日 記

(2015年9月)


<今野順夫の部屋>

◇ 今日で9月も終わりです。安保関連法案をめぐって、大きな運動がなされた時期でした。
 憲法学者の多くが、憲法違反の声をあげたが、政府に届きませんでした。これほど、学者・研究者の意向が無視されたのは、経験したことはない。反知性主義との批判もあったが、自らの仕事が否定されてような気分であった。政治的な立場はともかく、聞く耳を持ってほしかった。国立大学の人文社会系の存続を否定する政策動向と、軌を一にしているのであろうか。
 原発地域からの避難者から、政府・東電と共に学者を信じたことが間違いであり、その責任は大きいと言われたときに、個人的態度とは別に、その集団の一員であることに、大きな恥を感じた。政府権力者や行政は、都合のいいとき(人)の学者の意見は聞くが、異なる意見に耳を傾けてはくれない。それだけのことだが。
 ふくしま復興支援フォーラムも100回を迎え、今は、休業中。復興に向かって、何が必要か、何をなすべきか、見定めながら次の一歩を歩むことにする。100回ということで、福島民友の「かお」の欄朝日新聞の「ひと」の欄に、取り上げられてしまった。過大評価であり、私は事務的役割にしか過ぎないが、フォーラムを評価してくれたことは嬉しい。
 明日からの10月は、非常勤講師の再開、いくつかの講演、県やコープや、他の団体の仕事も続くが、体調を建て直しつつ、頑張ることにしましょう。病床にあった友人も、自宅に戻り1ヶ月が経つ。そろそろ安心してもいいかなと思う。(9/30)<30138>


◇ 終日、自宅に閉じこもり。家事手伝いは、新聞紙などをコープの資源ごみに出してくる作業だけ。
 机に向かって、本を読んだり、県からの電話に対応したりしている。やはり、まだ、自宅での仕事に慣れない。
 最近の大学政策に対する危惧を表明する論稿が寄せられたが、基本的には、10年前の国立大学法人化を起点としている。私などは、大学全体の執行部に参加するのは、法人化が決定し、その具体化が求められていたときなので、あまり生々しい場になかったが、当初の議論(約束)とは、かなりかけ離れてきている。今の現職は、きっと大変なのだろうが、なかなか正論を吐くことはできない。財政保障が危うくなる。
 法人化前後に役職についていて、今の現実に懸念を持っているOB・OGが多いので、その声を伝えてほしいという願いから、ブログを立ち上げ、その橋渡しをしようと思った。ブログ「大学改革フォーラム〜意見&資料〜」であるが、ささやかでも、声を上げ続けることが大事なのであろう。(9/29)<30120>


