SFミステリ作品リスト


はじめに

 ミステリもSFも好んで読んでいる私は、当然ながら両者の要素を併せ持ったSFミステリも大好きです。以前からこのSFミステリについて何か書こうと思っていたのですが、ちょうど嵐山薫さん「嵐の館」)を中心にSFミステリのリストアップが行われているので(2002年7月10日〜24日あたりの日記を参照)、私も自分なりのリスト(及び分類)を作成してみようと思います。

分類

 E.D.ホック『コンピューター検察局』(ハヤカワ文庫HM)の末尾に付された「“SFミステリ”小論」などで、風見潤は“SFミステリ”の分類を行っています。すなわち、ミステリが主でSFが従のSF風ミステリ、逆にSFが主でミステリが従のミステリ風SF、そして両者がほぼ均等の比重で組み合わされている(狭義の)SFミステリの三つです。しかし、「ミステリが主でSFが従」・「SFが主でミステリが従」・「ほぼ均等の比重」といった表現が具体的に何を意味するのか、ややわかりにくいように感じられます。なぜかといえば、「主」・「従」・「均等」などは量的な基準であるため、どうしても個人の感覚によって差が出てくるのが避けられないと思われるからです。したがって、よりわかりやすくするためには、量的な基準ではなく質的な基準に基づいて分類すべきではないかと考えます。

 そこで、ここでは作品の背景となる舞台に着目し、“ミステリ→SF”(SF的世界にミステリ的要素を導入したもの)と“SF→ミステリ”(ミステリ的世界にSF的要素を導入したもの)に二分してみることにしました(これが上記風見潤による“ミステリ風SF”・“SF風ミステリ”と必ずしも一致しないことにご注意下さい)。また、“ミステリ→SF”はさらに、犯罪事件(の捜査)を中心とした“犯罪捜査SF”と、それ以外の謎解きを中心とした“謎解きSF”に分けてみました。この分類は比較的わかりやすいと思いますし、作品の雰囲気も大まかにつかめるのではないでしょうか(ネーミングには再考の余地があるかもしれませんが……)

 なお、山口雅也<キッド・ピストルズ・シリーズ>やP.ディキンスン『King and Joker』『キングとジョーカー』)はパラレルワールドを舞台にしたミステリですが、ここでは扱っていません。パラレルワールドという設定自体はSF的ですが、そこで描かれている世界がSF的なものではないからです。

2002.08.04



作品リスト

 以下のリストには、基本的に未読の作品は含めていません。随時作品を追加していく予定です。
 なお、このリストを作成するにあたっては、上述の嵐山薫さんによるリスト(2002年7月13日の日記)を参考にさせていただきました。

