なユニゾンが満ち潮の波紋をなして
ハートに押し寄せてきます。ここでも本流を成すのはクルセイダーズ直系の闘魂流。
ひょっとしたらこのアルバム、Steve Baxter版ファンキー「ウェスト・サイド物語」では
と勝手に想像したくなるほどで、
Steve Baxterの躍動的なホーンが、向日性の熱いスピリットでこの青春物語を真直ぐ貫いています。
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