◇ 連休後の月曜日。疲れて、ボーッとしていました。
 夕方、定例のコープ常任役員会。夜はフォレスタの日本の歌を聴いて、終わり。(9/28)<30105>


◇ 週末の土日、女川に行ってきました。「女川に元気を送る会」の第3回女川慰霊の旅への参加です。
 26日(土)。集合場所は仙台、石巻、女川現地。25名ほどの参加ですが、私は女川集合。石巻のH君と事前連絡をとり、集合の12時半の1時間前に落ち合おうと約束し、9時半頃出発。昼食をとってくることが前提なので、近くで昼食をご一緒しようということになりました。いろいろ可能性はあったのですが、お茶っこクラブで、カレーライスで済ませました。
 照源寺のご住職お二人の読経の中、お参りをすることができました。地域医療センターで震災当日の津波被災の状況、救援の状況等の説明をいただき、仮設自治会長として活躍している高橋さんから体験談を聞く。旧女川一小にある、NPO法人カタリバの「女川向学館」を視察、支援金の贈呈式。その後、新女川駅前を自由に散策。駅だけでなく、駅前の商店街の建築がはじまるなか、コーヒーをいただいてゆったり。夜は、女川町の関係者を含む夕食・懇親会。女川町の出身者の集団なので、年代によって、中学時代の懐かしい話で和気あいあい。
 大人しく宿泊先(エルファロ)に帰ってから、数人でタクシーを頼んで、仮設商店街の中にあるビール専門店(ガル屋)で、二次会。おながわ特有の地ビールをいただき、飲みすぎたかな。
 今日・日曜日。エルファロからバスに乗車、雄勝方面、ブルーラインを視察、ここには半島部の桐ヶ崎、尾浦、御前浜、指ヶ浜などを眺めつつ、雄勝へ(石巻市、旧雄勝町)。バスを降りて、仮設の商店街、雄勝硯生産販売協同組合の見学。震災後、東京駅の改修で雄勝スレートが使われてきたこと、また東京駅構内に雄勝石の作品展示、仙台三越での企画など、雄勝に係る企画に大きな関心を持ってきた。ただ、復興は見た限りではあまり進んでおらず、雄勝病院の悲劇(患者40名全員、スタッフ24名の犠牲)もあらためて聞いて、医療ジャーナリストの書いた本(辰濃 哲郎 『海の見える病院 語れなかった「雄勝」の真実』 )を読みたくなり、発注。初動の遅れ、復旧復興の困難さと大型合併による周辺部の困難さには大きな関係あると思い、平成の大型合併の災害対応の弱化について、検証が必要と思う。
 雄勝からの帰り道、竹浦に寄り、竹浦を拠点に、潜水による海中清掃等の活動をしている高橋さん(石巻海さくら所属)から、話を聞く。我が身内の3人は、いまだ行方不明だが、あるいは・・と思いつつ、こうした活動を行う人材の養成システムに、大きな関心を持つ。
 女川駅前のフューチャーセンター・カマスで、出前の昼食を、町長を交えて取る。バスは、その後、帰路、希望の鐘商店街や高政、マリンパルで買いもをして帰るが、私は別行動で、「女川つながる図書館」に立ち寄る。初めての受付の職員さんだが、姪等の同期生、東北の生徒を連れてパリに行った生徒のお母さんでもあるという。小さな町に居ると、人間関係が緊密である。町づくりのなかで、図書館も、地味ながら、地に着いた発展をして欲しい。
 福島までの帰路は、疲れか、睡魔に襲われ、三陸道・東北道と2箇所で仮眠と休憩。持続性がなくなってきた。なんとか無事到着。充実した2日間の慰霊の旅は終了。「元気を送る」というよりも、「元気をもらう」ようになってきた。しかし、一人一人の生活の回復は、住居も含め、遅れている。4年半が過ぎ、5年が近い。表面のみにとらわれず、見続けなければならない。(9/27)<30080>


◇ 朝、連続テレビ小説もみないで、家族を福島駅まで送る。山形での仕事で、一緒に行く方々と貸し切りのバス。
 午前中、コープふくしまの「環境委員会」。新地町在住の語り部・村上美保子さんの講演。「東日本大震災から学んだこと 〜 忘れてはならない思い出を紙芝居にのせて 世界にたったひとつの物語〜」。講師は新地町で旅館(朝日館)を営む女将さんだが、当時の生々しい体験と、避難所・仮設住宅での同じ被災者たちとの連携・絆、何か前向きの明るさを感じた。
 紙芝居自体は、津波が来て主人公の漁師が船を守るために、沖に船を出す。大変な苦労で船を守ったが、帰ってきてみると家族が流されていた。紙芝居の題は、「命の次に大切なものは・・」。一隻6000万円もする船。命にかけてそれを守ろうとしたのだが、船ではなく家族を守り切れなかったこと・・。市長さんから、漁師が船を沖に出して、船を守ったという話は聞いていたが、その背後に、いかなる犠牲を伴っていたのか、心が引きちぎられる。
 私と同年代のご主人(今日は運転手)も含め、ささやかな昼食。魅力のあるご夫婦だ。同じような話は聞くことはあるが、一人一人の体験が、いかに貴重なものか、震災遺構と共に、こうした人々の物語を残しておきたいものだ。

 急いで、午後、県の委員会の会議へ。県の職員も、家族を守るとともに、公務員としていかに、震災の中で奮闘したか、そうした話が聴けるといい。公務員は、やるのは当然視されるが、同じく家族を抱え、家族を守り、自己犠牲的な仕事がいかに貴重なものか、きちんと把握しておくべきだと思う。住民と公務員の間は、そうした相互理解があってこそ、信頼関係も醸成されるだろう。(9/25)<30061>
 