1.ミステリ→SF
   1-A.犯罪捜査SF
   1-B.謎解きSF
2.SF→ミステリ




1. ミステリ→SF (SF的世界にミステリ的要素を導入したもの)
1-A. 犯罪捜査SF (犯罪事件の捜査が中心となるもの)
アシモフ, アイザック
『鋼鉄都市』(ハヤカワ文庫SF)
『はだかの太陽』(ハヤカワ文庫SF)
『夜明けのロボット』(ハヤカワ文庫SF)
「ミラー・イメージ」『SFミステリ傑作選』(講談社文庫)収録)
 未来の地球、あるいは別の惑星などを舞台に起きたロボット絡みの事件を扱ったシリーズです。
『アシモフのミステリ世界』(ハヤカワ文庫SF)
 月面で起きた殺人事件を倒叙形式で描いた「歌う鐘」をはじめ、SFミステリを中心とした短編集です(“謎解きSF”なども含まれていますが……)。
 なお、「歌う鐘」はアンソロジー『SF九つの犯罪』(新潮文庫)にも収録されています。
荒巻 義雄
『エッシャー宇宙の殺人』(中公文庫)
 版画家M.C.エッシャーが描き出した、現実には存在し得ない超建築が建ち並ぶ街・カストロバルバで起きる事件を描いた連作短編集です。
アンダースン, ポール
『審判の日』(ハヤカワ・SF・シリーズ)
 地球を壊滅させてしまったのは何者なのか? 壮大なスケールのフーダニットです。
石持 浅海
『BG、あるいは死せるカイニス』(創元ミステリ・フロンティア)
 全人類が女性として生まれ、その一部が男性へと性転換する世界で起きた殺人事件。
ヴァーリイ, ジョン
「バービーはなぜ殺される」『バービーはなぜ殺される』(創元SF文庫)収録)
 全員が同じ顔、姿形で暮らす宗教的コミューンで起きた殺人事件の顛末を描いた作品です。
ヴァンス, ジャック
「とどめの一撃{クー・ド・グラース}『SF九つの犯罪』(新潮文庫)収録)
 様々な惑星からの人々が集まった宇宙ステーションで起きた殺人事件が描かれています。
「月の蛾」『20世紀SF3 1960年代 砂の檻』(河出文庫)収録)
 誰もが仮面を身に着けて暮らす惑星で、よその星から来た犯罪者を探し出すというフーダニットです。
ウィルスン, F・ポール
『ホログラム街の女』(ハヤカワ文庫SF)
 未来都市を舞台にしたSFハードボイルドの連作です。
エフィンジャー, ジョージ・アレック
『重力が衰えるとき』(ハヤカワ文庫SF)
 近未来のイスラム世界を舞台にした電脳ハードボイルドです。
鏡  明
『不確定世界の探偵物語』(トクマ・ノベルズ)
 タイムマシンによって改変され続ける世界を舞台にしたハードボイルドの連作です。
上遠野浩平
『殺竜事件』(講談社ノベルス)
『紫骸城事件』(講談社ノベルス)
『海賊島事件』(講談社ノベルス)
 ファンタジー世界を舞台に、<戦地調停士>と呼ばれる人々が難事件を解決していきます。
ガルシア, エリック
『さらば、愛しき鉤爪』(ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス)
『鉤爪プレイバック』(ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス)
 恐竜たちが密かに人間にまぎれて生きる現代を舞台にしたハードボイルドで、主人公は恐竜の私立探偵です。
ギャレット, ランドル (Michael Kurlandの作品も含む)
『魔術師を探せ!』(ハヤカワ文庫HM)
『魔術師が多すぎる』(ハヤカワ文庫HM)
『Ten Little Wizards』(Ace Fantasy)
『A Study in Sorcery』(Ace Fantasy)
「想像力の問題」
「重力の問題」『SFミステリ傑作選』(講談社文庫)収録)
「イプスウィッチの瓶」『SF九つの犯罪』(新潮文庫)収録)
「The Sixteen Keys」
「苦い結末」
「The Spell of War」
「ナポリ急行」
 科学の代わりに魔術が発達したパラレルワールドを舞台にした<ダーシー卿シリーズ>の作品です。当然ながら魔術絡みの事件が多くなっていますが、魔術を使った捜査にも注目すべきでしょう。
草上  仁
「転送室の殺人」『市長、お電話です』(ハヤカワ文庫JA)収録)
 宇宙船から荷物を送り出すための“転送室”で起こった殺人事件が描かれています。
コーヴィル, ブルース
『宇宙探偵ラスティ』(ハヤカワ文庫SF)
 スペース・コロニーで起こった殺人事件を描いた作品ですが、“存在しない被害者”の謎が秀逸です。
スコット, マーティン
『魔術探偵スラクサス』(ハヤカワ文庫FT)
 ファンタジー世界を舞台とした私立探偵ものです。
瀬名 秀明
「メンツェルのチェスプレイヤー」『21世紀本格』(カッパ・ノベルス)収録)
 ロボットに関する技術が進歩した世界を舞台に、人間を殺したロボットの動機を探る作品です。
ソウヤー, ロバート・J
『ゴールデン・フリース』(ハヤカワ文庫SF)
 亜光速で航行する植民宇宙船内で起きた殺人事件が扱われています。倒叙形式で書かれているため、犯人は最初から明らかですが、最後に明かされる動機、そしてその奥に隠されたスケールの大きな真相は特筆すべきでしょう。
『Fossil Hunter』(New English Library)
 知性を持った恐竜の世界を舞台にした、『占星師アフサンの遠見鏡』(ハヤカワ文庫SF)の続編です。恐竜の連続殺害事件が物語の重要な要素となっています。
『ターミナル・エクスペリメント』(ハヤカワ文庫SF)
 主人公の精神をもとにしてコンピュータ上に作成された、少しずつ違いのある三種類のシミュレーション。そのどれかが殺人を犯してしまうという、異色のフーダニットです。