◇ シルバーウィークも終わり、週の半ばからの週の始まりです。すぐに、また土曜日が来ます。
 最終日の23日は秋分の日。お墓参りに行きたいところですが、渋滞の凄さのニュースに怖気づいています。自宅でのんびりしていたら、沖縄でお世話になった鎌田先生が来福しているとのご連絡があり、出かけました。最近、沖縄と福島の方々を中心にベトナムを訪問して、いろいろと交流をしたお話を聞けました。ベトナムの40度の焼酎とチョコレートをいただきました。鎌田先生の編著で、最近刊行された『持論・評論ーベトナム・沖縄』(2015年9月15日・シイーム出版)も頂きました。3月の沖縄旅行の際に大変お世話になった先生で、私より3年ほど上の経済学者ですが、沖縄・ベトナム友好協会の会長をしています。福島の原発事故以来、沖縄と福島の連帯の問題が強調されていますが、ベトナムも含めた連帯の必要性を感じます。以前、大学間協定締結でハノイを訪れたことがありますが、ベトナムは日本からの原発輸入決定後、福島の事故が発生し、福島の状況について大きな関心を抱いているようです。沖縄は、ベトナム戦争の際、沖縄から飛び立った戦闘機で、空爆が繰り返され、その基地反対の運動との連帯の歴史があります。執筆活動はじめ、多面的な活動を展開している先生の本から、いろいろ教えていただきたいと思っています。
 夜は、マスメディアに押されて、ラグビーを見ることになりました。開始から終了までラグビーの実況を観たのは初めて。ルールも不確かなところがありますが、予想外の大敗でした。深夜まで観戦して、夜更かしになってしまいました。
 連休明けの今日は、コープ関係の打ち合わせなど。コープカレッジの企画検討と、第1回の修了生との交流会(昼食会)。参加対象が50歳以上のカレッジなので、生協活動のベテラン。14名ですが私が1人男性(黒1点)。少し、高齢者中心でも、コープの活動に男性も参加して頂けるといいのですが。第2回は10月〜12月の3回シリーズですが、「中高年者の生活と社会保障」をテーマに、@雇用、A年金、B医療についてやりたいと思いますが、時間が迫っているのと、謝礼の問題もあり、結局は、私が話さなければならないかなと思っています。私から出した企画案なので、やむを得ません。講義の、部分切り売りですが、何か役に立てればと思います。
 午後、復興関係のプロジェクト研究の打ち合わせ。中心になっている友人が病で倒れてしまったので、あまり積極的ではありませんが、いろいろ市民と行政等との合意形成問題ですので、フォーラムの続きで、協力することにしました。(9/24)<30047>


◇ シルバーウィークもあと一日残すだけ。そろそろ東京に戻る渋滞が出ている。
 書評の対象にした本が、どうも扱いにくいので、本を替えることにした。「老後破産」へ。2014年9月28日放送のNHKスペシャル『老人漂流社会〜"老後破産”の現実』をベースにしたルポである。自分がそうなったからではなく、高齢者問題の深刻さへの対応の必要性を痛感しているからである。生協関係の雑誌なので、生協活動でも注視してほしい。ちょっと読みやす過ぎるかもしれないが、皆さんに読んでもらうことも重要なので、そうすることにした。たまたまアマゾンから届いたからというものではあるが。
 昼前、プリンターのインクを買い、定期刊行物を書店に取りに行くついでに、運動不足解消のため、徒歩で行く。万歩計を付けたら6300歩ほど。1時間ほどかかったが、少し足が痛く、昼食後、眠くなって昼寝。外は気持ちのいいほどの快晴の秋空。
 のんびりした休日。(9/22)<30016>


◇ 5連休のシルバーウィークも中日。「敬老の日」である。午前中に、ショートステイの義母(98歳)を訪ねる。敬老の日のパーティは、土曜日だったらしく、今日は普通の日。シルバーウィークは、5月のゴールデンウィークに対しして使われているが、あまり馴染みがない。しかし、今年は曜日の組み合わせで、5連休であり、ゴールデンウィークに匹敵。年度初めのゴールデンウィークに比して、ゆっくりできた人が多かったかもしれない。ただ、直前まで、国会情勢が騒然としており、その決着がついた直後なので、重い気持ちだったかもしれない。  今朝の朝日新聞の「ひと」欄に、私が掲載されて落ち着かない日。ふくしま復興支援フォーラムが100回目を迎えたということなのでが、それを紹介するために、事務担当者を取り上げたということである。全国紙だし、大きな写真も掲載されているので、気恥ずかしい。仙台の友人・知人のメールや電話、フェースブックでの紹介等々、普段、ご無沙汰している方々との話もできた。
 合わせて、先日の安保法案についてのメールもいただき、励まされた。元大学学長で、専攻は違うが、お世話になった大先輩である。フェースブックにも転載させてもらったが、備忘録として、ここでもその一部を引用させていただくことにする。
 <残念ながら、「戦争法案」は成立しましたが、今、絶望はしていません。私も、居たたまれず、14日、東京の大学1年生の孫と国会前に行きました。そこで55年前の60年安保とは違う、民主主義の深化と分厚い底力を感じました。とくにSEALDsの諸君が頼もしく、一人ひとりが主体的に参加し、声を上げている姿に感銘を受けました。とにかく今回は、世代や地域、職業・社会的立場を超えて、文字通り老若男女が、自ら考え、理解し、行動を起こしたことは、画期的な成果・前進です。集会では、同年代とおぼしき杖を突いた老夫婦や、子供連れのママさん、ネクタイをしめた勤め帰りの若者たちを、沢山見かけました。
 55年前の6月19日は、夜を徹して国会正門前に座り込んでいました。そして、ついに自然成立した時、言いようのない「敗北感・挫折感」に襲われたことを覚えています。
 しかし、今回は違います。敗北感や挫折感はありません。状況を切り開き、転換する「力」が、間違いなく育ち、広がっているように感じられたからです。国会前で、55年前とは様相を一変する集会やコールに驚きましたが、そこに、将来につながる民主主義の可能性と発展性を見た思いです。今回は、国会がまたとない「民主主義の学校」だったように思います。
 安倍政権は、図らずも「トラの尾」を踏み、生きた教科書を提供したわけです。そのことを、いつか思い知ることがあるに違いありません。いまは、そのことを確信しています。>
 日本の今後辿る方向について、まさに「岐路」に立っているような気がします。しかし、この70年間に培われた民主主義は、容易に壊されることはないという確信を持ちつつ、一つ一つについて、きちんと声を上げていくべきと思っています。
 この「日記」も、アクセス数が3万件を超えました。2010年10月10日以降です。ほぼ5年間になります。平均年6000件、月500件、1日平均17件ということです。私的な備忘録にすぎませんが、覗いていただき、関心を持っていただくことの有難さを感じています。(9/21)<30003>


◇ 大型連休中の日曜日。曜日の感覚は無い。
 女川でさんま収獲祭が、震災が初めて魚市場で行われるようで、天気もいいし、行きたいのだが、渋滞を考えると足が出ない。それを察してか、孫一家は、昼頃、女川まで行ったようだ。墓参りも兼ねていたらしいが、時間がなくて、そちらはスル―。
 短い書評(新刊書)を頼まれていて、佐藤幸治氏の『世界史の中の日本国憲法ー立憲主義の史的展開を踏まえてー』という短い本を選んだが、読むのは簡単だが、書評は難しい。この間の、安保法案論議では、立憲主義について、あまり政府関係者も理解をしていなかったようなので、若い人には是非読んでほしいと思った次第。書評というよりも、読むことを勧めることか。
 安保法案の成立後、政治的課題は、内容・手続き上欠陥が多いこの法を実行させない・廃止ということになるのだろう。次の選挙で、反対派を多数議席にするということだが、選挙協力問題が出てきている。小選挙区制は、民主党政権も自民党政権も、過半数の投票を得ないまま政権についている。選挙協力が実現すると、過半数の投票数が必要になる。フランスの様に、小選挙区制でも、過半数得票が必要なため、第2回目の投票前までに選挙協力がえきればいい制度ではないので、選挙に入る前に協力関係が必要。果たしてやりきれるか、政党の綱領の違いを乗り越えて、やりきれるか、興味の尽きないテーマではある。(9/20)<29993>


◇ シルバーウィークの連休なのですが、特に予定はありません。
 急に、塩竃の孫宅へ。昼頃に行き、孫たちのスイミングスクールの時間前、立ち寄ってきました。まさか渋滞はないと思っていたのですが、事故の渋滞。それと「嵐のコンサート」かな。それでも20分遅れくらいで到着。一緒に昼食とカルタ遊び。
 帰りの自動車道はスイスイ。夜は、男はつらいよ、寅さんシリーズ。
 国会の異常事態で、少し気が抜けています。議論の蚊帳の外におかれた当の自衛官。一般の会社であれば、労働契約の大きな変更になるので、充分な説明が必要とは思うのですが、ほとんどなかったようです。家族が心配で声を上げ始めています。82年に転勤直後に、教育学部の2年生対象の社会科演習(80名くらいかな)で、各国の軍隊組織について勉強したことがあったが、日本の自衛隊における隊員の無権利状態に驚きました。欧米では、軍隊組織内での「兵士の権利」や「良心的徴兵拒否」の権利が確立してたのと比較して驚きました。きつい仕事であればあるほど、「拒否権」が明確にされる必要があると思います。特に現自衛官は、「専守防衛」を前提に入隊しているので、特にそうです。労働関係の勉強をしていると、どうして警察や自衛隊に、その被用者を守る権利・組織(団結権等)がないのか不思議です。
 自衛隊が憲法違反かどうかの議論はさておき、現隊員の待遇を一方的に悪化させることには、大きな疑問です。震災の復旧作業で、被災者の感謝の気持ちが強い自衛隊員、彼らを敢えて危険な業務に追いやる法制については、家族のみならず、被災地の住民は大きな憤りを抱いていることは否定できないのでないかと思います。それにしても、委員会採決の状況、最低限の手続きの合法性に大きな疑問です。(9/19)<29982>