『イリーガル・エイリアン』(ハヤカワ文庫SF)
 地球を訪れた異星人が殺人事件の容疑者として逮捕され、裁判が行われるという異色の法廷ものです。
『フラッシュフォワード』(ハヤカワ文庫SF)
 人類が垣間見ることのできた21年後の未来。そこで殺人事件の被害者となっていた人物が、自分を殺す/殺したのは誰なのかを探っていく過程が、物語の重要な要素となっています。
「The Hands You're Dealt」『Iterations』(Quarry Press)収録)
 スペース・コロニーで起きた殺人事件が描かれていますが、どちらかといえばホワイダニットの要素が強い作品です。
 なお、「配られたカード」という題名で邦訳があります(SFマガジン1998年1月号掲載)。
田中 啓文
『星の国のアリス』(祥伝社文庫)
 他の惑星へと向かう宇宙船内で、全身の血液を抜き取られた密航者の死体が発見されるという作品です。ホラー的な要素も含まれています。
谷  甲州
『36,000キロの墜死』(講談社)
 無重力状態の宇宙ステーションで発見された墜死体に始まる一連の事件を描いた作品です。
柄刀  一
『アリア系銀河鉄道』(講談社ノベルス)
『ゴーレムの檻』(講談社ノベルス)
 発せられる言葉がそのまま現実に影響を与える世界、銀河鉄道の旅が可能な世界など、それぞれにファンタジックな世界を舞台にした連作短編集です。
都筑 道夫
『未来警察殺人課』(徳間文庫)
『未来警察殺人課2 ロスト・エンジェル・シティ』(徳間文庫)
 題名そのまま、遠い未来を舞台に<殺人課>の刑事の活躍を描いた作品集です。ただし、この<殺人課>は殺人事件の捜査を行うのではなく、殺人衝動を持つ人間を探し出し、密かに抹殺するのが仕事で、ハードボイルド的な雰囲気になっています。
ニーヴン, ラリイ
『不完全な死体』(創元推理文庫SF)
『パッチワーク・ガール』(創元推理文庫SF)
「The Woman in Del Rey Crater」
 “想像の腕”を持つ超能力者ギル・ハミルトンを探偵役としたシリーズで、『不完全な死体』は表題作の他に「快楽による死」「腕」(密室殺人)という、いずれも臓器移植が発達した未来を舞台にした作品を収録した中編集、『パッチワーク・ガール』の方は月面のコロニーで起こった殺人事件を描いたややミステリ色の強い長編です。
 なお、「腕」は別訳(「アーム」)がアンソロジー『SF九つの犯罪』(新潮文庫)に収録されています。
二階堂黎人
宇宙捜査艦《ギガンテス》』(特間デュアル文庫)
 作者が好きな「スタートレック」風スペースオペラの舞台に密室殺人を持ち込んだ作品です。
半村  良
『魔境殺神事件』(祥伝社文庫)
 多数の超能力者が暮らす“魔境”で、“神”と呼ばれる部族の長が殺されるという作品です。被害者・容疑者・探偵役のすべてが超能力者というところがユニークです。
氷川  透
「AUジョー」『21世紀本格』(カッパ・ノベルス)収録)
 文明が崩壊しかけた近未来の世界で起きた殺人事件を描いた作品です。設定があまり生かされていないのがやや残念。
ベスター, アルフレッド
『分解された男』(創元SF文庫)
 テレパシーが日常的に存在する未来世界で起きた殺人事件を描いた作品です。倒叙形式で書かれているため犯人は明らかですがですが、ちょうど『刑事コロンボ』のような犯人と刑事の激しい心理戦が見どころです。
ホック, エドワード・D
『コンピューター検察局』(ハヤカワ文庫HM)
『コンピューター404の殺人』(ハヤカワ文庫HM)
「コムピューター警官」『ホックと13人の仲間たち』(ハヤカワ・ミステリ)収録)
 機械化・コンピューター化が進んだ未来を舞台に、コンピューター犯罪専門の<コンピューター検察局>の活躍を描いたシリーズです。
 他に長編『Frankenstein Factory』がありますが、残念ながら未訳です。
「ウルフラム・ハンター」『SFミステリ傑作選』(講談社文庫)収録)
 文明の崩壊した未来世界で起きた殺人事件が描かれています。
堀   晃
「宇宙牢」『漂着物体X』(双葉文庫)収録)
 複雑な迷路が設けられた宇宙牢獄で、脱獄者が事故死した事件の謎を探るという作品です。
松尾 由美
『バルーン・タウンの殺人』(ハヤカワ文庫JA)
『バルーン・タウンの手品師』(文藝春秋)
『バルーン・タウンの手毬唄』(文藝春秋)
 “妊婦が集団で暮らす町”という特殊な世界を舞台にした連作短編集です。
三雲 岳斗
『M.G.H. 楽園の鏡像』(徳間書店)
 宇宙ステーションの無重力ホール内に漂う墜死体という魅力的な謎を扱った作品です。
森  博嗣
『女王の百年密室』(幻冬舎)
 100年にわたって外界との接触を断ち、“死”という概念の存在しない都市で起きた殺人事件が描かれています。
「トロイの木馬」『21世紀本格』(カッパ・ノベルス)収録)
 仮想現実の世界を主な舞台とし、ハッキングをきっかけに主人公が事件に巻き込まれていくというサスペンス風の作品です。
山口 雅也
『生ける屍の死』(創元推理文庫)
 死者が次々とよみがえる世界で起きた殺人事件が描かれた作品で、探偵役も“生ける屍”という異色の傑作です。
レズニック, マイク
『一角獣をさがせ!』(ハヤカワ文庫FT)
 ファンタジー+私立探偵もの。
『第二の接触』(ハヤカワ文庫SF)
 殺人事件の被害者たちが異星人だったのではないかという疑惑を中心としたサスペンスです。
レセム, ジョナサン
『銃、ときどき音楽』(早川書房)
 近未来の管理社会を舞台にしたSFハードボイルドです。