◇ 昨日・木曜日。午前中は、県の委員会。よく準備された事務局の案に基づいて、協議を行う。カバーする業務範囲は広く、本来、行うべきことはまだまだ多いと思うことがしきりだが、現行の人員体制や権限からすると無理も多い。
 自宅に戻り、夕方のフォーラムの準備ついでに、テレビで国会の中継を見る。安保関連法案の委員会での採決をめぐるが、結局、速記録での「聴取不能」のまま、議事打ち切り、裁決がなされた。こんな状況は、子どもや孫に見せられない。折角、18歳まで選挙権を下し、若者の政治離れを防ぎ、主権者教育をやろうとしている矢先、これをみて、そういう政治に参加する気になるだろうか。
 野党も、あらゆる手段を駆使して、法成立を阻止しようとしているが、数(議員数)の力のみが前面に登場する。少数意見も尊重して、提起されている問題について、充分な説明がなされているだろうか。審議時間数がいくらでも、審議の中身が問題である。それにしても、憲法学者や司法関係者・弁護士団体等の専門的な意見は、完全に無視されて、結局、国民を守るのは憲法や憲法学者ではない、政治の力(議員数の力)であるという類の議論が幅を利かせたと言わざるを得ない。こうしたことが、法学部を含む文系学部を不要とする政策と表裏の関係なのか。反知性主義ということもいわれ、恐ろしき時代の開始なのか。
 夕方の「ふくしま復興支援フォーム」の第100回目。定例的開催としては、一応「終結する」ことにすると宣伝していたせいか、60人もの参加者であった。花束までいただくハプニング。「復興の現段階と今後の課題」という共通テーマで、真木先生(福大名誉教授)と斎藤紀先生(医師)に、報告いただいた。2人なので短い時間だったが、重厚な内容だった。中間まとめと今後の課題を示していただいた。
 今日、福島駅6時50分集合のバス旅行。目覚まし時計の設定を間違えて、6時直前に起きる。6時20分頃には自宅出発しなければならない。なんとか間に合った。いわき市立美術館の「ぐりとぐら展」、北茨城市の「茨城県天心記念五浦美術館」(東西のバルビゾン/コロー、ミレー、大観、春草)、いわき市の「金澤翔子美術館」。3つの美術館巡り(福島銀行のイベント)だが、それぞれ異なる美術館。駆け足の鑑賞だが、それぞれ奥が深い。
 帰宅したのは午後8時前。国会参議院の本会議が継続している。(9/18)<29965>


◇ 水曜日。国会内外は安保法案の採決近しということで、かなり騒然とした様子がテレビを通じて届く。
 雨の中、組織というだけでなく、個々人の参加が目立つようだ。政府は、議員の数に頼って、スケジュール的に進めている感じだ。世論調査も観ることなく、小選挙区制という民意の反映には欠点の多い制度で選ばれた議員の数で押し切ろうとしているという感じがする。与党の中に造反が起きないのも、小選挙区制では、政党の公認が大前提。政策に異論を差し挟むと、公認されず刺客が送られることは経験済み。
 反対運動に、個々人が見えるのは、民主主義、個人の尊重が少し根付いてきたのではと期待。但し、小選挙区制では、個々の政治家の違いが見えない。組織の決定に従った組織人の行動パターン。議員の方が、民主主義の実践者でなくなってきたのではとも。
 深夜までかかっている国会、この帰趨が従来パターンで終わるのか、そうではない予感がするのだが。日本の政治の未熟さ、未発達を痛感。子どもが、民主主義とは?という質問に、多数決と答えることが多いが(安倍首相も同じか)、決定方式として否定できないまでも、やはり国民の意向に従った政治という前提を忘れてはならないだろう。
 あす開催する「ふくしま復興支援フォーラム」の第100回。その資料作りをしていたが、定例的開催をここでお仕舞にして、今後は課題を明確にしつつ、次の取る行動を模索してみよう。(9/16)<29935>


◇ 火曜日。午前中は、福島大学に赴き、研究倫理委員会に出席。外部委員としての参加だが、それぞれ研究開始にあたっての審査の機関である。人を対象にした研究は、いろいろと慎重になすべきことが多い。現職の教員の皆さんが、意欲的な研究テーマで頑張っている姿が垣間見える。
 終了後、まっすぐ県議会へ。昼食時間がないので、車の中で菓子パンの昼食。県議会は2人の代表質問。県民連合と未来ネット。代表質問だと、県政全般にわたる。早めに終了した。帰宅して、古新聞紙など、コープのリサイクルに持っていく。(9/15)<29917>


◇ 月曜日。今週は、国会内外、安保法案を巡って白熱しそうだ。とにかく時間と回数を形式的に繰り返すのではなく、中身のある議論をして欲しいが、最後は“数”が勝つだけでは、民主主義ではない。NHKのアンケートも、国民の意向は反対がますます多くなっている。単に、“理解”が足りないとの決めつけでは、進むことはできない。
 午後、県議会の代表質問。会派の代表者の質問だが、共産党代表と自民党代表。終了は3時過ぎ。
 急いで、コープ本部へ。定例の常任役員会。恒例のコーラスグループ「フォレスタ」のBS日テレ・こころの歌。そして途中からだが、「武士の家計簿」を見る。(9/14)<29906>


◇ 土曜日。妻の誕生日。9月12日は、松川事件の最高裁判決の日でもある。52年前のこの日、全員無罪の判決が出された。2審まで死刑判決を含む判決だったが、最高裁で差戻し判決、そして仙台高裁の判決(門田判決)で無罪。私が仙台の高校の2年生の夏だった。そして大学1年生の9月12日、最高裁で無罪確定。忘れられない事件。法学部という、潰しの効くと言われた学部を選んだのは、この松川事件の影響が大きい。テレビ(ETV特集)は、長崎の被爆2世の会の語り継ぐ活動を報道していたが、松川も承継できる手だてが必要と思う。
 京都在住の義弟夫婦が訪ねてきてくれた。妻の誕生祝いをし、飯坂で遅めの昼食をし、義母を介護施設に訪ねる。天気も良く、何か心温まる家族の交流。夕方、新幹線で帰った。
 土曜の夜は、寅さん、「男はつらいよ」で楽しむ。(9/12)<29879>


◇ 震災後4年半の月命日。明日から5年目に入る。
 松川事件を記念し、後世に継承していくための第1回松川賞の発表の記者会見で県庁県政記者クラブへ。福島大学の松川資料室を、共同で維持継続しているNPO松川運動記念会からの依頼で、松川賞の審査などを依頼された。結果的に、7人の応募者から2人を選び、その他故人であるお二人に特別賞の授与を発表した。松川賞(研究論文・評論部門)前田新氏、松川賞(読書感想文部門)室井誠斗氏、松川賞運営委員会特別賞・故原史江氏、同特別賞・故鈴木信氏の四人である。10月10日に授賞式を行う。記者会見は、3社のみであったが、もっと宣伝をして、2回目を迎えたい。
 午後、コープふくしまの定例理事会。大雨のため道路が通行止め等、来れない理事もおり、天候の影響が大きい。事業経営は順調、この歩みを進めたいものだ。
 午後7時から福島医大でのプレインバンクの審議委員会。前例がないので、なかなか難しい問題もある。改めて関連法令の勉強をしたいと思う。帰途、先日奥様を亡くしたA先生を車に乗せて、ご自宅へ。心痛、いかばかりかと、慰めの言葉が出ない。せめて、最後に「ありがとう」と伝えたかったとの話には、心が痛む。
 孫達への誕生祝いが届いたらしく、喜びの写真が送られてくる。大雨で行くことができなかったので、近くに居られたらいいなと思う。(9/11)<29870>