1-B. 謎解きSF (犯罪事件以外の謎解きが中心となるもの)
アシモフ, アイザック
『永遠の終り』(ハヤカワ文庫SF)
 時間管理機構<永遠{エターニティ}>に隠された秘密が少しずつ暴かれていくという作品です。
クレメント, ハル
『20億の針』(創元推理文庫SF)
『一千億の針』(創元推理文庫SF)
 『20億の針』は、地球人に取りついた異星人の凶悪犯を、地球人の少年と異星人の刑事が協力して探し出すという作品です。犯人探しではありますが、作中で犯罪が行われるわけではないのでこちらに分類しました。
 なお、『一千億の針』はその続編です。
小林 泰三
「キャッシュ」『海を見る人』(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)収録)
 “世界”が破滅に瀕している原因は何なのか、依頼を受けた探偵が調査を行うという作品です。
ソウヤー, ロバート・J
『さよならダイノサウルス』(ハヤカワ文庫SF)
 タイムマシンで白亜紀へとやってきた主人公たちが恐竜絶滅の謎を探るという作品です。特に、冒頭に提示された数々の謎が一気に解き明かされるラストは、まさにミステリの解決場面そのものといってもいいでしょう。
「You See But You Do Not Observe」『Iterations』(Quarry Press)収録)
 未来に復活させられたシャーロック・ホームズが、“異星人の不在”という難問を解決するという作品です。
 なお、「ホームズ、最後の事件ふたたび」という題名で邦訳があります(『90年代SF傑作選 下』(ハヤカワ文庫SF)など)。
都筑 道夫
『銀河盗賊ビリイ・アレグロ』(集英社文庫)
 盗賊ビリイ・アレグロの活躍を描いた連作短編集ですが、特に「アンドロイド&ロイド」(奇妙な依頼の謎)・「覆面条例」(顔を隠した市長は本物なのか?)・「野獣協定」(宝石の隠し場所)あたりは謎解きの要素が強い作品です。
ニーヴン, ラリイ
「中性子星」『中性子星』(ハヤカワ文庫SF)収録)
 可視光線以外は何も通さない強固な船体を通して宇宙船乗組員の命を奪ったのは何か、という謎を解明する作品です。
「太陽系辺境空域」『太陽系辺境空域』(ハヤカワ文庫SF)収録)
 太陽系の辺境で次々と消息を絶つ宇宙船の謎を解く作品です。
林  譲治
『ウロボロスの波動』(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
 ミステリ仕立てで様々な謎が解明されていくハードSF連作短編です。
ホーガン, ジェイムズ・P
『星を継ぐもの』(創元SF文庫)
 月面で発見された5万年以上も前の人間の死体の謎を解いていく作品です。
『時間泥棒』(創元SF文庫)
 ニューヨークを襲った時間の流れの異常という怪現象の謎を探る作品です。
堀   晃
「時間礁」『太陽風交点』(徳間文庫)収録)
 宇宙空間を漂流する連絡艇の中に発見された10時間後の自分の死体、そしてダイイングメッセージの謎を解くという作品です。
「暗黒星団」『太陽風交点』(徳間文庫)収録)
 6個のブラックホールに囲まれた惑星で、すべての生物たちが集団自殺するという謎を解く作品です。
「背赤後家蜘蛛の夜」『異形コレクション ロボットの夜』(光文社文庫)収録)
 ロボット+『黒後家蜘蛛の会』(I.アシモフ)という異色の作品です。
ラインスター, マレー
『地の果てから来た怪物』(創元SF文庫)
 ミステリ仕立てのパニック・ホラー/SF。
ラッセル, エリック・フランク
『超生命ヴァイトン』(ハヤカワ・SF・シリーズ)
 世界の科学者の連続怪死事件の謎、そして敵である<ヴァイトン>の弱点を解明していく過程は、十分にミステリ的といえるでしょう。
レム, スタニスワフ
『宇宙飛行士ピルクス物語』(早川書房海外SFノヴェルズ)
 宇宙飛行士のピルクスが遭遇する様々な事件を描いた連作短編集。一部の作品はミステリ色が強いものとなっています。