◇ 雨脚は、強くなる。福島市全住民に避難準備が発表される。大雨洪水警報、土砂災害警報が出されている。山形新幹線もストップ。茨城・常総市等では、鬼怒川が決壊した。逃げ遅れた住民をヘリコプターで救出。50年に1度の大雨。
 午前、遅くなりましたが、孫の誕生祝いを送る。
 午後、9月県議会の開会。開会式に出席。30分で終了。その後に開催予定していた委員会を1時間ほど繰り上げて、早めに終える。自宅に戻って、夕方新聞記者との約束の場所へ。フォーラムの取材。記者が私の高校の後輩だとは驚いた。(9/10)<29857>


◇ 雨が降り続く。台風18号の影響もあり、県内には豪雨注意報も出ている。
 今日は、孫娘(初孫)の9歳の誕生日なので、妻と行く予定だったが、雨が強くなりそうで断念。子どもも我々も残念至極であるが、夜に、ラインを通じたテレビ電話で、元気な顔を見ることもできた。
 娘のフェースブックの書き込みに、「9年前の今頃は夕方産まれてきた長女と2人で病院のベッドに寝てました。誕生はとても嬉しく、世界が変わり、でも隣に寝ている2700gの長女はとてもか細くて、壊れてしまいそうでハラハラしてました。・・・・9年前とても幸せと感じたけど、今はもっと幸せ。」。爺婆も、初孫ではヒヤヒヤ、ハラハラ。健やかに育ってくれたことが、何より。歳のせいで、どこまで同伴できるか分からないが、今後の成長が楽しみだ。(9/9)<29844>


◇ 火曜日。今日は4週間に1回の病院での診察。心臓で開始した通院だが、検査は、糖尿病関係になっている。毎回の血液検査と、3度に一度は腎臓などの検査。3本の採血。高値安定(?)で、努力が必要だが、悪くはなっていないのだろう。しかし、意識的な運動を心がけなければならない。いつも考えてばかりいないで、実行することが肝腎。認知症予防にも関係ありそうだから、本当に実行しないと、みんなに迷惑をかける。
 午後、孫娘の誕生祝いへと思い、トイザラスへ。本命は、親に買ってもらうことにしたので、周辺部分。こうした経験は、そう長くはないのかもしれない。台風18号が日本列島を襲っているが、こちらにどのくらい影響あるのか。何か、天候に恵まれない今日この頃。(9/8)<29832>


◇ 月曜日。月1回のコープ本部職員の朝礼。氷雨のせいか、集まりはあまりよくない。恒例の理事長の挨拶も、国会の安保法案等を一般的に話して、胸に迫る話はできない。中心は専務の経営情報なのだが、冒頭の挨拶なので、心に届きたいが、こちらの修養が足りない(?)。  ガソリンを補填し、土曜日の恩師らとの会食のスナップ写真をプリントアウト。
 夕方のコープ常任役員会。専務のフランスでの報告の招待もあり、素晴らしい。
 女川の同期生Yさんが、土曜日の恩師との会食の写真をフェースブックで見て、私の1年生の担任が、Yさんの第二小学校での5年生の担任だったとコメントをしてくれた。いままで連絡先が分からなかったというので、びっくり、感激。そんなこともあるので、長生きしなきゃと思うのだが(?)。(9/7)<29816>


◇ 昨日・土曜日は、女川のホテルで行われる東北の法律研究者の合宿研究会。毎年、温泉で開催され、最近は欠席がちだったが、女川で開くと聞いて、参加。その途中、6月末に60年ぶりにお会いできた小学校3-4年生のクラス担任の宮川(旧姓佐藤)公子先生の計らいで、1年生の時の担任・熊谷(旧姓島)サト子先生、5-6年の担任・北村拓先生も含めて、石巻・滝川で昼食をともにすることができた。やはり60年ぶりの再会。皆さんお元気でしたが、残念ながら2年生の時の担任・木村(旧姓佐藤)きみ子先生は、大震災の津波で犠牲になられたという。60年前の懐かしい話。つきない。年賀状も差し上げていない不義理を改めて、来年からは出すことにしよう。
 研究会は、華夕美。万石浦のほとりである。検察審査会問題や、刑訴法改正問題等刑事問題が中心だが、福島の復興状況について報告させていただいた。少人数ながら夜の宴会は、ご馳走の山。震災直後に泊まった時のカレーライスとは異なり、ここにも復興の足音を感ずる。
 今日・日曜日は、女川の情報館で震災の状況をお聞きし、女川駅、開店始めた店でコーヒー、病院の敷地の慰霊碑等を見て、彼らを石巻駅まで送る。その後、塩竃の孫宅に寄って、早めに帰路に就いたが、国見から福島の間で、数台前の車の事故。突然、ハザードランプで渋滞かと思ったが、2台の車が衝突したのだろうか。雨でスリップしたのか。下りでスピードが出るところ。こうした事故現場に遭遇すると、安全を過信するといけない。気を付けないと・・。
 帰宅後、U−18の野球、優勝を期待していたが、2対1でアメリカに敗退、チャンネルを変えると、女子バレーも中国に敗退。何か、残念な結果が続く。(9/6)<29803>


◇ 今日は、福島の病院に入院していた友人が退院し、自宅(大宮)に帰る。千葉の弟さんが来てくれて、昼飯をご一緒して、駅まで送り、見送り。
 一人住まいなので、少々心配だが、1月前にリハビリで福島に来た時と比較すると、大丈夫かなと思う。多分、続かないだろうけど、料理の作業療法などもした。あまり焦らないで、社会との調和をして欲しい。それと、無理しないで、少しづつ歩みを広げてほしい。
 何かホッとしたが、見舞いに行くところがなく、少し寂しい(?)。
 自分の体は、自分で守らなければならない、当たり前のことではあるが。
 名誉教授でお世話になっているA先生の奥様の訃報が知らされた。先生から、病院に入院し、退院したと聞いたばかり。養護教諭などしていた奥様とも話したことはあったが。ご冥福をお祈りします。(9/4)<29783>


◇ 午前中、県の会議。定例的なものではあるが、環境が変わるなかで、課題も自ずから変化してくる。行政の会議はどうしても前例踏襲になりがちになるが、いたずらに目くじらを立ててはいけないが、流されてもいけない。その時点時点で、常に、前例を検証しながら進まなければならないのだろう。結果的に、同じことでも、常に、その意味を確認していく必要があるだろう。
 前と、横を眺めて、安心してはならないのだろう。復興の取組みを通じて、関西などと比較して市民の目からの発信が弱いが、それは中央と地方の関係にもあるのかも。自らの頭で考えることは難しい。常に自分の行動にある、依存性を脱却する緊張感が欲しいが、なかなか楽な方に向かう私の習性からの脱却は難しい。
 昼食を同じ委員の先生とご一緒して、歓談。意欲的に活動されている姿に、刺激を受ける。見習って頑張らないと。
 夕方、第99回のふくしま復興支援フォーラム。今日は、仮設住宅で奮闘している鎌田さんから、自治会を作りながら行動的に動いている姿をリアルに教えていただいた。残すところあと1回。100回でしばし休業に入るが、継続してほしい、との声多く、嬉しい。終了後、東北の大学から東京の大学に転勤されたI先生と、大手新聞のO記者と共に、遅めの夕食。第一線で活躍している若手の皆さん、羨ましくもあり、頼もしくもある。重い足を引きずりながらでも、ついていきたいものだ。(9/3)<29770>


◇ 予定のない日。家族の仕事場への送迎。明日のフォーラムの準備。病院への見舞いで、一日終わり。
 東京五輪エンブレム問題が、終日、ニュースを独占。昨日までと違って、気温があがり32度を指す。久しぶりに青空を見る。しかし、夏の空とは言い難く、秋も近いのかな。(9/2)<29756>


◇ 9月になりました。都会の子は新学期の始まりでしょうか。福島は、すでに25日頃には始まっています。特に月末は、肌寒く、夏休みの必要はなかったのかもしれませんが。いつもは、夏休み終了してからの残暑はきつかった。
 珍しく予定の入っていない月初めです。自宅で、机の周りを整理しながら、見失った関係書類など探していますが、なかなか進みません。一番厄介なのは、購読している新聞三紙の切り抜きの多さに閉口しています。じっくり読んでれば、切り抜きを少なくてすませられるのでしょうが、見出しを読んで、後でじっくり読もうとするのが問題なのかも。結局は、まとめて捨てることになるのですが。定年後、新聞をじっくり読んでいる姿を想像していましたが、そうはなっていません。
 オリンピック関係の重大事件がありましたが、スポーツのライブに気を取られました。東北楽天⇔オリックス(楽天は勝ちました)、18歳以下の野球(これも大勝利)、女子バレーは、惜しくもセルビアに負けました。テレビは避難者たちと「相馬野馬追」の特集。避難者の悩みに共感します。政治的・行政的に一律的に処理しないで、一人一人の一番よい選択を可能とする支援こそが求められているように思います。(9/1)<29741>



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