2. SF→ミステリ (ミステリ的世界にSF的要素を導入したもの)
乾  くるみ
『マリオネット症候群』(徳間デュアル文庫)
 殺された人間の意識が別の人間に転移するという設定を生かしたミステリです。
井上 夢人
『ダレカガナカニイル…』(新潮文庫)
 突如、頭の中に誰かの意識が入り込んでくる、という怪現象の謎を中心としたミステリです。
『オルファクトグラム』(講談社ノベルス)
 “匂いを見る”という特殊な能力を持つ人物を主役としたミステリです。この設定は、謎そのものではなくその解明に使われています。
カー, ジョン・ディクスン(ディクスン, カーター)
『ビロードの悪魔』(ハヤカワ文庫HM)
『火よ燃えろ!』(ハヤカワ文庫HM)
『恐怖は同じ』(ハヤカワ・ミステリ)
 いずれも過去へタイムスリップした主人公が殺人事件に巻き込まれるというもので、タイムスリップというアイデアをミステリに導入することで、ミステリの可能性を広げた作品といえるのではないでしょうか。特に『ビロードの悪魔』は傑作です。
谺  健二
『星の牢獄』(原書房)
 宇宙人の探偵役+“館もの”ミステリ……+α。
ソール, ジェリイ
『時間溶解機』(ハヤカワ・SF・シリーズ)
 SFネタを絡めた記憶喪失サスペンスです。
西澤 保彦
『人格転移の殺人』(講談社ノベルス)
 謎の装置によって次々と人格が交換される状況で起きた、連続殺人事件を描いた作品です。
『複製症候群』(講談社ノベルス)
 姿形だけでなく記憶までも完全に複製した“コピー”が生み出される状況での殺人事件。
『死者は黄泉が得る』(講談社ノベルス)
 謎の装置による死者の復活と、アメリカの田舎町で起きる連続殺人事件の顛末を描いた作品です。
『完全無欠の名探偵』
『七回死んだ男』
『瞬間移動死体』
『ナイフが町に降ってくる』
『幻惑密室』
『実況中死』
『念力密室!』
『夢幻巡礼』
『転・送・密・室』
 以上、内容は後日あらためて紹介します。
ボアロー/ナルスジャック
『私のすべては一人の男』(ハヤカワ・ノヴェルズ)
 “画期的な移植技術”というアイデアをミステリに取り入れた作品です。
三雲 岳斗
『ワイヤレスハートチャイルド』(徳間デュアル文庫)
 “日常の謎”ミステリと、ロボット(+α)というSF設定を組み合わせた作品です。
レム, スタニスワフ
『捜査』(ハヤカワ文庫SF)
『枯草熱』(サンリオSF文庫)
 この2作品を“SFミステリ”に含めるのは適切でないかもしれません。いずれもミステリ風小説にSF風アイデアを取り入れた作品です。


黄金の羊毛亭 > 雑文 > SFミステリ作品リスト